調査レポート
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景気動向調査
 平成15年1月  (平成15年1月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕1月の特色
◆ 景況感悪化縮小・依然厳しい状況
◆ 先行き不安感が強い
  〔 2 〕1月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転0ポイント、悪化57ポイントでDI値はマイナス57ポイントとなり、前月のマイナス61ポイントに対し、4ポイントの改善となっている。

 景況感DI値は、前月と比較すると、7月以降3ヶ月連続しての改善傾向後、2ヶ月連続の悪化となり、当月再び改善の動きとなるなど、6月以降水面下での一進一退で推移している。

 業種別のDI値を見ると、全般に変化が小さい中、機械・金属で前月水準に比較してマイナス幅が縮小したことが、全体のマイナス幅縮小の要因となった。しかし、マイナス57ポイントは、依然厳しい数値であり、業況は一段と冷え込んで来ている。

 売上高、販売価格、収益動向など主要指標の動向についても、全てマイナス幅縮小の動きとなったが、DI値は、売上高マイナス45ポイント、販売価格マイナス37ポイント、収益状況マイナス57ポイントと依然大きなマイナスの水準であり、また、消費低迷、公共工事・民需の停滞、企業間競争の激化、海外製品との競合など経済環境は変らず、厳しい企業経営が続いているものと推測される。

 コメントの中には、年末商戦の不振が延長する形で、消費低迷が続いているとの声に加え、同業者の廃業、取引先関係の倒産による信用不安、企業マインドの低下を指摘する意見が増えており、景況の実感は一段と厳しくなっている。

 前年同月比業況悪化業種が特に多いのは、繊維・同製品、木材・木製品、窯業・土石、商店街、建設業である。
  主な業種区分の業況概況
食料品は、前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這い。また、収益、資金繰りの悪化傾向も強く、厳しい業況。酒造においては、4ヶ月連続で主要指標が全て悪化となるなど、依然厳しい状況が続いている。

繊維・同製品は、織物等川上業種では、前年同月比売上は全般に低調横這い、又は減少傾向となっている。アパレル関連は、全ての業種で減少となっている。収益状況、景況感についても、ニット工業を除く業種で全て悪化となるなど、業界は非常に厳しい状況が続いている。

木材・木製品は、前年同月比売上は、動向が分かれ製材で増加、集成材で低調横這い、銘木、家具(美濃・飛騨地区)、東濃ひのきで減少となった。美濃地区家具、東濃ひのきにおいては、4ヶ月連続で主要指標の全てが悪化している。また、全業種の景況感が悪化となるなど、厳しい業況悪化の動きが続いている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチックでは、前年同月比売上は動向が分れ、プラスチックで増加、印刷で低調横這い、家庭紙、特殊紙、紙加工品で減少となった。売上増加となったプラスチックにおいても、原材料の値上り、販売価格の低下により収益が悪化している。全般的に景況低迷が続いている。

窯業・土石の陶磁器等では、前年同月比売上は、全般に減少となっている。陶磁器(工業)においては、中国を中心とする海外製品と競合。市況低迷の厳しい状況の中で、東京、海外の見本市に出展するなど、新販路開拓への積極的な取組みが行われている。石灰については増加傾向となった。建設資材の土石では、砂利、砕石で増加、生コンクリートで低調横這いとなった。特異な動きとして、砕石はこの2ヶ月、大幅な前年同月比売上増が続いている。

機械・金属は、全般的に前年同月比売上は低調横這い、又は減少傾向である。その中で、金型は増加傾向である。業界全般は景況の回復感はなく厳しい状況にあるが、金型の受注の増加傾向の報告が明るい話題である。

各種物産品は、前年同月比売上は、観光物産、ギフト共に減少。ギフトにおいては5ヶ月連続で、主要指標が全て悪化となり、強い業況悪化の動きとなっている。

卸売業はは、前年同月比売上は、飛騨地区総合卸売で低調横這い、岐阜地区総合卸売、陶磁器産地卸で減少となり、全体的に低迷が続いている。

小売業は、前年同月比売上は、低調横這い、又は減少傾向で推移している。消費需要の不振が続き苦しい業況となっている

商店街は、前年同月比売上は動向が分かれ、恵那市で増加、大垣市、多治見市で低調横這い、岐阜市、高山市で減少となった。多治見市においては、市内一番の商店街で、倒産、廃業により11店舗のシャッターが降りているなど非常に厳しい状況。商店街は、全般に来街者の減少が止まらず厳しい業況が続いている。

サービス業は、前年同月比売上は、低調横這いとなった高山旅館を除き、全般的に減少となり、強い景況悪化の動きとなっている。

建設業は、全般的に前年同月比売上は低調横這い、又は減少傾向である。その中で、電気工事は増加傾向となった。公共工事発注のピークを迎える時期であるが、前年実績維持となった地域も一部あるが、全般的には発注量の減少に加え、同業者間の過当競争も激しく、業況悪化が続いている。公共工事が減少していることに対し、増大要望が強い。

運輸業は、前年同月比売上は、減少傾向で推移している。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比増加10ポイント、減少55ポイントでDI値はマイナス45ポイントとなり、前月のマイナス49ポイントに対し、4ポイントの改善の動きとなっている。
 前月まで3ヶ月連続での減少の動きであったが、今回は反対に増加の動きとなった。しかし、DI値は、依然マイナス40ポイント台の大きな減少傾向であり低調な需要動向が続いている。
 業種別に見ると、全般に変化が小さく、繊維・同製品、商店街、建設等で「減少」が「横這い」になったことがDI値改善の大きな要因となっている。
 前年同月比売上増加となったのは、製材、プラスチック、石灰、砂利、砕石、金型、商店街(恵那)、電気工事である。
 減少業種が特に多いのは、繊維・同製品、木材・木製品、紙・紙加工品、各種物産品、サービス業、建設業である。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇2ポイント、下降39ポイントでDI値はマイナス37ポイントとなり、前月のマイナス41ポイントに対し、4ポイントの改善の動きとなっている。
 前月の動向と比較して、販売価格が上昇した業種区分は無く、DI値の改善の動きは、「下降」から「不変」への改善が主な要因であり、依然、強い低価格化の状態が続いている。
 前年同月比販売価格が上昇したのは、家庭紙、生花販売である。
 下降業種が特に多いのは、サービス業となっている。

収益状況の動向は、前年同月比で好転0ポイント、悪化57ポイントでDI値はマイナス57ポイントとなり、前月のマイナス61ポイントに対し、4ポイントの改善の動きとなっているが、依然マイナス50ポイント台であり、深刻な状況が続いている。
 悪化業種が特に多いのは、食料品、繊維・同製品、木材・木製品、各種物産品、サービス業、建設業である。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転0ポイント、悪化37ポイントでDI値はマイナス37ポイントとなり、前月のマイナス40ポイントに対し、3ポイントの改善であるが、依然、厳しい状況である。特に、建設業で悪化傾向が強い。
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