| 平成１６年１０月 （平成１６年１０月末調査） |
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岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度（政府指定事業）を実施しております。
当制度に基づき、県内の主要業種８５組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。
本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
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| 〔 １ 〕１０月の特色 |
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◆ 景況感再び悪化、不安定な景況感続く
◆ 原材料、燃料費等の上昇により収益悪化 |
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| 〔 ２ 〕１０月の概況 |
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当月の景気動向を前年同月比景況感ＤＩ値で見ると、好転８ポイント、悪化３８ポイントでＤＩ値はマイナス３０ポイントとなり、前月のマイナス１６ポイントに対し、１４ポイントの大幅な悪化となっている。
景況感ＤＩ値は、前月の大幅な改善の動きとは反対に、再び大幅な悪化となるなど、４月以降一進一退を繰り返す不安定な動きが続いている。
業種別に景況感ＤＩ値の動向を見ると、悪化の度合いの中で、繊維・同製品、サービス業、建設業等で前月水準に比べ悪化傾向が強く出ている。
他の主要な動向である、売上高、収益状況については、それぞれ前月の動向に対し、売上高１１ポイント、収益状況６ポイントの悪化となり、景況感ＤＩ値と同様に悪化の動きとなった。
販売価格については、２ポイント改善し、３ヶ月連続の改善と上昇傾向にあるが、原材料費等の上昇、原油の高騰に伴う燃料費や石油製品の上昇等により、収益状況は悪化傾向にあるなど、依然、厳しい状況が続いている。
また、コメントの中には、業況は好調との声がある一方、公共工事の縮小、消費の低迷を訴える声に加え、台風、地震等の災害の影響や、原油、原材料価格の高騰によるコストアップ、製品価格への転嫁難による収益悪化、先行き不安など企業マインドの低下を指摘する意見も多く、中小企業の景況の実感は依然厳しく、景気の先行きは楽観できない状況にある。
前年同月比業況悪化業種が特に多いのは、繊維・同製品、窯業・土石、サービス業、建設業である。
前年同月比業況好転業種は、食肉、米菓、特殊紙、鋳物、機械・工具販売、建設板金、産直住宅である。
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| 主な業種区分の業況概況 |
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食料品
前年同月比売上は、動向が分れ食肉、米菓、寒天で増加、牛乳・乳製品、豆腐、菓子で低調横這い、製麺で減少となった。売上増加となった業種においても収益状況に改善傾向は無く、依然厳しい業況が続いている。
繊維・同製品
織物等川上業種では、前年同月比売上は、低調横這い傾向となった。アパレル関連は全業種で悪化となった。全体では、収益、景況感の悪化傾向が続き、業界は依然厳しい状況。特に、アパレル関連では、温暖気候の影響で冬物の出荷が遅く、秋物も不振となるなど厳しい状況となっている。
木材・木製品
動向が分かれ家具（飛騨地区）で増加、集成材、東濃ひのきで低調横這い、製材、銘木で減少となった。住宅産業の低迷の中、業界は依然厳しい業況が続いている。製材においても、堅調が続いていたプレカット需要に一服感が出ている。
紙・紙加工品、印刷、プラスチック
前年同月比売上は動向が分れ、プラスチックで増加、家庭紙、特殊紙、紙加工品で低調横這い、印刷で減少となった。全般に低迷状態が続いている。売上増加となったプラスチックにおいても、本年３回目の原材料の値上げが実施されるため、その影響が懸念される。
窯業・土石
陶磁器等では、全般に低調横這い傾向となった。石灰については堅調に推移している。建設資材の土石では、砕石で増加、生コンクリート、砂利で減少となった。砂利においては、先月に続き主要指標が全て悪化となるなど厳しい状況となった。全体では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く、依然厳しい状況が続いている。
