平成15年7月 (平成15年7月末調査) |
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岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。
当制度に基づき、県内の主要業種85組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。
本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
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1 〕7月の特色 |
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◆ 景況感悪化が縮小
◆ 低価格・需要低迷が続く
◆ 長梅雨、冷夏が消費需要を打撃
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2 〕7月の概況 |
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当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転6ポイント、悪化52ポイントでDI値はマイナス46ポイントとなり、前月のマイナス55ポイントに対し、9ポイントの大きな改善の動きとなっている。
景況感DI値は、2ヶ月連続の緩やかな改善の動きの後、当月は、前月に比し9ポイントの大きな改善の動きとなり、昨年10月以来8ヶ月ぶりにマイナス40ポイント台となるなど、数値の動きでは底打ち傾向となっている。
改善の要因は、業種別の景況感DI値が、食料品、木材・木製品で前月水準よりもマイナス幅が縮小し、これが全体のマイナス幅を縮小させたことによるものである。
しかし、景況感DI値の水準は依然として低く、また、売上高、収益状況の動向についても、前月比DI値は改善の動きではあるが、販売価格の前月比DI値は悪化の動きとなるなど、低価格、売上不振の状況が改善されたわけでない。売上高マイナス42ポイント、販売価格マイナス36ポイント、収益状況マイナス47ポイントと依然大きなマイナスの水準で推移している。
需要動向は、公共工事には動きが出てきた地域もあるが、発注量の減少、企業間競争の激化、工事単価下落により、売上、収益とも厳しい状況にある。また、個人消費は依然として低迷し、先行き不透明感が強い。
コメントの中には、梅雨の長期化など天候不順の影響、同業者の廃業の指摘に加え、公共工事発注の早期化の要望等、厳しい業況の意見が多い。
前年同月比業況悪化業種が特に多いのは、繊維・同製品、窯業・土石、建設業である。
前年同月比業況好転業種は、米菓、製材、金型、機械・工具販売、長良川畔旅館である。 |
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主な業種区分の業況概況 |
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食料品は、前年同月比売上は、動向が分かれ米菓で増加、製麺で低調横這い、味噌・醤油、豆腐、食肉、菓子、酒造で減少となった。全般に梅雨の長期化による売上減少の影響が出ている。また、酒造においては、長期間主要指標が全て悪化となり一段と厳しい状況。
繊維・同製品は、織物等川上業種では、前年同月比売上で動向が分かれ、ニット工業、合成繊維織物で増加、撚糸、毛織物で減少となった。アパレル関連は減少となった。売上の増加となった業種においても、収益状況、景況感は改善には至っていない。特にアパレル関連では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く非常に厳しい状況が続いている。
木材・木製品は、動向が分かれ銘木で増加、製材、集成材で低調横這い、家具(飛騨地区)、東濃ひのきで減少となった。住宅産業の低迷の中、業界は依然厳しい業況悪化の動きが続いている。特殊な動向として、製材において、改正建築基準法施行、住宅ローン金利減税の期限切れなどによる駆け込み着工等による実需改善により、プレカット工場がフル稼動状態となるなど、特殊な動きが出ている。
紙・紙加工品、印刷、プラスチックでは、前年同月比売上は動向が分かれ、家庭紙で増加、印刷で低調横這い、特殊紙、紙加工品、プラスチックで減少となった。全般に収益、景況感の回復感は弱く、全般的に低迷状態が続いている。
