| 平成１７年１月 （平成１７年１月末調査） |
 |
岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度（政府指定事業）を実施しております。
当制度に基づき、県内の主要業種８５組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。
本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
|
|
| 〔 １ 〕１月の特色 |
|
◆ 景況悪化が続き、不況感強まる
◆ 先行き不安感が依然強い |
|
| 〔 ２ 〕１月の概況 |
|
当月の景気動向を前年同月比景況感ＤＩ値で見ると、好転４ポイント、悪化４６ポイントでＤＩ値はマイナス４２ポイントとなり、前月のマイナス３６ポイントに対し、６ポイントの悪化となっている。
景況感ＤＩ値は、４月以降、一進一退の状況が続いていたが、先月に続き２ヶ月連続の大きな悪化となり、平成１６年１月以来１年振りにマイナス４０ポイント台となるなど、強い景況悪化の動きとなっている。
主要指標についても、前月に続き全ての指標が悪化となり、ＤＩ値は、売上高マイナス３４ポイント、販売価格マイナス２２ポイント、収益状況マイナス４１ポイントとなった。特に、売上高については前月と比べ１６ポイントの悪化と強いマイナス幅拡大の動きとなり、厳しい動向となっている。
中小企業の景況は、需要の低迷、企業間競争の激化、取引先からの低価格、短納期、小ロット要請等が依然として続いている。また、収益は原材料費の上昇、原油の高騰に伴う燃料費や石油製品の上昇などの経費増を販売価格、運賃等に全て転嫁できず、コスト吸収を余儀なくされるなど、厳しい経済環境が続いている。
コメントの中には、原材料高製品安による収益悪化、公共事業の縮小や消費の低迷、先行き不安など企業マインドの低下を指摘する意見が増えており、中小企業の景況の実感は依然厳しく、景気の先行きは楽観できない状況にある。
前年同月比業況悪化業種が特に多いのは、繊維・同製品、窯業・土石、商店街、建設業であり、好転業種は、前月と同じ食肉、金型、機械・工具販売である。 |
|
| 主な業種区分の業況概況 |
|
食料品
前年同月比売上は、低調横這い又は減少となっている。低価格、低収益の厳しい状況が続き、景況感の改善傾向も弱く、依然厳しい業況が続いている。
繊維・同製品
織物等川上業種、アパレル関連共に減少傾向となった。アパレル関連においては、４ヶ月連続で全業種が悪化と厳しい状況である。全体では、収益状況、景況感ともに悪化傾向が強く、業界は非常に厳しい状況が続いている。
木材・木製品
低調横這い又は減少となっている。その中で、銘木は増加となった。住宅産業の低迷の中、業界は依然厳しい状況が続いている。
紙・紙加工品、印刷、プラスチック
前年同月比売上は、プラスチックで増加、特殊紙、印刷で低調横這い、家庭紙、紙加工品で減少となった。売上増加となったプラスチックにおいても、原材料の値上げの影響等により収益は改善していない。
窯業・土石
陶磁器等では、前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少傾向となっている。その中で、陶磁器（輸出）は増加となった。また、石灰については堅調な動きが続いている。建設資材の土石では、全業種が減少となった。全体では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く、依然厳しい状況が続いている。
機械・金属
前年同月比売上は、鋳物、県金属工業団地で増加、メッキ、可児工業団地、金型、電気機械器具で低調横這い、刃物等金属製品（輸出、内需）、輸送用機器、で減少となった。鋳物において、主原料の値上げが発表され、先行きに対する不透明感が強まっている。全体としては、景況感の回復感は弱く、収益の悪化傾向が強まるなど厳しい状況にある。
各種物産品
