| 平成１４年３月 （平成１４年３月末調査） |
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岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度（政府指定事業）を実施しております。
当制度に基づき、県内の主要業種８５組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。
本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。 |
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１ 〕３月の特色 |
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◆ 季節要因で景況感改善
◆ 先行き不安感が依然強い |
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２ 〕３月の概況 |
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当月の景気動向を景況感ＤＩ値で見ると、好転５ポイント、悪化４０ポイントでＤＩ値はマイナス３５ポイントとなり、前月のマイナス５４ポイントに対し、１９ポイントの大幅な改善となっている。
例年３月は、入学、就職、観光、公共工事施工等の季節需要で前月比売上が増加し、景況感も改善する傾向にある。
当月においても全般的に季節要因が働き、ＤＩ値では１９ポイントの改善になった。しかし、マイナス３５ポイントは、大きな悪化傾向であり、景況は依然厳しい状況にある。
また、前月比売上、受注の動向については、各種物産品、サービス業の業種を中心にプラスに転じたが、販売価格、収益動向のＤＩ値は依然マイナスであり、円安等による原材料価格の上昇、製品の販売価格の下落等により、売上の増加が収益に寄与していない。
このため、企業経営の厳しさは変わらず、また、先行き不透明感も依然強い。当月の改善は季節要因によるものであり、景気の回復への動きとはまだ考え難い。
前月比売上増加業種にあっても、収益状況悪化、景況感の低迷の業種が多く、また、先行不透明感が強いため、全般に厳しい業況となっている。
前月比業況悪化業種が特に多いのは、繊維・同製品、窯業・土石、建設業である。
前月比好転業種は、飛騨地区家具、生花販売、クリーニング、広告美術である。順調な業況が続いたのは航空機関連である。
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| 主な業種区分の業況概況 |
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食料品は、前月比売上は、動向が分かれ米菓、米穀で増加、味噌・醤油、豆腐、菓子、酒造で低調横這い、食肉で減少となった。全般的に季節要因による売上増加も弱く、また、前年同月比では、米菓の増加、味噌・醤油の低調横這いを除き全て減少となっており、依然需要は低迷、一部下降である。
また、業界は、後継者不在による廃業が増加しており、後継者育成が急務となっている。
繊維・同製品は、織物等川上業種では、前月比売上で指標が分かれ、染色で増加、ニット工業で減少、その他は横這いとなった。前月比売上は全般に低調横這い、又は減少となっている。アパレル関連も、前月比売上で指標が分かれ、メンズアパレルで増加、婦人・子供服で低調横這い、ニット雑貨で減少となっている。前年同月比売上は、全般に減少傾向となり、前年同月比の景況感も、織物の低調横這いを除き全て悪化傾向となった。収益状況、景況感の悪化傾向が強く、業況は極めて厳しい状況になっている。
木材・木製品は、前月比売上は、動向が分かれ飛騨地区家具で増加、銘木、美濃地区家具で低調横這い、製材、集成材、東濃ひのきで減少となった。前年同月比売上は、全般に低調横這又は減少で推移している。季節要因で売上、受注が増加した業種もあるが、全般に低調である。住宅建築需要の低迷による需要不振、低価格化等により業界の先行き不安は強い。
紙・紙加工品、印刷、プラスチックでは、前月比売上は、特殊紙、印刷、プラスチックでは増加、家庭紙、印刷では低調横這いとなった。前年同月比売上は、プラスチックの増加を除き、全般に低調横這い傾向となった。プラスチックでは、需要の増加により売上が増加傾向となった。しかし、販売価格の低下が続いており収益は伸びていない。
窯業・土石の陶磁器等では、前月比売上は、全般に低調横這い傾向となっている。その中で、石灰は若干の増加となった。しかし、前年同月比売上は減少。建設資材の土石では、前月比売上は砕石で増加、生コンクリートで低調横這いとなっている。前年同月比では、全般に減少で推移している。
機械・金属は、全般的に売上は、前月比、前年同月比共に低調横這い、又は減少傾向である。その中で、メッキ、航空機関連は前年同月比売上、受注が増加するなど、先行きは不透明ながら一部に需要回復の兆しが出てきている。
各種物産品は、前月比売上は、季節要因で観光物産、ギフトどちらも増加。前年同月比売上は、どちらも減少となっている。
卸売業では、陶磁器卸は、前月比、前年同月比共に売上等が減少。飛騨地区総合卸では前月比、前年同月比売上共には減少となっている。
小売業は、前月比売上は、メガネ販売、石油製品販売、生花販売で増加、その他は低調横這いで推移。前年同月比売上は、低調横這い、又は減少で推移している。消費需要の不振が続いている。
