平成16年12月 (平成16年12月末調査) |
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岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。
当制度に基づき、県内の主要業種85組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。
本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
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〔 1 〕12月の特色 |
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◆ 景況回復傾向が減速
◆ 暖冬により冬物需要低調
◆ 低価格化、収益悪化が拡大 |
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〔 2 〕12月の概況 |
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当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転4ポイント、悪化40ポイントでDI値はマイナス36ポイントとなり、前月のマイナス27ポイントに対し、9ポイントの大幅な悪化となっている。
景況感DI値は、4月以降一進一退を繰り返す不安定な動きをしている。当月は、前月の改善とは反対に大幅な悪化の動きとなった。
業種別に景況感DI値の動向を見ると、悪化の度合いの中で、サービス業、建設業等で前月水準に比べ悪化傾向が強く出ている。
他の主要な動向についても、景況感DI値と同様に悪化の動きとなり、それぞれ前月の動向に対し、売上高4ポイント、販売価格9ポイント、収益状況11ポイントの悪化と全ての指標でマイナス幅拡大の動きとなるなど、業況悪化が拡大している。
機械関係など一部業種に需要回復の動きはあるが、公共事業の縮小、消費低迷に加え、原材料費の上昇、原油の高騰に伴う燃料費等の上昇の経費増を製品価格に全て転嫁できず、自社でのコスト吸収を余儀なくされるなど、厳しい状況が続いている。
コメントの中には、個人消費の低迷が続き、暖冬により年末商戦も不振との声に加え、同業者の廃業、取引先関係の倒産の増加懸念等、企業マインドの低下を指摘する意見が増えており、景況の実感は一段と厳しくなっている。
前年同月比業況悪化業種が特に多いのは、繊維・同製品、窯業・土石、各種物産品、商店街、建設業である。
前年同月比業況好転業種は、食肉、金型、機械・工具販売である。
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主な業種区分の業況概況 |
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食料品
前年同月比売上は、動向が分かれ食肉、寒天、製麺で増加、牛乳・乳製品、豆腐、米菓、で低調横這い、菓子で減少となった。売上増加となった業種においても収益状況に改善傾向は無く、依然厳しい業況が続いている。
繊維・同製品
織物等川上業種では、前年同月比売上は、減少又は低調横這いとなった。アパレル関連は、3ヶ月連続で全業種が悪化となった。全体では、収益状況、景況感ともに回復はなく、業界は非常に厳しい状況が続いている。
木材・木製品
動向が分かれ製材、家具(飛騨地区)で増加、集成材、東濃ひのきで低調横這い、銘木で減少となった。住宅産業の低迷の中、業界は依然厳しい業況が続いている。
紙・紙加工品、印刷、プラスチック
前年同月比売上は動向が分れ、家庭紙で増加、特殊紙、紙加工品、印刷で低調横這い、プラスチックで減少となった。全般に低迷状態が続いている。売上増加となった家庭紙においても、収益、景況感の回復感はないなど、全般的に景況低迷が続いている。
窯業・土石
陶磁器等では、全般に低調横這い又は減少となっている。石灰については堅調に推移している。建設資材の土石では、砕石で低調横這い、生コンクリート、砂利で減少となった。全体では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く、依然厳しい状況が続いている。
機械・金属
