調査レポート
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景気動向調査
 平成14年11月  (平成14年11月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕11月の特色
◆ 景況再び悪化
◆ 先行き不安強まる
  〔 2 〕11月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転1ポイント、悪化56ポイントでDI値はマイナス55ポイントとなり、前月のマイナス45ポイントに対し、10ポイントの大きな悪化となっている。

 景況感DI値は、7月以降3ヶ月連続して改善傾向であったが、当月は、10ポイント減少しマイナス50ポイント台となり、再び景況悪化の動きとなっている。

 業種別のDI値を見ると、窯業・土石、機械・金属、建設業等で前月水準に比較してマイナス幅が拡大したため、全体のマイナス幅拡大の引き金となった。マイナス幅の縮小が見られた繊維・同製品等の一部の業種においても、DI値は依然として低い。

 また、売上高、収益状況の動向についても、両指標とも5ポイントの下降となるなど、他の指標においても、悪化が多く見られる。

 需要不足による企業間競争の激化、個人消費の低迷、販売価格下落、輸入品との競合等、厳しい経済環境は変わらず、先行きの見通しが立たない情勢にあり、中小企業の状況は、一段と厳しくなっている。

 前年同月比業況悪化業種が特に多いのは、繊維・同製品、窯業・土石、機械・金属、卸売業、建設業である。前年同月比業況好転業種は、食肉だけであるが、食肉は前年にBSEにより深刻な打撃を受け、今回は、その対比による好転である。
  主な業種区分の業況概況

食料品は、前年同月比売上は、動向が分かれ食肉、米菓で増加、味噌・醤油、豆腐、菓子で低調横這い、酒造、製麺で減少となった。収益状況、資金繰りに悪化傾向が強く、依然厳しい業況が続いている。特に、酒造においては、2ヶ月連続で主要指標が全て悪化となるなど、一段と厳しさを増している。

繊維・同製品は、織物等川上業種では、前年同月比売上は全般に低調横這い、又は減少傾向。アパレル関連は、メンズアパレル、既製服縫製共に減少傾向となった。収益状況、景況感についても、ニット工業を除く全ての業種で悪化となる等、業界は非常に厳しい状況が続いている。

木材・木製品は、前年同月比売上は、動向が分かれ製材で増加、飛騨地区家具で低調横這い、銘木、集成材、美濃地区家具、東濃ひのきで減少となった。美濃地区家具、東濃ひのきにおいては、2ヶ月連続で主要指標の全てが悪化となるなど、厳しい業況悪化の動きが続いている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチックでは、前年同月比売上は、家庭紙、プラスチックで増加、特殊紙、紙加工品、印刷で低調横這いとなった。売上増加となったプラスチックにおいても販売価格の下落による収益悪化が懸念されている。

窯業・土石の陶磁器等では、前年同月比売上は、全般に低調横這い、又は減少傾向となっている。建設資材の土石では、全般に低調横這い、又は減少傾向、その中で、砂利は増加となった。全般に依然建設不況の影響が大きく厳しい状況が続いている。また、石灰は前年同月比売上増加となっいるが、本年1〜11月累計は前年割れであり力強さは無い。

機械・金属は、全般的に前年同月比売上は、低調横這い、又は減少傾向である。可児工業団地、金型の自動車関連は堅調に推移しているが、業界全般では景況感の悪化傾向が強く厳しい状況。

各種物産品は、前年同月比売上は、観光物産、ギフト共に減少。ギフトにおいては3ヶ月連続で、主要指標が全て悪化となり、厳しい業況悪化の動きとなっている。

卸売業は、前年同月比売上は、岐阜地区総合卸売で低調横這い、飛騨地区総合卸売、陶磁器産地卸で減少傾向となっている。

小売業は、前年同月比売上は、動向が分かれ共同店舗(飛騨)で増加、青果、水産物、メガネ販売、石油製品販売で低調横這い、家電機器販売、共同店舗(東濃)、生花販売で減少となっている。全般に消費低迷、同業者の競合等により、苦しい状況が続いている。

商店街は、前年同月比売上は、岐阜市、多治見市、高山市で低調横這い、大垣市、恵那市で減少となった。来街者の減少、郊外型大型店等との競合の影響は大きく、商店街の不況感は依然強い。

サービス業は、前年同月比売上は、全般的に低調横這い、又は減少傾向である。その中で、季節要因が強く働いた、自動車タイヤ整備、広告美術で増加傾向となった。

建設業は、全般的に前年同月比売上は、減少傾向である。その中で、鉄構造物は低調横這い、電気工事は増加傾向となった。10業種中の4業種(土木(岐阜地区、飛騨地区)、土木・建築(羽島地区)、木製建具)で、主要指標の全てが悪化となるなど、業界は、発注量の減少に加え、工事単価の低下により、一段と厳しい業況が続いている。

運輸業は、前年同月比売上は、軽運送で低調横這い、県域で減少傾向推移となった。

  主な調査項目での動向
売上動向は、増加13ポイント、減少50ポイントでDI値はマイナス37ポイントとなり、前月のマイナス32ポイントに対し、5ポイントの減少となっている。
 前月に続き2ヶ月連続での減少となり、DI値は再び強い減少の動きとなった。前月の動向と比較し、改善傾向は弱く、特に食料品、木材・木製品、機械・金属等、製造業での悪化傾向が強い。
 売上増加となったのは、食肉、米菓、製材、家庭紙、プラスチック、石灰、砂利、共同店舗(飛騨)、自動車タイヤ整備、広告美術、電気工事である。
 減少業種が特に多いのは、繊維・同製品、木材・木製品、機械・金属、各種物産品、卸売業、建設業である。

販売価格の動向は、上昇0ポイント、下降49ポイントでDI値はマイナス49ポイントとなり、前月のマイナス37ポイントに対し、12ポイントの大きな下降の動きとなっている。前月まで3ヶ月連続での緩やかな改善の動きであったが、今回は、反対に大きな下降の動きとなった。
 下降業種が特に多いのは、木材・木製品、窯業・土石、建設業となっている。

収益状況の動向は、好転3ポイント、悪化54ポイントでDI値はマイナス51ポイントとなり、前月のマイナス46ポイントに対し、5ポイントの悪化の動きとなっている。
 2ヶ月連続の改善の動きの後、再びマイナス50ポイント台となり強い悪化傾向となった。
 好転となったのは、共同店舗(東濃地区)、広告美術である。
 悪化業種が特に多いのは、食料品、繊維・同製品、機械・金属、各種物産品、卸売業、建設業、運輸業である。

資金繰りの動向は、好転1ポイント、悪化36ポイントでDI値はマイナス35ポイントとなり、前月と同数値で依然、厳しい状況が続いている。
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