食料品は、売上の小さい前月と概ね同程度の低調な水準で推移している。競合激化の中、低価格、低収益の要素が大きく、収益悪化、資金繰り悪化の傾向が強い。 繊維・同製品は、織物等の川上業種は前月比、前年対比で売上減少が多く出ており、依然低迷が続いている。その中で染色は時々前年を上回る売上となる月があるが、連続することはなく、基調としては他の業種と同様厳しい業況である。 アパレル関係は春物出荷で前月比売上が増加した業種が出ているが、前年対比では低調で、特に価格が低く、業況としては悪化となっている。 木材・木製品は、業況が分かれ、建築用木材だけが順調で集成材はすでに前年水準(住宅需要上昇前)に下降、銘木は高級材不振で収益悪化、家具は輸入品との競合激化等で引き続き不振となり、多様化している。総合すると、景況感は前月横這いとなっているが、不振な業種が多く、不況感の方が強い。 紙・紙加工品、印刷、プラスチックは、前月比売上が増加又は横這い、景況感は横這いとなっている。家庭紙は安定した需要が続き、特殊紙も前年を上回る受注となり動きが出ている。他は、不況感の深刻さに差があるが、不振が続いている。 窯業・土石の飲食器中心の陶磁器は内、外需ともに不振が続き、特に外需(輸出向)の売上減少、業況悪化が強まっている。モザイクタイルも季節要因で前月比売上は増加したが、今後は不透明感が強く、不振が続いている。 建築関連資材は公共工事最盛期で、例年、総じて需要が伸びる月であるが、今回は生コンクリートと砕石で前月比売上増、砂利は前月比大幅減少となり、また、生コンクリートと砕石との間でも前者は18%程、後者は8%程と分かれ、出荷動向が分かれている。前年対比は横這い又は減少で、不況感は緩和していない。 機械・金属では、前月までの売上減少、景況感悪化が止まり、工業団地を中心に前月比売上増加が出て来た。しかし、個別の業種では価格面で非常に厳しいなど、苦しい面が多く、景況感の改善はまだ見られない。 各種物産品は、季節要因で前月比売上が増加、前年対比で見ると観光物産は前年割れ、ギフトは前年を若干上回っている。ギフトは売上が増加しているが、収益、景況感ともに悪化しており、不況の底深さを窺わせている。 卸売業の陶磁器卸は、前月に引き続き業況悪化となっている。需要の減少、消費節約、輸入品の攻勢で商況がさらに悪化している。飛騨地区の総合卸は比較的安定した状況が続いたが、年末年始から観光客減少による食品の売上減少となっている。 小売業では、2月は売上停滞期であるが、今年は一段と売上が低く、停滞感が強くなっている。前月比売上が増加、また収益の改善のあった眼鏡販売も、前年対比では停滞感が強い。地域商業にとっては、売上不振、大型店対策等、マイナス要因だけが大きくなっている。 商店街では、2月は売上停滞期であり、これに加え消費需要の低迷で、前月比売上が減少し、業況が悪化している。2月の寒波も冬物需要への影響が小さく、また、3月季節需要もまだ動いていない。多治見商店街は入学用品が一部動いているが、少子化の影響で動きは小さく、売上への貢献も小さいとのことである。 商店街は経済不況だけではなく、商店街の来街者の減少、大型店対策等、立地等、商店街の固有の問題があり、一段と厳しい業況にある。 サービス業は、前月比売上減少の業種が多い。増加となっているのは高山旅館があるが、年末・年始から客数が減少してきているとのことである。堅調な業況が続いている情報サービスを除き、全般的に業況は下降傾向にある。収益、資金繰りの悪化傾向が強い。 建設業は、業種、地域により業況が異なっている。大別すると土木工事等の公共工事関係は堅調、建築等の民間工事関係は厳しい状況となっている。公共工事関係においても、発注量の地域差、発注物件の規模の差により地元工事業者の受注状況が異なり、業況に差が出ている。このため、受注不足の企業が少なくない状況で厳しい受注競争が行われ、また、不況感も強い。 運輸業は、季節需要が期待できる月に当たっているが、需要動向は低く、低調な業況で推移している。