前年同月比売上は、鋳物、県金属工業団地、可児工業団地、輸送用機器で増加、刃物等金属製品(内需)、メッキ、金型、電気機械器具で低調横這い、刃物等金属製品(輸出)で減少となった。金型においては、平成17年度の見通しは明るく、景況感も改善の動きとなっているが、全体としては、景況感の回復感は弱く厳しい状況にある。
各種物産品
前年同月比売上は、観光で低調横這い、ギフトで減少となった。ギフトにおいては、主要指標の全てが悪化となる厳しい状況が続いており、依然、強い業況悪化の動きが続いている。
卸売業
前年同月比売上は、機械・工具販売で増加、総合卸売(飛騨)、電設資材で低調横這い、陶磁器産地卸で減少となった。消費需要低迷が続く中、全体的に低迷が続いている。その中で、機械・工具販売は堅調に推移している。
小売業
前年同月比売上は、動向が分かれ中古自動車販売、石油製品販売で増加、青果、水産物、家電機器販売、共同店舗(東濃)、生花販売で低調横這い、メガネ販売、共同店舗(飛騨)で減少となった。業界は、個人消費の低迷が続く苦しい状況が続いている。
商店街
前年同月比売上は、全商店街で減少となり、強い景況悪化の動きとなっている。収益状況、景況感についても全ての商店街で悪化となるなど、商店街は非常に厳しい状況が続いている。
サービス業
前年同月比売上は動向が分かれ、自動車車体整備、長良川畔旅館、理容・美容業で増加、情報サービス業で低調横這い、自動車タイヤ整備、下呂温泉旅館、高山旅館、クリーニング、広告美術、映像制作、飲食業、ビルメンテナンスで減少となった。全体的に需要停滞の中、景況感の改善傾向も見られず厳しい状況が続いている。
建設業
前年同月比売上は、建築板金、木製建具で増加、各務原地区建築、鉄構造物、管設備工事で低調横這い、土木(岐阜地区、飛騨地区)、土木・建築(羽島地区)、電気工事、産直住宅で減少となった。業界は、公共工事の削減、業者間での受注競争激化などにより、低水準の受注状況が続いている。引続き公共工事の早期発注の強い要望が出ている。
運輸業
前年同月比売上について、県域、軽運送共に低調横這いとなった。また、収益状況、景況感について改善傾向は無く、厳しい状況となっている。 |
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主な調査項目での動向 |
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売上動向は、前年同月比で増加22ポイント、減少40ポイントでDI値はマイナス18ポイントとなり、前月のマイナス14ポイントに対し、4ポイントの減少となっている。
全般に変化が小さい中、前月の動向との比較では、商店街、小売業に悪化傾向、サービス業に改善傾向が出ている。
前年同月比売上増加となったのは、食肉、寒天、製麺、製材、家具(飛騨地区)、家庭紙、石灰、鋳物、県金属工業団地、可児工業団地、輸送用機器、機械・工具販売、中古自動車販売、石油製品販売、自動車車体整備、長良川畔旅館、理容・美容業、建築板金、木製建具である。
減少業種が特に多いのは、繊維・同製品、商店街、サービス業、建設業である。
販売価格の動向は、前年同月比で上昇7ポイント、下降27ポイントでDI値はマイナス20ポイントとなり、前月のマイナス11ポイントに対し、9ポイントの大きな悪化の動きとなっている。
前月まで、4ヶ月連続での緩やかな改善の動きであったが、今回は、反対に大きな下降の動きとなった。
前年同月比販売価格が上昇したのは、食肉、特殊紙、プラスチック、陶磁器(輸出)、鋳物、石油製品販売である。
収益状況の動向は、前年同月比で好転5ポイント、悪化45ポイントでDI値はマイナス40ポイントとなり、前月のマイナス29ポイントに対し、11ポイントの大幅な悪化の動きとなっている。
DI値の水準は、再びマイナス40ポイント台の強いマイナスの値となるなど、極めて強い悪化傾向となっている。
収益状況が好転となったのは、米菓、家具(飛騨地区)、機械・工具販売、長良川畔旅館である。
収益状況の悪化業種が特に多いのは、窯業・土石、各種物産品、商店街、建設業である。
資金繰りの動向は、前年同月比で好転4ポイント、悪化33ポイントでDI値はマイナス29ポイントとなり、前月のマイナス24ポイントに対し、5ポイントの悪化であり依然、厳しい状況である。特に、商店街、建設業で悪化傾向が強い。 |
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