食料品は、季節需要による前月比売上増の業種もあるが、景況感を改善するまでには至っていない。依然、大型店、大手企業との関係で中小地元企業の経営圧迫が続いており、また不況と重なって厳しい状況が続いている。 繊維・同製品は、前月に引き続き、織物等の川上業種、アパレル等の川下業種ともに需要低迷が続き、また、収益、資金繰りの悪化傾向も強く、厳しい業況となっている。 前年対比で売上増となっているのは、昨年が最悪の状況にあった靴下だけで、他は倒産・廃業の発生など一段と厳しさを増した状態となっている。 木材・木製品は、建築需要を受けて建築関連木材の需要が増加している。しかし、銘木には需要が出ていない。また、建築の引合はあっても成約が遅く、家具需要には及んでいないなど、拡がりの力不足が一部に見られる。 紙・紙加工品、印刷、プラスチックは、全般的に低迷が続いているが、その中で前年割れの業況にあるのは、紙・紙加工品、印刷である。プラスチックは製品部門により業況は異なるが、概ね前年並みとなっている。 窯業・土石の陶磁器、モザイクタイルは、需要低迷、業況悪化となっている。特に陶磁器製品は消費低迷を受け、業況悪化が大きい。建設資材については端境期に当たり売上、受注ともに低調の中で、前年割れとなっており、厳しい業況となっている。 機械・金属は、総合すると前月に引き続き前月比売上が減少。収益、資金繰りも悪化傾向が強く、業況が悪化している。その中で、電気機械は住宅用換気送風機器の売上、受注が増加し、業況が改善している。 各種物産品は、季節要因により前月比売上が増加している。前年対比で見ると、観光物産系では売上増加であるが、ギフト系は14%程の減少で明暗を分けている。 卸売業で陶磁器卸はさらに業況悪化、飛騨地区総合卸は前月横這い、前年並みの業況で推移している。陶磁器卸は市況が冷え切り、先行きの見通しが立たないとしている。 小売業は、一部に季節変動の影響のある業種があるが、全般的に前月横這いの低調な業況で推移している。収益状況の悪化傾向が強く、長期低迷により企業経営が厳しくなっている。 商店街は、地区により動向が分かれており、多治見で景況感の改善が見られた。実に商店街での景況感好転の回答は久し振りのことである。しかし、この改善も先行きについては不安であるとの見方になっている。 サービス業は、業種により動向が異なっている。情報関係は前月横這いで堅調推移、観光地旅館は全て前年割れで、業況悪化傾向が強い。その他のサービス関係は概ね低調横這いであるが、広告美術は「最悪」の業況である。 建設業は、公共工事関係と民需の住宅建築関係との間で業況が分かれている。公共工事関係は前年に較べ発注量が少なく、発注が出遅れ、同業者間の受注競争が激化、ダンピング受注も一部に見られ、業況が厳しくなっている。早期発注の要望が強い。住宅建築関係は、売上、受注が増加して来ているが、業況の改善には至らず力不足の状況にある。 運輸業は、概ね前月横這い、低調な業況が続いている。