食料品は、前月まで秋需の盛り上がりが弱く、秋需が遅れて出てきたような形で前月比売上増加となっている。しかし、前年を上回った業種は無く、反対に前年割れの業種は、7回答中4回答ある。業況の改善への効果は無く、景況感の悪化傾向が依然強い。 繊維・同製品は、秋需の不振、冬物・来春物の出遅れで売上、受注の減少が大きい。織物等の川上業種からアパレルの川下業種まで、全て業況が停滞、下降している。 木材・木製品は、前月と同様の動向が続き、建築資材関係は好調、家具は低迷となっている。しかし、好調な建築資材関係でも価格が厳しいため、景況感の改善効果は弱く、また、需要動向の勢いが弱まってきた様子が窺われ、不安材料となっている。 紙・紙加工品、印刷、プラスチックは、概ね前月と同様の業況で推移したが、前月比売上動向で印刷は増加、特殊紙は減少の変化があった。全般に原料高、製品安の傾向が強く、収益状況が厳しい。 窯業・土石の陶磁器関係は、前年割れの低迷が続き、また、明るい材料も見えない状況が続いている。輸出陶磁器は前月比売上、受注をはじめ業況が悪化している。建築資材関係は砂利、生コンクリートで前月比売上が増加しているが、砕石等他の建築資材は低迷が続いている。陶磁器、建築資材とも、前年対比では大半の業種で売上が減少している。石灰は、需要先の東南アジア向け鉄鋼輸出増と化学工業の回復で前月比、前年対比ともに出荷量が増加している。 機械・金属の需要動向は、前々月は増加、前月は減少、当月は増加と不安定な状況が続いている。売上、受注が前月比増加している業種においても、受注単価は厳しく、収益状況、景況感は改善していない。このため、先行不透明感の濃い状況が続いている。 各種物産品の前月比動向は、観光物産は好転、ギフトは悪化となっている。しかし、前年対比はともに売上が減少している。特にギフトは、前年対比19%の売上減少で非常に厳しい状況が続いている。 卸売業の陶磁器卸は、前月に引き続き業況悪化となっている。取引先となる百貨店、チェーンストアの激しい販売競争の影響も大きく、業界も販売効率向上、商品力強化等厳しい対応を迫られている。飛騨地区総合卸は、特に変化なく、前月並みの業況で推移している。 小売業は、前月横這いの低調な業況で推移している。長期低迷の中、前年対比も同程度の水準にある。家電販売では、大型店は好調に推移しているが、地域店は不振であり、中小小売業は不況による消費停滞に加えて大型店等との競合により業況悪化に追い込まれている。 商店街は、需要動向としては小売業と同様であるが、景況感の悪化が小売業に較べ強く出ている。イベントを行っても販売に結び付かず、また、人出もイベント時だけ増え、他の日は閑散に戻る中、打つ手に困った状況で、商店街衰退の切迫感が強いことを窺わせている。 サービス業は、業種毎に業況が多様に分かれている。堅調な業況にあるのは情報サービス、水面下で上昇したのが下呂温泉、悪化したのは高山旅館、前年並みの低迷、前年割れの不振等々に分かれている。その中で前月比売上を総合すると、若干の増加傾向となっている。堅調な情報サービスを除くと、業況は低迷を続けていることとなる。 建設業は、公共工事施工の本格化で前月比売上は増加となっている。しかし、発注の一服感、件数の減少で、受注競争は一段と強まり、景況感の改善は見られない。業況は地区、業種により異なり、公共工事発注の地域差、住宅建築需要の地域差、管工事の発注の低迷が続いているなど多様である。業況の好転が見られる業種が一部に見られるが、過半の業種は依然厳しい業況となっている。 運輸業は、前月同様、前月横這いの低調推移となっている。県域貨物運送は、前年割れの業況が続いている。