平成15年2月 (平成15年2月末調査) |
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岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。
当制度に基づき、県内の主要業種85組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。
本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
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1 〕2月の特色 |
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◆ 景況悪化再び拡大
◆ 原料高製品安が収益を圧迫 |
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2 〕2月の概況 |
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当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転0ポイント、悪化62ポイントでDI値はマイナス62ポイントとなり、前月のマイナス57ポイントに対し、5ポイントの悪化となっている。
景況感DI値は、11月、12月と2ヶ月連続の悪化後、1月は改善の動きとなり、当月再びマイナス60ポイント台の強い景況悪化の動きとなるなど、昨年6月以降、水面下で一進一退を繰り返す不安定な動きをしている。
業種別のDI値を見ると、全般に変化が小さい中、機械・金属、サービス業で前月水準に比較してマイナス幅が拡大したことが、全体のマイナス幅拡大の要因となった。
売上高、収益状況の指標については、季節要因等により需要が増えた業種が一部にありマイナス幅縮小の動きとなったが、DI値は、売上高マイナス42ポイント、収益動向マイナス55ポイントと依然大きなマイナスの水準であり、全体的には、需要低迷、企業間競争激化、販売価格下降、収益悪化が続き中小企業の景況は、一段と厳しくなっている。
コメントの中には、同業者の廃業、取引先関係の倒産による信用不安、年度末にかけての金融不安、原料高製品安などの指摘に加え、中東情勢による影響を懸念する声が一部出ている。
前年同月比業況悪化業種が特に多いのは、繊維・同製品、木材・木製品、窯業・土石、卸売、商店街、建設業である。特に繊維・同製品、木材・木製品は全ての回答が「悪化」としている。
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主な業種区分の業況概況 |
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食料品は、前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いとなった。収益状況について低調横這いの菓子を除き全ての業種で悪化となり厳しい業況。また、酒造においては、5ヶ月連続で主要指標が全て悪化となるなど、依然厳しい状況が続いている。
繊維・同製品は、前年同月比売上は、織物等川上業種、アパレル関連共に減少となった。その中で、紳士服は増加となっている。景況感が全ての業種で悪化となるなど業界は、需要低迷に加え、海外製品との競合、販売価格の下降による収益悪化により依然厳しい状況が続いている。
木材・木製品は、前年同月比売上は、増加となった銘木を除き、他は全て減少となった。美濃地区家具、東濃ひのきについては、主要指標の全てが5ヶ月連続で悪化となるなど、厳しい業況悪化の動きが続いている。
紙・紙加工品、印刷、プラスチックでは、前年同月比売上は動向が分れ、プラスチックで増加、家庭紙、印刷で低調横這い、特殊紙、紙加工品で減少となった。売上増加となったプラスチックにおいても、原材料の値上り、販売価格の低下により収益が悪化している。全般的に景況低迷が続いている。
窯業・土石の陶磁器等では、前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となった。陶磁器(工業)においては、燃料価格が中東情勢により高騰し、販売価格への転嫁も困難で収益が悪化している。石灰については売上が前月に続き増加傾向となった。建設資材の土石では、長期需要低迷の中で、砂利で増加、生コンクリートで低調横這い、砕石で大幅減少となった。
機械・金属は、全般的に前年同月比売上は低調横這い、又は減少となった。業界全般は景況の回復感はなく厳しい状況。輸送用機器では、中東情勢の影響による受注減少を懸念している。
各種物産品は、前年同月比売上は、観光物産で増加、ギフトで減少となった。
卸売業は、前年同月比売上は、総合卸売(岐阜・飛騨地区)で低調横這い、陶磁器産地卸で減少となった。
小売業は、前年同月比売上は、減少又は低調横這いで推移している。家電機器販売においては、主要指標の全てが悪化となるなど、全般に消費需要の不振が続き苦しい業況となっている。
商店街は、前年同月比売上は動向が分かれ、恵那市で増加、大垣市、多治見市で低調横這い、岐阜市、高山市で減少となった。増加となった恵那市は、例年より早く季節要因が働いた為であり3月への反動を懸念している。また、岐阜市においては、主要指標の全てが悪化となるなど、商店街の不況感は依然強い。
サービス業はは、動向が分かれ、長良川畔旅館、下呂温泉旅館で増加、広告美術、情報サービスで低調横這い、自動車車体整備、自動車タイヤ整備、高山旅館、クリーニング、映像制作、飲食業で減少となった。その中で、長良川畔旅館については、宿泊人員が8ヶ月連続で前年同月比増加となるなど好調に推移している。
建設業は、全般に前年同月比売上は減少又は低調横這いとなった。その中で、トンネル工事を受注した飛騨地区土木は増加となった。公共工事発注のピークを迎える時期であるが、前年実績維持となった地域も一部にあるが、全般的には発注量の減少に加え、同業者間の過当競争も激しく、業況悪化が続いている。公共工事の減少に対し発注増の要望が強い。
4業種(岐阜地区土木、土木・建築(羽島地区)、木製建具、産直住宅(付知地区))で、主要指標の全てが悪化となるなど、業界は、発注量の減少、工事単価の低下等により一段と厳しい業況。
運輸業は、前年同月比売上は、減少傾向で推移している。 |
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主な調査項目での動向 |
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売上動向は、前年同月比で増加12ポイント、減少54ポイントでDI値はマイナス42ポイントとなり、前月のマイナス45ポイントに対し、3ポイントの改善となっている。
前月に続き2ヶ月連続での増加の動きとなり、DI値は若干の改善となった。しかし、DI値は、依然マイナス40ポイント台の大きな減少傾向であり低調な需要動向が続いている。
業種別に見ると、全般に変化が小さく、各種物産品、サービス業の一部の業種で「減少」が「増加」になったことがDI値改善の大きな要因となっている。
前年同月比売上増加となったのは、紳士服、銘木、プラスチック、石灰、砂利、各種物産品(観光)、商店街(恵那)、長良川畔旅館、下呂温泉旅館、土木(飛騨地区)である。
減少業種が特に多いのは、繊維・同製品、木材・木製品、紙・紙加工品、小売業、サービス業、建設業、運輸業である。
販売価格の動向は、前年同月比で上昇4ポイント、下降44ポイントでDI値はマイナス40ポイントとなり、前月のマイナス37ポイントに対し、3ポイントの悪化となっている。
前月まで2ヶ月連続の緩やかな改善の動きであったが、今回は、反対に悪化の動きとなった。
前年同月比販売価格が上昇したのは、家庭紙、石油製品販売、商店街(恵那)である。
下降業種が特に多いのは、木材・木製品、建設業である。
収益状況の動向は、前年同月比で好転2ポイント、悪化57ポイントでDI値はマイナス55ポイントとなり、前月のマイナス57ポイントに対し、2ポイントの改善の動きとなっているが、依然マイナス50ポイント台であり、深刻な状況が続いている。
好転となったのは、商店街(恵那)、長良川畔旅館である。
悪化業種が特に多いのは、食料品、繊維・同製品、木材・木製品、建設業である。
資金繰りの動向はは、前年同月比で好転2ポイント、悪化42ポイントでDI値はマイナス40ポイントとなり、前月のマイナス37ポイントに対し、3ポイントの悪化となり依然、厳しい状況である。特に、各種物産品、商店街、建設業で悪化傾向が強い。
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