機械・金属
前年同月比売上は、鋳物、刃物等金属製品（内需）、電気機械器具で増加、刃物等金属製品（輸出）、メッキ、県金属工業団地、可児工業団地、金型で低調横這い、輸送用機器で減少となった。堅調であった金型に一服感がでている。全般に、収益状況、景況感の改善は弱く、依然、景況の回復感は弱く厳しい状況にある。輸送用機器においては、主要指標が全て悪化と厳しい状況となった。
各種物産品
前年同月比売上は、観光で低調横這い、ギフトで減少となった。ギフトにおいては、６ヶ月連続で主要指標が全て悪化となるなど、依然、強い業況悪化の動きが続いている。
卸売業
動向が分かれ、機械・工具販売で増加、総合卸売（飛騨地区）、電設資材で低調横這い、陶磁器産地卸で減少となった。消費需要低迷が続く中、全体的に低迷が続いている。その中で、機械・工具販売は堅調に推移している。
小売業
前年同月比売上は、動向が分かれ青果、メガネ販売、石油製品販売、共同店舗（東濃、飛騨）で増加、家電機器販売、生花販売で低調横這い、水産物で減少となった。全体では、収益状況、景況感に回復感は無く、売上が増加しても収益の改善には結び付かない状況がいている。
商店街
前年同月比売上は動向が分かれ、大垣市、恵那市で増加、岐阜市で低調横這い、多治見市、高山市で減少となった。全般に収益状況、景況感の回復傾向はなく、商店街の不況感は強く、厳しい状態が続いている。
サービス業
前年同月比売上は低調横這いとなった情報サービス業を除き全ての業種で減少となり、強い景況悪化の動きとなっている。
建設業
前年同月比売上は、鉄構造物、建築板金、木製建具で増加、土木（岐阜地区、飛騨地区）、土木・建築（羽島地区）、各務原地区建築、電気工事、管設備工事、産直住宅で減少となった。公共工事の発注量は減少しており業者間の競合が激化するなど、厳しい業況が続いている。業界からは工事施工の平準化と発注増の要望が出ている。
運輸業
前年同月比売上について、軽運送、県域ともに増加となった。軽運送は、前月に続き、売上、収益ともに増加となった。 |
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| 主な調査項目での動向 |
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売上動向は、前年同月比で増加２７ポイント、減少４２ポイントでＤＩ値はマイナス１５ポイントとなり、前月のマイナス４ポイントに対し、１１ポイントの大幅な減少傾向となっている。
前月の大幅な改善の動きとは反対に、大幅な悪化の動きとなるなど、依然、不安定な状況が続いている。前月の動向との比較では、業種別に見ると、サービス業に悪化傾向が強く、１２業種中の１１業種で悪化となっている。
前年同月比売上増加となったのは、食肉、米菓、寒天、家具（飛騨地区）、プラスチック、石灰、砕石、鋳物、刃物等金属製品（内需）、電気機械器具、機械・工具販売、大垣市商店街、恵那商店街、鉄構造物、建設板金、木製建具である。
売上増加業種が特に多いのは、小売業、運送業である。
減少業種が特に多いのは、繊維・同製品、サービス業、建設業である。
販売価格の動向は、前年同月比で上昇１２ポイント、下降２３ポイントでＤＩ値はマイナス１１ポイントとなり、前月のマイナス１３ポイントに対し、２ポイントの改善となり、３ヶ月連続での改善の動きとなっている。
前年同月比販売価格が上昇したのは、食肉、特殊紙、プラスチック、陶磁器（輸出）、鋳物、青果、メガネ販売、石油製品販売、共同店舗（東濃）、鉄構造物である。
下降業種が特に多いのは、建設業である。
収益状況の動向は、前年同月比で好転５ポイント、悪化４４ポイントでＤＩ値はマイナス３９ポイントとなり、前月のマイナス３３ポイントに対し、６ポイントの悪化の動きなり、売上動向と同様に不安定な動きが続いている。
収益状況が好転となったのは、家具（飛騨地区）、メガネ販売、共同店舗（東濃）、軽運送である。
収益状況の悪化業種が特に多いのは、食料品、繊維・同製品、窯業・土石、サービス業、建設業である。
資金繰りの動向は、前年同月比で好転１ポイント、悪化２６ポイントでＤＩ値はマイナス２５ポイントとなり、前月のマイナス２０ポイントに対し、５ポイントの悪化であり依然、厳しい状況である。特に、建設業で悪化傾向が強い。 |
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