平成13年1月 (平成13年1月末調査) |
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岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。
当制度に基づき、県内の主要業種85組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。
本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。 |
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1 〕1月の特色 |
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◆ マイナス季節要因が大きく、停滞感強まる。
◆ 輸入品増加、海外との競争激化の影響が拡大。 |
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2 〕1月の概況 |
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当月の景気動向を景況感DI値で見ると、好転0ポイント、悪化45ポイントで、DI値は、45ポイントとなり、前月のマイナス20ポイントに対し、25ポイントの大幅な悪化傾向である。直近3ヶ月のマイナス20ポイント前後に対し、大きな落差がある。
例年1月は、年末需要と冬枯れとの落差、休日数が多いなどマイナスの季節要因で需要が前月比減少し、景況感もマイナス40ポイントレベルになることは少なくない。
例年に較べ、差異があるのは、建設業でプラス要因の公共工事の盛り上がり弱く、反対に売上、受注の減少、景況感の悪化となっていることがあげられる。このため、景況感の悪化傾向は、例年のレベルにはあるが、悪化が全般の業種に拡散したことが、例年の傾向と異なっている。
業種別に前月の動向と対比すると、特に食料品、紙・紙加工品で落差が大きいが、他は概ね悪化傾向が全般に分散した形となっている。
当月の概況は、季節要因が大きく働き、売上、受注が減少、これに伴い、景況感が大きく後退したことが最も大きな特色であるが、これに、依然、消費需要の低迷、低価格、輸入品との競合が景況に大きく影響しており、景況は極めて厳しい状況にあるものと考えられる。
景況感悪化業種が特に多いのは食料品、繊維・同製品、紙・紙加工品、商店街、サービス業である。 |
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主な業種区分の業況概況 |
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食料品は、年末需要の反動で前月比売上が減少となっている。しかし、前年同月比でも過半数が売上減少となっており、業況悪化の傾向となっている。特に、同業者間競合が依然厳しく、低価格の影響も大きい。
繊維・同製品は、織物等の川上業種は低調横這い、アパレル等川下業種は業況悪化となっている。川上業種はすべての業種が前月比、前年同月比ともに売上減少で厳しさを増している。安価な輸入品の増加が、数量面だけでなく、低価格化を引き寄せ、業界に深刻な影響を与えている。販売価格下降、収益状況悪化の傾向が強い。
木材・木製品は、季節要因(休日数が多い、不需要期)、降雪により、殆どの業種が前月比売上が減少となっている。堅調であったプレカット需要にも一服感があり、前年同月比悪化が強くなっている。住宅建築用が全般的に不振の中、神社、仏閣等の銘木需要は好転の動きが見られる。
紙・紙加工品、印刷、プラスチックは、季節要因により全て前月比売上が減少している。前年同月比では、特殊紙、紙加工品が減少、他は横這いとなっている。また、景況感も5回答中、3回答が前年同月比悪化となっており、総合すると、業況は低迷下でのスローダウンとなっている。
窯業・土石の陶磁器関係は、前月比、前年同月比とも売上が減少、景況感悪化であり、業況が一段と悪化している。悪化要因の中で、中国等からの安価品の輸入の増加があげられ、業界団体では、セーフガードを視野に入れた、中国製品輸入の実態調査を行うとしている。タイルは、受注量が順調であるが、価格面が厳しく、景況感の好転にはいたっていない。建設資材関係は、業種によって動向が異なり、生コンクリート、砕石は前月比、前年同月比ともに売上が減少し、砂利は反対に増加となっている。公共工事の減少、単価の下降等のマイナス要因のため前年対比マイナスの指標が多い。
機械・金属は、季節要因の影響が大きく、前月比売上が減少となっている。堅調が続いていた機械関係においては、概ね横這いとなっている。なお、前年同月比では、売上増加の業種が過半を占めており、需要動向は他に較べ、安定感がある。
しかし、収益状況、景況感は若干後退となっており、景況動向が、季節要因による下降か、需要動向による下降か、判断が難しい状況にある。
各業種の特記事項として、低い単価、小口化、短納期化の取引条件悪化による収益状況悪化が指摘され、今後の業況推移の懸念要因となっている。
各種物産品は、季節要因を一因として前月比売上が減少となっている。前年同月比では、動向が分かれ、観光物産は増加、ギフトは減少となっている。ギフトの停滞が続いている。
卸売業では、陶磁器卸は前月同様、前月比悪化、飛騨地区卸は横這いとなっている。陶磁器卸は需要の変化、減少の構造的要因で業況悪化が続いている。
小売業は、低調な年末需要の後に、前月比がさらに売上減少となっている。消費需要の低迷、大型店間の競争激化で業況は一段と厳しくなっている。また、当月は降雪日が多く、例年に較べ客足が遠く、その影響も売上不振に及んでいる。
商店街は、年末需要の反動等の通年の季節要因に加え、降雪日が多いための来街者減少で、前月比、前年同月比とも全ての商店街が売上減少となっている。業況は一段と厳しいものになっている。また、イベント、観光等で、商店街に人が集まっても、売上に結び付かない傾向が徐々に強くなってきており、商店街活性化の課題を大きくしている。
