平成17年3月 (平成17年3月末調査) |
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岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。
当制度に基づき、県内の主要業種85組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。
本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
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〔 1 〕3月の特色 |
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◆ 景況感悪化幅縮小・不安定な景況感続く
◆ 先行き不透明感が依然強い |
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〔 2 〕3月の概況 |
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当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転10ポイント、悪化41ポイントでDI値はマイナス31ポイントとなり、前月のマイナス35ポイントに対し、4ポイントの改善となっている。
景況感DI値は、4月以降、一進一退の状況が続いており、当月は先月に引き続き改善の動きとなっている。
改善の要因は、好転の微増とともに、業種別の景況感DI値が、小売業、商店街で前月水準よりもマイナス幅が縮小したことによるものであるが、景況感DI値の水準は依然として低く厳しい状況である。
他の主要な動向については、景況感DI値と同様に、水面下ではあるが、前月のDI値に対し改善の動きとなり、売上高4ポイント、収益動向1ポイントの改善の動きとなった。
金型、機械関係など一部業種にでている需要回復の動きは変わらないが、全体的には、需要低迷、企業間競争激化、低価格販売、収益悪化など厳しい経済環境が続いており、中小企業の現状は依然厳しい状況にある。
コメントの中には、原材料費、原油の高騰に伴う燃料費等の上昇による経費増を製品価格に全て転嫁できず、自社でのコスト吸収を余儀なくされるなど、厳しい状況が続いているため、景気の先行きに対する不安感を訴える声が多く出ており、中小企業の経営環境の悪化が懸念される。
前年同月比業況悪化が特に多い業種は、繊維・同製品、窯業・土石、建設業である。
前年同月比業況好転業種は、食肉、米菓、寒天水産、印刷、金型、機械・工具販売、家電機器販売、広告美術である。 |
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主な業種区分の業況概況 |
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食料品
前年同月比売上は、動向が分かれ米菓、寒天水産で増加、牛乳・乳製品、豆腐、食肉、製麺で低調横這い、菓子で減少となった。売上増加等により一部の業種に収益改善の動きが見られるが、全体では、低価格、低収益の依然厳しい状況が続いている。
繊維・同製品
織物等川上業種では、前年同月比売上は、全業種で減少となった。アパレル関連は、縫製で増加、紳士服で減少となっている。全体では、収益状況、景況感ともに悪化傾向が強く、業界は非常に厳しい状況が続いている。
木材・木製品
前年同月比売上は、低調横這い又は減少となっている。住宅産業の低迷の中、業界は依然厳しい状況が続いている。
紙・紙加工品、印刷、プラスチック
前年同月比売上は、家庭紙、印刷で増加、特殊紙、プラスチックで低調横這い、紙加工品で減少となった。売上増加となったプラスチックにおいても、原材料の値上げの影響等により収益は改善していない。
窯業・土石
陶磁器等では、前年同月比売上は、全般に低調横這い傾向となっている。その中で、陶磁器(輸出)は増加となった。また、石灰については堅調な動きが続いている。建設資材の土石では、前月に続き全業種が減少となった。全体では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く、依然厳しい状況が続いている。
機械・金属
前年同月比売上は、鋳物、メッキ、県金属工業団地、金型、輸送用機器で増加、刃物等金属製品(輸出、内需)で低調横這い、可児工業団地、電気機械器具で減少となった。9業種中5業種で売上が増加しているが、収益状況、景況感の改善は金型のみに留まっており、依然、景況の回復感は弱く厳しい状況にある。
各種物産品
前年同月比売上は、観光、ギフトともに減少となった。ギフトにおいては、長期に亘り主要指標の全てが悪化となる厳しい状況が続く強い業況悪化の動きがとなっている。
卸売業
前年同月比売上は、機械・工具販売で増加、総合卸売(飛騨)、電設資材で低調横這い、陶磁器産地卸で減少となった。消費需要の低迷により全体的に低迷が続いている。その中で、機械・工具販売は堅調に推移している。
小売業
前年同月比売上は、動向が分かれ、家電機器販売、石油製品販売で増加、青果、水産物、共同店舗(飛騨)で低調横這い、メガネ販売、共同店舗(東濃)、生花販売で減少となった。全般に消費需要の不振が続き苦しい業況となっている。
商店街
前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となっている。その中で、恵那市は増加となった。全般に収益状況、景況感に悪化傾向が強く厳しい状況が続いている。
サービス業
前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いとなっている。その中で、広告美術は増加となった。全体では、販売価格は上昇せず、収益の改善も見られず、景況は依然厳しい状況が続いている。
建設業
前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いとなっている。その中で、木製建具については増加となった。また、土木(飛騨地区)、土木・建築(羽島地区)、産直住宅において、主要指標が全て悪化となる厳しい状況となった。年度末需要による受注量の増加傾向が一部に見られたが、全般的には公共工事、民間工事とも依然低迷しており、厳しい状況が続いている。公共工事の早期発注の強い要望が出ている。
運輸業
前年同月比売上は、軽運送は低調横這い、貨物運送は減少となった。また、収益状況、景況感についても改善傾向は無く、厳しい状況となっている。 |
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主な調査項目での動向 |
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売上動向は、前年同月比で増加23ポイント、減少42ポイントでDI値はマイナス19ポイントとなり、前月のマイナス23ポイントに対し、4ポイントの改善となっている。
DI値は、昨年4月以降、一進一退の状況が続いている。今回は、前月に続き2ヶ月連続での改善の動きとなった。前月の動向との比較では、食料品、小売業、商店街に改善傾向が出ている。
前年同月比売上増加となったのは、米菓、寒天水産、既製服縫製、家庭紙、印刷、陶磁器(輸出)、石灰、機械・工具販売、家電機器販売、石油製品販売、恵那商店街、広告美術、木製建具である。
売上増加業種が特に多いのは、機械・金属である。
減少業種が特に多いのは、繊維・同製品、各種物産品製造、サービス業である。
販売価格の動向は、前年同月比で上昇6ポイント、下降26ポイントでDI値はマイナス20ポイントとなり、前月のマイナス17ポイントに対し、3ポイントの悪化の動きとなっている。
販売価格が上昇した業種は5業種のみであり、依然、販売価格の改善傾向は弱く、深刻な低価格販売、受注競争の激しさが続いていることが窺われる。
前年同月比販売価格が上昇したのは、食肉、プラスチック、鋳物、機械・工具販売、石油製品販売である。
下降業種で特に多いのは、建設業である。
収益状況の動向は、前年同月比で好転9ポイント、悪化46ポイントでDI値はマイナス37ポイントとなり、前月のマイナス38ポイントに対し、1ポイントの改善の動きとなっている。
DI値は、緩やかな改善傾向が見られるが、依然強いマイナスの値であり、強い悪化傾向が続いている。
収益状況が好転となったのは、米菓、寒天水産、印刷、金型、機械・工具販売、恵那商店街、広告美術である。
悪化業種が特に多いのは、繊維・同製品、建設業である。
資金繰りの動向は、前年同月比で好転6ポイント、悪化24ポイントでDI値はマイナス18ポイントとなり、前月のマイナス29ポイントに対し、11ポイントの大幅な改善ではあるが、依然、厳しい状況である。特に、商店街、建設業で悪化傾向が強い。 |
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