調査レポート
景況動向調査
各種調査
もどる
景気動向調査
 平成17年2月  (平成17年2月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕2月の特色
◆ 景況感悪化が縮小
◆ 先行き不透明感強まる
  〔 2 〕2月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転9ポイント、悪化44ポイントでDI値はマイナス35ポイントとなり、前月のマイナス42ポイントに対し、7ポイントの改善となっている。

 景況感DI値は、直近2ヶ月の連続した大きな悪化の後、当月再び改善となるなど、昨年4月以降、非常に不安定な動きが続いている。

 改善の要因は、好転の微増とともに、業種別の景況感DI値が、サービス業、運送業等で前月水準よりもマイナス回答が減少したことによるものである。

 他の主要な動向については、景況感DI値と同様に、水面下ではあるが、前月のDI値に対し改善の動きとなり、売上高11ポイント、販売価格6ポイント、収益動向4ポイントの改善の動きとなった。

 金型、機械関係など一部業種にでている需要回復の動きは変わらないが、全体的には、需要低迷、企業間競争激化、低価格販売、収益悪化など厳しい経済環境が続くなど、中小企業の足元では、景況の停滞感が根強く、また、依然としてDI値は強いマイナスの水準であり業種間、企業間の格差も大きい。

 景気の先行きについても、回復を期待する声がある一方、依然として消費の低迷や、公共事業の縮小、原材料・原油価格の高騰によるコストアップにより利益を確保できないなど、先行きに対する不透明感を訴える声が多く出ている。

 前年同月比業況悪化が特に多い業種は、繊維・同製品、窯業・土石、建設業である。

 前年同月比業況好転業種は、食肉、米菓、印刷、金型、機械・工具販売、広告美術、軽運送である。
  主な業種区分の業況概況
食料品
前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となった。その中で、米菓は増加となった。全体では、低価格、低収益の厳しい状況が続き、景況感の改善傾向も弱く、依然厳しい状況が続いている。

繊維・同製品
織物等川上業種、アパレル関連共に減少傾向となった。アパレル関連においては、4ヶ月連続で全業種が悪化と厳しい状況である。全体では、収益状況、景況感ともに悪化傾向が強く、業界は非常に厳しい状況が続いている。

木材・木製品
低調横這い又は減少となっている。住宅産業の低迷の中、業界は依然厳しい状況が続いている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
前年同月比売上は、家庭紙、印刷で増加、特殊紙で低調横這い、紙加工品、プラスチックで減少となった。売上増加業種においても収益、景況感の回復感は弱く、低迷状態が続いている。

窯業・土石
陶磁器等では、前年同月比売上は、全般に低調横這い傾向となっている。その中で、陶磁器(輸出)は増加となった。また、石灰については堅調な動きが続いている。建設資材の土石では、全業種が減少となった。全体では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く、依然厳しい状況が続いている。

機械・金属
前年同月比売上は、鋳物、メッキ、県金属工業団地、可児工業団地、金型で増加、刃物等金属製品(輸出、内需)、輸送用機器で低調横這い、電気機械器具で減少となった。金型においては、今後2年〜3年間はフル生産の状況となることが予想されるなど、見通しは明るく、景況感も改善の動きとなっている。しかし、全体としては、景況感の回復感は弱く、依然、厳しい状況である。

各種物産品
前年同月比売上は、観光で低調横這い、ギフトで減少となった。ギフトにおいては、長期に亘り主要指標の全てが悪化となる厳しい状況で、強い業況悪化の動きが続いている。

卸売業
前年同月比売上は、機械・工具販売で増加、総合卸売(飛騨)、電設資材で低調横這い、陶磁器産地卸で減少となった。消費需要の低迷により全体的に低迷が続いている。その中で、機械・工具販売は堅調に推移している。

小売業
前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となった。その中で、石油製品販売は増加となった。全体では、収益状況、景況感の回復感も弱く、全般に消費需要の不振が続き苦しい状況となっている。

商店街
前年同月比売上は、低調横這い又は減少となっている。収益状況、景況感に悪化傾向が強く厳しい状況が続いている。

サービス業
前年同月比売上は動向が分かれ、自動車車体整備、広告美術で増加、クリーニング、情報サービス業、映像制作で低調横這い、自動車タイヤ整備、長良川畔旅館、高山旅館、飲食業、理容・美容業で減少となった。全体的に需要停滞の中、景況感の改善傾向は弱く厳しい状況が続いている。

建設業
全般に減少傾向となっている。その中で、建築板金、木製建具については増加となった。また、土木(岐阜地区、飛騨地区)、土木・建築(羽島地区)、管設備工事において、主要指標が全て悪化となる厳しい状況となった。業界は、年度末を間近に控え、公共工事発注のピークを迎える時期であるが、発注量が前年を下回る厳しい業況悪化の動きが続いている。業界からは工事施工の早期発注の要望が強い。

運輸業
前年同月比売上は、県域で、軽運送は増加、貨物運送は低調横這いとなった。軽運送は、大雪の影響による、急送品の受注増加により、売上、収益ともに増加となった。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加21ポイント、減少44ポイントでDI値はマイナス23ポイントとなり、前月のマイナス34ポイントに対し、11ポイントの大幅な改善の動きとなっている。
 DI値は、前月の大幅な減少の動きに対して、今回は、大幅な改善となり再びマイナス20ポイント台となるなど大きな改善の動きとなった。前月の動向と比較し、紙・紙加工品、機械・金属に改善傾向が出ている。
 前年同月比売上増加となったのは、米菓、家庭紙、印刷、陶磁器(輸出)、石灰、機械・工具販売、石油製品販売、自動車車体整備、広告美術、建築板金、木製建具、軽運送である。
 売上増加業種が特に多いのは、機械・金属である。
 減少業種が特に多いのは、繊維・同製品、木材・木製品、商店街、建設業である。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇7ポイント、下降24ポイントでDI値はマイナス17ポイントとなり、前月のマイナス23ポイントに対し、6ポイントの改善の動きとなっている。
 販売価格の上昇した業種は前月より1業種増加し、6業種となったが、依然、DI値の水準は低く、深刻な低価格販売、激しい受注競争が続いていることが窺われる。
 前年同月比販売価格が上昇したのは、食肉、銘木、プラスチック、鋳物、機械・工具販売、石油製品販売である。
 下降業種で特に多いのは、建設業である。

収益状況の動向は、前年同月比で好転9ポイント、悪化47ポイントでDI値はマイナス38ポイントとなり、前月のマイナス42ポイントに対し、4ポイントの改善の動きとなっている。
 DI値は、売上動向と同様に不安定な動きをしている。また、DI値の水準は、改善の動きが見られたものの、依然強いマイナスの値であり、極めて強い悪化傾向が続いている。
 収益状況が好転となったのは、米菓、製材、印刷、機械・工具販売、共同店舗(東濃)、広告美術、軽運送である。
 悪化業種が特に多いのは、食料品、繊維・同製品、機械・金属、商店街、建設業である。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転3ポイント、悪化32ポイントでDI値はマイナス29ポイントとなり、前月のマイナス27ポイントに対し、2ポイントの悪化となり、依然、厳しい状況である。特に、商店街、建設業で悪化傾向が強い。
[景況グラフを開く]

▲ページ上へもどる