商店街は、前月比売上は、岐阜市、恵那市で増加、大垣市、多治見市で低調横這い、高山市で減少。前年同月比では、全般に低調横這い、又は減少で推移している。商店街の後継者不足が深刻化している。
サービス業は、前月比売上は、動向が分かれ自動車タイヤ整備、長良川畔旅館、クリーニング、広告美術で増加、その他は低調横這い、又は減少となった。前年同月比では、自動車車体整備、長良川畔旅館の増加を除き、全般に低調横這い、又は減少となった。売上増加は季節要因によるものであり、景況は依然厳しい状況である。
建設業は、全般的に売上は、前月比、前年同月比共に低調横這い、又は減少傾向である。業界は低水準の受注が続いているため、公共工事の早期発注、発注増の強い要望が出ている。
運輸業は、売上は、前月比、前年同月比とも横這いで推移している。
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| 主な調査項目での動向 |
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売上動向は、増加２９ポイント、減少２２ポイントでＤＩ値はプラス７ポイントとなり、前月のマイナス５ポイントに対し、１２ポイントの大幅な改善となっている。
改善要因として、稼働日数の増加、入学、卒業、就職等に係る季節商品需要、観光需要の回復、年度末調整等々の季節要因があげられる。
例年３月は、これらの季節要因により、年間で前月比動向が最も大きく上昇する月であるが、本年はその動きが弱く、上昇ポイントも例年に較べ低いものとなっている。
特に、個人消費の低迷、建設業関係で、公共工事の削減や民需の低迷により、厳しい状況が続いている。また、売上増加業種においても、先行き不透明の不安感の声があるなど、景気回復への動きはまだ見られない。
売上増加業種が特に多いのは、各種物産品、サービス業である。
減少業種が特に多いのは、木材・木製品である
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受注動向は、増加２４ポイント、減少２１ポイントで、ＤＩ値はプラス３ポイントとなり、前月のマイナス１４ポイントに対し、１７ポイントの大幅な改善となっている。
売上動向と同じく、季節需要、年度末調整等の季節要因による増加の動きとなっている。前年同月比では、全般に低調横這い、または減少傾向となっている。
受注増加業種が特に多いのは、各種部物産品、サービス業である。
販売価格の動向は、上昇１ポイント、下降１１ポイントでＤＩ値はマイナス１０ポイントとなり、前月のマイナス２２ポイントに対し、１２ポイントの大幅な改善となっている。
また、１１ヶ月連続のマイナス２０ポイント台から、マイナス１０ポイント台への改善となった。しかし、「上昇」は、恵那市商店街のみであり、この改善は「下降」の減少によるものであるため、実質は、改善ではなく「下降」の緩和であり、楽観はできないものと考えられる。
収益状況の動向は、上昇１１ポイント、下降３０ポイントでＤＩ値はマイナス１９ポイントとなり、前月のマイナス３２ポイントに対し、１３ポイントの改善となっている。要因には季節要因による売上増加があげられる。
好転回答が多いのは、小売業、サービス業である。
悪化回答が多いのは、繊維・同製品、商店街、建設業である。
資金繰りの動向は、前月のマイナス２６ポイントと同数値であり、長期に亘り大きな悪化傾向が続いており、企業経営の厳しい状況が窺える。
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３ 〕向こう３カ月の動向 |
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向こう３ヵ月の景気動向予想を景況感ＤＩ値で見ると、好転予想４ポイント、悪化予想４４ポイントで、ＤＩ値はマイナス４０ポイントとなり、当月実績のマイナス３５ポイントに対し、５ポイントの悪化予想となっている。
例年向こう３ヵ月（４月、５月、６月）は、観光産業等の季節需要が一部に出るが、建設業関係を中心に、多くの業種で前月比売上は減少し、景況感が後退する傾向にある。
当月も同様の要因を持つが、例年に較べ悪化予想業種が多く、前月に続き、景況悪化が拡大する予想になっている。
好転予想になっているのは、金型、長良川畔旅館、飲食である。
悪化予想業種が特に多いのは食料品、窯業・土石、建設業である。
売上動向予想は、増加予想９ポイント、減少予想２８ポイントでＤＩ値はマイナス１９ポイントとなり、当月実績のプラス７ポイントに対し、２６ポイントの大きな悪化予想となっている。
最大の要因は季節要因で、季節需要が幅広く出る３月に対する反動、また建設業関係で強く見られる需要の減少月に当たることによる。
増加予想業種は、米菓、プラスチック、金型、飛騨地区総合卸、岐阜市商店街、長良川畔旅館、飲食である。
減少予想業種が多いのは、建設業、繊維・同製品、窯業・土石である。
収益動向予想は、好転予想４ポイント、悪化予想３３ポイントで、ＤＩ値はマイナス２９ポイントとなり、当月実績のマイナス１９ポイントに対し１０ポイントの悪化予想となっている。
売上増加の期待が弱いことと同じく、収益改善の期待も弱く、厳しい企業経営が続くものと予想される。
好転予想業種は、金型、長良川畔旅館、飲食である。
悪化予想業種が特に多いのは、食料品、窯業・土石、建設業である。
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