サービス業は、概ね小売業、サービス業と同様の傾向で、季節要因により前月比売上減少となっている。また、前年同月比においても、前年割れの業種が過半を占め、景況感が悪化している。特に観光旅館では全てが前月比、前年同月比ともに売上減少で、業況悪化傾向が強い。
建設業は、一部地区を除き、前月比、前年同月比ともに売上減少となっている。前月比減少は季節要因が主な要因であり、前年同月比減少は公共工事発注の減少と民需の低迷によるものである。そのうえに、受注不足による価格競争で受注単価の低価格化が依然厳しく、企業経営を益々圧迫している。
運輸業は、年始の休日の増加により前月比売上減少となっているが、前年同月比は概ね横這いであり、業況は概ね横這いの推移となっている。 |
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主な調査項目での動向 |
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売上動向は、増加5ポイント、減少70ポイントで、DI値はマイナス65ポイントとなり、前月のプラス3ポイントとなり、68ポイントの大幅なマイナス増加となった。
最大の要因は、年末需要の反動、年始休暇による実働日数の減少、冬枯れの季節要因で、例年の動向と同じである。しかし、今回は、例年より降雪日が多いこと、公共工事発注の減少等、天候要因、不況要因による売上減少があり、前年同月比でも売上減少となっている。
殆どの業種で、低価格、価格の下降となっており、価格が低いことも売上高を押し下げており、デフレ傾向となっている。また、低価格の輸入品の増加、海外との比較・競争による受注単価の引き下げの影響も依然大きい。
すでに売上水準が非常に厳しい状況にいたっている中で、季節要因、国内不況、海外との競争等、売上減少要因が大きく、益々深刻な状況になってきている。
堅調な動きとなっていた機械関係でも、主に季節要因が原因ではあるが、一服感が出ている。
機械・金属、建設業を除く全ての業種区分で売上減少業種が大半を占め、機械・金属、建設業でも約半分が減少となっている。
受注動向は、増加7ポイント、減少58ポイントで、DI値はマイナス51ポイントとなり、前月のマイナス6ポイントに対し、45ポイントの大幅なマイナス増加となっている。
主な要因には、売上動向と同様、季節要因があげられる。それぞれの業種区分で、売上減少の傾向に較べ、減少傾向が緩んでいる。また、季節要因、不況要因等のマイナス圧力が全般的に拡がっている。
受注増加傾向にある業種区分は無く、また、減少業種割合が特に多いのは食料品、木材・木製品、窯業・土石、商店街である。
販売価格の動向は、上昇0ポイント、下降21ポイントで、DI値はマイナス21ポイントとなり、前月のマイナス16ポイントに対し5ポイントの大幅なマイナス増加となっている。
同業者間競合、輸入品の増加、海外との競合等による低価格シフトが続いている中、最近はマイナス15ポイント程度の低位なレベルで安定していたが、当月は再び下降が強まった。下降業種が特に多いのは繊維・同製品、商店街、サービス業である。
収益状況の動向は、好転1ポイント、悪化49ポイントで、DI値はマイナス48ポイントとなり、前月マイナス17ポイントに対し、31ポイントの大幅な悪化である。
前月までのマイナス10ポイント台の推移に対し、再び元に戻った状況である。
前月は、好転、悪化に分かれる傾向が見られたが、当月は全般の業種に悪化が拡がり、好転の動きが止まっている。
また、比較的受注が確保されているタイル、機械等においても、受注単価、取引条件が厳しく、収益改善に結び付かず、収益改善が容易でない状況が続いている。 |
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3 〕向こう3カ月の動向 |
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向こう3ヵ月の景気動向予想を景況感DI値で見ると、好転予想3ポイント、悪化予想36ポイントで、DI値はマイナス33ポイントとなり、当月実績のマイナス45ポイントに対し、12ポイントの改善予想となっている。
業種別に当月実績と比較すると、改善予想が大きいのは食料品だけであり、他は、概ね前月と同様の傾向が予想されている。
向こう3ヶ月は2月、3月、4月であり、そのうち3月は年間で最も需要が盛り上がる月であるが、予想は低いレベルのものとなっており、企業マインドの冷え込みを推測させる予想となっている。
好転予想業種は飛騨地区家具、メッキ、機械・工具販売である。
悪化予想業種が特に多いのは繊維・同製品、紙・紙加工品、窯業・土石、商店街、サービス業である。
売上動向予想は、増加予想14ポイント、減少予想24ポイントで、DI値はマイナス10ポイントとなり、当月実績のマイナス65ポイントに対し、55ポイントの大幅な改善予想となっている。改善の主な要因には、当月実績の前月比動向の主な要因であるマイナス季節要因がなくなり、一方、向こう3ヶ月には、3月の季節需要が予想され、これらの季節要因があげられる。
増加予想業種が多いのは木材・木製品、機械・金属である。一方、減少予想業種が多いのは窯業・土石、サービス業である。
収益動向予想は、好転予想7ポイント、悪化予想30ポイントで、DI値はマイナス23ポイントとなり、当月実績のマイナス48ポイントに対し、25ポイントの改善予想となっている。
「悪化」が48ポイントから30ポイントに減少したことが改善に大きく影響している。
売上動向予想と概ね同様の傾向で、改善の要因には季節要因があげられる。
好転予想になっているのは木材・木製品だけであり、一方、悪化予想が特に多いのはサービス業、窯業・土石、繊維・同製品、建設業である。
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