食料品は、不需要期、消費低迷で、不調であった前月に横這いで推移した。前月比では雇用人員の減少、収益状況の悪化が特に大きい。また、他の業種に較べ比較的安定していた菓子も前月に続き売上下降となっている。業況悪化が大きい。 繊維・同製品のアパレルでは夏物不振で終了し、秋冬物の納品は、取引先の慎重な仕入姿勢のため動きが悪く、低迷が続いている。川上業種では、織物染色を除き、前年割れの不振が続いている。織物染色は、今春頃より前年を上回る売上となってきているが、前年の業況が特に悪かったことにより、現在の業況が良いとは言えない状況で、平成7年頃との比較では15%程度の減少となる。これらを総合すると、繊維関係全般が低迷していることとなる。 木材・木製品の住宅建築関係は前月に引き続き、概ね堅調に推移しているが、一部に伸びが止まったとの見方が出ている。また、銘木等、高級木造住宅向けは依然、需要が停滞している。家具は引き続き需要低迷であるが、当月はこれに季節要因の売上減少が加わった。これらを総合すると、住宅建築用需要だけが堅調に推移したが、その波及効果は弱く、銘木、家具等の関連需要を引き起こすまでにはいたっていない状況が続いていることとなる。 紙・紙加工品、印刷、プラスチックは、全般的前月横這いで、業況の変化が少ない。前年対比では、前年割れと前年並みが同数で各2業種、前年を上回っているのはプラスチックだけである。 総合すると、前年に較べ若干下降の景況感となっている。 窯業・土石の陶磁器関係では、夏期休暇による稼動日数の減少で、前月比売上が全般的に減少となっている。長期低迷の中、改善の動きがまだ見られない状況にある。販売価格の低いことが特に問題となっている。建設関係資材では、前年割れが続き、また前月比においても売上減少が多く、新年度公共工事による需要の影響がまだ出て来ていない。全般に厳しい業況が続いている。石灰は季節要因で、出荷が前月比減少であるが、前年対比8%余りの増加となっている。しかし、景況感は低価格等のため、反対に悪化となり、依然厳しい業況が続いている。 機械・金属は、一部に売上増加の業種があるが、全般的には売上減少の動向にあり、業況悪化が続いた。前々月まで堅調な需要があった航空機関係は前月に続き、売上、受注の減少となり、全ての業種が不況となった。ただし、金型では当月中頃より引合が急増しているとのことであり、今後の推移に期待が持たれるところである。 各種物産品は、前月比売上が観光物産系は増加、ギフト系は減少と分かれた。しかし、ともに前年割れの状況にあり、業況は依然厳しい。 卸売業は、前月に引き続き陶磁器卸は更に業況悪化、飛騨地区総合卸は、前月比、前年対比ともに横這いで推移している。 小売業は、概ね前月横這い、前年対比では前年割れと横這いの半々に分かれ、厳しい業況が続いている。特にメガネ、家電の商品単価の高い業種で前年割れの傾向が強く見られる。 商店街では、来街者の減少傾向等、低迷が続いている中で、当月では雨天が多い等の天候不順が加わり、前月比業況悪化の商店街が多い。高山商店街だけが、夏季の観光客増による売上増となっている。商店街活性化のためにイベント実施等の努力がなされているが、確かな効果がまだ得られていない。有効な活性化策を求め、苦慮しているとの意見が出ている。 サービス業は前月に続き唯一、前月比売上増加、景況感の改善となっている。しかし、季節需要による売上増の業種が多く、前年対比売上では、まだ前年割れの段階の業種が少なくないことから、回復軌道に乗ったとの見方には不安が大きい。 建設業では、公共工事が増加し、季節要因で前月に較べ環境が改善されていると見られるが、前月比受注の動向も弱く、業況が横這い若しくは悪化となっている。公共工事発注では発注額が増えたが発注件数が少なく、特に中小業者の受注環境が悪化しており、また住宅建築件数も地元中小業者の受注は増えていないのが実態である。業況は地区により異なり、羽島地区、各務原地区は安定している。 運輸業では、企業の夏期休暇により若干貨物量が減少したが、業況は概ね前月横這いで推移した。輸送燃料の値上がり傾向が続き、低価格下でのコスト・アップとなり、今後の収益への影響が懸念されている。