食料品は、季節需要により前月比売上増加の業種が多い。しかし、前月比増であっても、前年対比は横這い若しくは減少であり、実質では需要は増えていない。また、需要も低価格品へのシフトが強く、激しい競争下、収益状況の悪化傾向が強く、業況は一段と激しいものになっている。 繊維・同製品は、川上業種、川下業種との差もなく、全般に多様な売上動向となっている。アパレル関係は、寒い気候が長引いたことにより、春物製品が低調に推移している。 前月比売上が増加した業種も前年対比は概ね横這い、業況の改善には至っていない。低調横這いが続いている。 木材・木製品は、依然建築用木材で需要の減少が出て来ている。特色としてプレカット材等の一般建築用では比較的堅調な需要が続いているが、反対に、銘木等の高級材は極めて不振であり、2極化していることがあげられる。 家具は、季節需要により前月比売上増加となっている。前年対比では、減少、増加に分かれるが、低価格化、輸入品との競争激化等、業況は依然厳しい状況が続いている。 紙・紙加工品、印刷、プラスチックは、業種により季節需要の有、無に分かれるが、季節要因が最も大きく出ているのはプラスチックである。前月、前年を上回る受注のあった特殊紙が前年並みになった。また、当月売上、受注が増加したプラスチックは、競争激化、価格下降のマイナス要因も持っている。これらを総合すると、短期の変動はあっても、業況回復の基調は容易に現れず、低調な業況が続いている。 窯業・土石の食器中心の陶磁器は、前月に引き続き低迷となっている。特に、低価格物の輸入品との競合が激化するなど、業況悪化の要因も強まっており、今後の推移が懸念される状況にある。 建築関連資材は、公共工事の年度末完成時に当たり、前月比売上が増加している。これを前年対比で見ると、増加とする業種が多く、最近には見られない需要動向となっている。 しかし、業界では、一過性と見て、公共工事発注の端境期を迎える今後の推移を懸念している。 機械・金属では、前月に続き、前月比売上増加となっている。また、前年対比においても、一部に売上増加の業種が出て来た。これまで大半の業種で前年割れであったことを考えれば、回復の動きを期待させるものである。 各種物産品は、季節需要により、前月比大幅な売上増加となっている。しかし、前年対比では、横這い若しくは減少となっており、業況は依然厳しい状況が続いている。 卸売業では、季節要因の影響が出ていない。陶磁器卸では、前月に引き続き、需要減少、消費節約、輸入品との競合等、マイナス要因が多く、業況が悪化している。飛騨地区総合卸は、特に変化が出ていない。 小売業では、季節要因による前月比売上増加が半分、他は前月横這いとなっている。前月比売上増加業種の前年対比を見ると、増加、横這い、減少に分かれ、総合すると、概ね横這いとなる。また、他の小売業においても本来季節需要が期待できる業種でも、今回は季節需要が低く、前月比売上増加に至らなかったとしている。 これらを総合すると、消費需要の冷え込みが強く、依然、低迷が続いているものと考えられる。 商店街では、入学等の季節需要により前月比売上増加の傾向が強く出ている。しかし、岐阜、高山では低調に推移し、前月横這いの売上になっている。売上増加の商店街においても、前年対比では、横這い若しくは減少となっており、実質は低迷の厳しい状況が続いている。共通していることとして、寒い気候が長引いたため春物が不振であったことがあげられる。 サービス業では、7回答のうち5回答が、前月比売上増加となっている。この内、前年対比で売上増加となっているのは2回答で、他は横這い若しくは減少となっている。 また、売上増加回答のうち2回答が自動車関連サービスである。他の売上増加業種と同様、この売上増加も季節需要によるものと考えられ、実質的な需要の拡大とは推測できない。依然厳しい業況が続いている。 建設業では、公共工事関係で発注が出た地域・業種があり、受注が前月比増加している。売上については、前月に引き続き繁忙期にあり、前月並みの堅調な状況で推移している。しかし、4月からの発注端境期と、低迷が続いている民需のため、先行不安が大きく、また過当競争等により、依然不況感が強い。また、建設廃棄物処理等の環境問題への対策、公共工事発注業務の電子化等、経営課題も大きくなっており、企業経営は厳しさを増している。 運輸業は、季節需要が期待できる月に当たっているが、需要動向は低く、低調な業況で推移している。