窯業・土石の陶磁器等では、前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いで依然厳しい状況が続いている。石灰については、需要先の鉄鋼業界の生産増加により売上が5ヶ月連続で増加傾向となった。建設資材の土石では、全業種で前月に続き減少となった。また、砂利においては、前月に続き主要指標が全て悪化となるなど厳しい状況となった。
機械・金属は、前年同月比売上は動向が分かれ、金型で増加、鋳物、刃物等金属製品(内需)、メッキ、工業団地(県金属、可児)、電気機械器具、輸送用機器で低調横這い、刃物等金属製品(輸出)で減少となった。業界全般では、景況感の回復感は無く厳しい状況にあるが、金型は5ヶ月連続で売上増加となるなど、自動車関連を中心に堅調に推移している。
各種物産品は、前年同月比売上は、観光物産で低調横這い、ギフトで減少となった。ギフトにおいては主要指標が全て悪化となるなど厳しい状況となった。
卸売業は、前年同月比売上は、動向が分かれ、機械・工具販売で増加、総合卸売(飛騨・岐阜地区)で低調横這い、陶磁器産地卸で減少となった。売上の増加となった機械・工具販売においても、収益状況は悪化しているなど、消費需要低迷が続く中、業況は低調に推移している。
小売業は、前年同月比売上は、減少又は低調横這いで推移している。梅雨の長期化による影響に加え、消費需要の不振が続き苦しい業況となっている。
商店街は、全般に前年同月比売上は、減少又は低調横這いで減少傾向が強い。その中で、中元セールなどが好調であった岐阜市は増加傾向となっている。商店街は、来街者の減少が止まらず厳しい業況が続いている。
サービス業は、前年同月比売上は、低調横這いとなった自動車タイヤ整備、情報サービス、飲食業を除き、全般的に減少となり、強い景況悪化の動きとなっている。
建設業は、全般的に前年同月比売上は、減少傾向が強い。その中で、各務原地区建築、管設備工業、建築板金、産直住宅(付知地区)は低調横這いとなった。土木(岐阜地区、飛騨地区)、土木・建築(羽島地区)で、主要指標の全てが悪化と厳しい状態となった。業界は、低調な公共工事や、業者間での受注競争激化などにより、低水準の受注状況が続いている。岐阜地区で下水道工事の発注が動き出したが、件数、金額が少なく受注競争が激しい。前月に続き公共工事の早期発注の強い要望が出ている。
運輸業は、前年同月比売上について、県域、軽運送共に減少となった。また、軽運送においては、収益状況、景況感も悪化となるなど厳しい業況となっている。
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主な調査項目での動向 |
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売上動向は、前年同月比で増加11ポイント、減少53ポイントでDI値はマイナス42ポイントとなり、前月のマイナス47ポイントに対し、5ポイントの改善となっている。
DI値は、2月以降、一進一退の状況が続いていており、今回は前月の大幅な減少とは反対に、改善の動きとなった。しかし、DI値は、依然マイナス40ポイント台の大きな減少傾向であり低調な需要動向が続いている。
前年同月比売上増加となったのは、米菓、ニット工業、合成繊維織物、銘木、家庭紙、石灰、金型、機械・工具販売、商店街(岐阜)である。
減少業種が特に多いのは、食料品、繊維・同製品、小売業、サービス業、建設業、運輸業である。
販売価格の動向は、前年同月比で上昇2ポイント、下降38ポイントでDI値はマイナス36ポイントとなり、前月のマイナス34ポイントに対し、2ポイントの悪化の動きとなっている。
販売価格が上昇した業種は2業種だけであり、依然、販売価格の改善傾向は弱く、深刻な低価格販売、受注競争の激しさが続いていることが窺われる。
前年同月比販売価格が上昇したのは、家庭紙、機械・工具販売である。
下降業種が特に多いのは、建設業である。
収益状況の動向は、前年同月比で好転4ポイント、悪化51ポイントでDI値はマイナス47ポイントとなり、前月のマイナス56ポイントに対し、9ポイントの大幅な改善の動きとなっている。
売上動向と同様に、DI値は不安定な動きをしている。また、DI値の水準は、依然大きいマイナスの値であり、極めて強い悪化が続いている。
好転となったのは、米菓、製材、長良川畔旅館である。
悪化業種が特に多いのは、食料品、窯業・土石、サービス業、建設業である。
資金繰りの動向は、前年同月比で好転2ポイント、悪化37ポイントでDI値はマイナス35ポイントとなり、前月のマイナス32ポイントに対し、3ポイントの悪化となるなど、依然、厳しい状況が続いている。特に、建設業で悪化傾向が強い。
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