たかやま林業・建設業協同組合 |
〜建設業と林業の“二律共生”で林建協働の推進〜 |
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■ 背景と目的
飛騨高山地域は、岐阜県の約2割を占める地域であるがその林野率は93%、実に235,000haの森林面積を誇り、その内57.4%の135,000haが民有林となっている。その広い森林地域において、十分に森林管理が行き届かない状況を、林業と建設業の協働で、少しでも改善することが、当組合の設立の目的である。
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■ 取組みの手法と内容
事業の内容として、(a)森林管理に伴う補助金制度の活用で、作業道整備を進め、効率的な森林管理を可能にする、(b)建設業に応用のできる現場対応力を、作業道整備で体験・育成する機会として活用する、という林業・山林保有者側のメリットと、建設業側のメリットを両立させることを目指した。ビジネスのサイクルが短期か長期かというだけで、“二律背反”してしまいがちな建設業と林業の協働であるが、互いの課題を解決する現場として、作業道の整備をきっかけとした林建協働モデルで、“二律共生”を目指したのである。
この目指す姿を実現するために、組合員である建設業者と森林組合の経営層が相互に理解を進めると共に、現場で円滑な協働の仕組みを回すために、現場作業での新工法の開発を可能にする体制や、リスク回避にも繋がるオリジナルユニフォームの利用、林野庁長官を始めとした視察の受入れを進めるとともに、それらの事業の基本となる森林経営計画の策定ノウハウを修得し、横展開することにも努めた。さらに、国有林以外の官有林の所有者である自治体や、私有林の所有者などに対して、森林経営計画の提案を実施することで、毎年事業対象領域を拡大していった。
この“二律共生”での林建協働の活動は、全国的にもモデル的な事業として各地で導入が検討され始めている。
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■ 成果とその要因
設立以来、建設業の組合員数も増加しており、事業対象領域面積の拡大や作業道の延長に繋がっている。この成功の背景には、林建協働という互いのビジネスモデルの違いを超えて、地域の林産資源の付加価値化を目標に、相互の業界の“二律共生”を、トップから現場まで浸透させ、理事長の強いリーダーシップの下で実現したことが大きい。
独自の新工法で整備された作業道 |

オリジナルのユニフォームで作業 |
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■ 事業・活動 実現のキーファクター
異業種連携においては、互いの違いを受け入れ、相互に成長する仕組みを、トップから現場にまで浸透させることで、持続的に目標を実現することができる体制が構築できる。 |