前年同月比売上は、観光で低調横這い、ギフトで減少となった。ギフトにおいては、長期に亘り主要指標の全てが悪化となる厳しい状況が続いており、強い業況悪化の動きが続いている。
卸売業
前年同月比売上は、機械・工具販売で増加、総合卸売（飛騨）、電設資材で低調横這い、陶磁器産地卸で減少となった。消費需要低迷が続く中、全体的に低迷が続いている。その中で、機械・工具販売は堅調に推移している。
小売業
前年同月比売上は、動向が分かれ、石油製品販売、共同店舗（東濃、飛騨）で増加、青果で低調横這い、水産物、家電機器販売、メガネ販売、中古自動車販売、生花販売で減少となった。全体では、収益状況、景況感の回復感は弱く、売上が増加しても収益の改善には結び付かない状況が続いている。
商店街
前年同月比売上は、低調横這い又は減少となっている。収益状況、景況感に悪化傾向が強く厳しい状況が続いている。
サービス業
前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いとなっている。その中で、自動車車体整備は増加となった。全体では、販売価格は上昇せず、収益の改善も見られず、景況は依然厳しい状況が続いている。
建設業
全般に減少又は低調横這いとなっている。その中で、木製建具は増加となった。また、土木（岐阜地区、飛騨地区）、土木・建築（羽島地区）において、主要指標が全て悪化となり厳しい状態が続いている。公共工事発注のピークを迎える時期であるが、依然、発注量が前年を下回る厳しい業況悪化の動きが続いている。業界からは工事施工の平準化と発注増の要望が強い。
運輸業
前年同月比売上は、県域で低調横這い、軽運送で減少となった。また、収益状況、景況感についても改善傾向は無く、厳しい状況となっている。 |
|
| 主な調査項目での動向 |
|
売上動向は、前年同月比で増加１５ポイント、減少４９ポイントでＤＩ値はマイナス３４ポイントとなり、前月のマイナス１８ポイントに対し、１６ポイントの大幅な悪化となっている。
２ヶ月連続の減少となり、ＤＩ値は再びマイナス３０ポイント台となり強い悪化の動きが続いている。平成１５年８月依頼、１７ヶ月ぶりのマイナス３０ポイント台となるなど、極めて厳しい動向である。
前年同月比売上増加となったのは、銘木、プラスチック、陶磁器（輸出）、石灰、鋳物、県金属工業団地、機械・工具販売、石油製品販売、共同店舗（東濃、飛騨）、自動車車体整備、木製建具である。
減少業種が特に多いのは、繊維・同製品、窯業・土石、小売業、商店街、サービス業、建設業である。
販売価格の動向は、前年同月比で上昇６ポイント、下降２９ポイントでＤＩ値はマイナス２３ポイントとなり、前月のマイナス２０ポイントに対し、３ポイントの悪化となっている。
販売価格の上昇した業種は５業種と少なく、また、ＤＩ値は、２ヶ月連続でマイナス２０ポイント台となるなど、依然深刻な低価格販売、受注競争の激しさが窺われる。
前年同月比販売価格が上昇したのは、食肉、プラスチック、鋳物、機械・工具販売、石油製品販売である。
下降業種で特に多いのは、建設業である。
収益状況の動向は、前年同月比で好転５ポイント、悪化４７ポイントでＤＩ値はマイナス４２ポイントとなり、前月のマイナス４０ポイントに対し、２ポイントの悪化となっている。
ＤＩ値の水準は、２ヶ月連続でマイナス４０ポイント台と強いマイナスの値であり、極めて強い悪化傾向が続く厳しい状況となっている。
収益状況が好転となったのは、米菓、製材、機械・工具販売、共同店舗（東濃）である。
悪化業種が特に多いのは、繊維・同製品、商店街、サービス業、建設業である。
資金繰りの動向は、前年同月比で好転５ポイント、悪化３２ポイントでＤＩ値はマイナス２７ポイントとなり、前月のマイナス２９ポイントに対し、２ポイントの改善となった。しかし、依然ＤＩ値の水準は低く、厳しい状況に変わりはない。特に、繊維・同製品、商店街、建設業で悪化傾向が強い。 |
|
|
[景況グラフを開く] |
![[景況グラフを開く]](graph/gr_h1701.jpg){kind=link}