組合ガイド
組合紹介
県内先進組合事例
制度の概要
なぜ中小企業に組合が必要か
組合と会社の相違
組合の管理・運営
組合の種類と主な事業
組合設立の方法
中小企業者の組合制度の比較
組合事務マニュアル
加入
脱退
役員の就任・辞任
総会・理事会
総会議案書の作成
総会における議事の進め方
行政庁への提出・届出書類の作成
登記
法改正後における通常総会までの事務手続き
組合決算期の各種事務手続き
文書保存期間の目安
規約・規程
書式・様式集(ダウンロード)
もどる
県内先進組合事例
高山米穀協業組合
〜ストップ!人員減少。地域のコンシェルジュが追求した従業員の幸せ〜
住所 〒506−0008 岐阜県高山市初田町2丁目32番地
TEL 0577-32-3100 URL https://www.big-advance.site/s/136/1258
設立 昭和25年11月 出資金 82,800千円
主な業種 米穀小売販売業 組合員 42人
■ 背景と目的
 当組合は米の販売に留まらず、各種食品や飼料・家電の販売、住宅設備機器工事など幅広く手掛け、地域のコンシェルジュのような存在として地域住民の生活を支えている。
 中堅・新入職員の離職が相次ぎ、一時は全職員の15%にあたる25名が1年の間に退職。このままでは深刻な人材不足に陥ると判断し、離職率の改善及び新入職員確保に向けた取組みとして職場環境の改善に至った。職員が抱える不安や不満、意見に対応した取組みとするため、全職員を対象に個別面談を実施し、正確な現状把握をするところからスタート。取組内容は「新たな制度づくり」や「手当の拡充」、「福利厚生の充実」など多岐に亘る。
■ 取組みの手法と内容
 取組みの推進方法について、パートを含む全ての職員と理事長が個別面談し、職場に対する不安や不満、意見等をヒアリングするところからスタートした。職員から出た意見や要望を可能な限り取り入れると同時に、他団体の優良事例を参考に組織にマッチする形で導入していった。取組内容の検討から意思決定、運用に至るまで短期間で複数の施策を同時に実施した。
 実施内容は、「全職員との個別面談」「当直制度強化による定時退社の促進」「家族手当の拡充」「完全週休二日制の導入」「女性事務員休暇取得応援制度の導入」「産休・育休制度の整備」「男性の育児休暇取得制度の導入」「社外活動応援制度及び副業の認可」「職員用住居の改修・整備」の9つ。これら取組みの多くは、職員との個別面談を通して職員からヒアリングした、職場に対する不安や不満に対応したものである。これだけの施策を同時に進めるためには資金面が課題となることが多い。資金面については、取組開始当初に大量の退職者により生じた人件費の余剰と、営業所の統廃合によるコストカットなどから資金の調達を図った。
 新たな制度や手当ては設置することよりも活用されることが重要である。この点において、男性の育児休暇取得制度を導入した2018年以降、対象となる全ての職員(累計13人)が活用するなど運用面においても順調である。
■ 成果とその要因
 「離職率の改善と新入職員の確保」という目的達成のため、「男性職員の育児休暇取得率100%」「既存職員の退職者数10名以下(年間)」「職員の3年以内の退職10%以下」の3つを目標として掲げた。2021年度現在、全ての目標を達成できている。
 全職員と個別面談を行い、正確な現状把握に努めたことや職員に当事者意識を持たせたことが、成功の要因である。

育児休暇制度を活用する男性社員
定時退社を実現した当直制度

■ ポイント!
 職場環境改善による効果の最大化を図るためには、正確な現状把握に努め、現状に対応した施策への取組みを短期間で推し進めていくことが重要となる。

▲ページ上へもどる