食料品は、年末需要により、前月比売上が増加となっているが、業況の改善には至らず、反対に業況悪化業種の割合が4割を超えている。消費需要の停滞、暖冬、大型店・量販店の価格引下げ、あるいは競合により、売上の圧迫と低価格が厳しい。 繊維・同製品は、織物工業等川上業種は長期低迷に変化がなく、アパレル関係はコート類、靴下は売上が増加、他は低調となっている。ニット製品は、前月の大きな不振に対し、当月は概ね前年並みに戻り、一息をついた状況にある。 木材・木製品は、建築関係の木材は住宅建築の減少により依然低迷の中で、銘木だけが社寺仏閣関係の需要が重なり売上、受注ともに増加してきた。木製家具は売上動向が分かれ、岐阜地区は売上増加、飛騨地区は反対に減少となっている。売上増加の岐阜地区でも景況感を好転させるほどには至っていない。 紙・紙加工品、印刷、プラスチックの紙関係では、家庭紙は売上増加、他は反対に減少となっている。売上増加があっても、販売価格が厳しく業況の改善には至っていない。また、資金繰りの悪化傾向が強く、深刻な局面が続いている。印刷は売上減少、販売価格低下、収益悪化の景況下降局面の状況にある。プラスチックは取扱い分野によって業況が分かれ、食品包装容器は好調、日用雑貨は昨年並み、建築資材及び産業資材は冷え込みの業況が続いている。 窯業・土石の中の窯業は、低迷下の中での需要減少、業況悪化となっている。また、前年対比は全ての業種が業況悪化となっている。土石は、建設工事施工の本格化で、需要増、売上増となっているが、販売価格等の取引条件が厳しく、景況感の改善には至っていない。 機械・金属では、業況悪化業種が多い中で唯一航空機関係だけが好調を続けている。収益状況の悪化が続いており、今後の冷え込みが懸念される。 各種物産品は、年末需要の影響がなく、反対に売上は前月比を下回っており、業況は厳しくなっている。 卸売業では、飛騨地区総合卸は食品関係で売上が伸び、他は前月横這い。陶磁器卸は長期悪化が続いたうえに、さらに悪化となっている。 小売業は、年末需要により売上増加となっているが、盛り上がりに欠け、一部では年末という季節要因は無くなったのではないかとの感想が出るほどに低調に推移した。消費需要の低迷とともに量販店との競合による影響も挙がっている。 商店街は、地域差はあるが、概ね年末需要により売上増となっている。しかし、その盛り上がりが低く、業況悪化とする商店街が半数を超えている。特に婦人物中心に衣料品の売上が低水準となっている。 サービス業では、業種により状況が異なるが、総合すると最も業況の悪化傾向が大きい業種区分になっている。販売価格、収益状況、資金繰りの悪化傾向が強く、今後の推移が懸念される。 建設業では、公共工事発注の出遅れ地域がなくなり、公共工事部分は順調に推移したが、民需の冷え込みが大きく、業況は依然低迷している。また、厳しい受注競争、販売条件の悪化が依然続いており、企業経営は一段と厳しくなっている。 運輸業は、季節要因により売上が増加したところもあるが、総合して低調で、業況悪化の傾向にある。