| 平成１７年５月 （平成１７年５月末調査） |
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岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度（政府指定事業）を実施しております。
当制度に基づき、県内の主要業種８５組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。
本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
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| 〔 １ 〕５月の特色 |
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◆ 景況感悪化幅は縮小するも依然低水準
◆ 先行き不透明感依然強い |
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| 〔 ２ 〕５月の概況 |
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当月の景気動向を前年同月比景況感ＤＩ値で見ると、好転１２ポイント、悪化３８ポイントでＤＩ値はマイナス２６ポイントとなり、前月のマイナス３７ポイントに対し、１１ポイントの大幅な改善となっている。
景況感ＤＩ値は、前月の悪化の動きとは反対に、再び改善となるなど、４月以降一進一退を繰り返す不安定な動きが続いている。
改善の要因は、卸売業等で前月水準よりも好転業種が増加したことに加え、機械・金属、商店街等で前月水準よりもマイナス幅が縮小したことによるものであるが、景況感ＤＩ値の水準は依然として低く厳しい状況である。
他の主要な動向については、景況感ＤＩ値と同様に、水面下ではあるが、前月のＤＩ値に対し改善の動きとなり、売上高１ポイント、販売価格２ポイント、収益動向２ポイントの改善の動きとなった。
金型、機械工具の設備投資関連など一部業種に出ている需要回復の動きには変わりはないが、全体的には、需要低迷、企業間競争激化、低価格販売、収益悪化など厳しい経済環境が続いている。
また、原材料費の上昇、原油の高騰に伴う石油製品、燃料費の上昇によるコスト増についても、一部に価格に転嫁できるようになった業種も見られるが、業者間競争や取引先の低価格要請により自社でのコスト吸収を余儀なくされるなど、厳しい状況が続いている。
コメントの中には、万博の入場者の増加にともない観光客、宿泊者が大幅に増加するなど、万博効果により好調という声がある一方、公共事業の縮小や消費の低迷など、依然、不透明感を訴える声が多く出ている。
前年同月比業況悪化が特に多い業種は、繊維・同製品、窯業・土石、建設業である。
前年同月比業況好転業種は、食肉、米菓、県金属工業団地、金型、電設資材、陶磁器卸、機械・工具販売、家電機器販売、大垣市商店街である。 |
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| 主な業種区分の業況概況 |
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食料品
前年同月比売上は、動向が分かれ食肉、米菓、製麺で増加、牛乳・乳製品、豆腐、菓子で低調横這い、寒天水産で減少となった。売上増加等により一部の業種に収益改善の動きが見られるが、全体では、低価格、低収益の依然厳しい状況が続いている。
繊維・同製品
織物等川上業種では、前年同月比売上は、低調横這い又は減少となった。アパレル関連は全業種で減少となっている。全体では、収益状況、景況感ともに悪化傾向が強く、業界は非常に厳しい状況が続いている。
木材・木製品
前年同月比売上は、低調横這い又は減少となっている。住宅産業の低迷の中、業界は依然厳しい状況が続いている。
紙・紙加工品、印刷、プラスチック
前年同月比売上は、プラスチックで増加、家庭紙、紙加工品、印刷で低調横這い、特殊紙で減少となった。売上増加となったプラスチックにおいても、収益は改善していない状況が続いている。
窯業・土石
陶磁器等では、前年同月比売上は、全般に低調横這い傾向となっている。その中で、陶磁器（輸出）は増加となった。また、石灰については堅調な動きが続いている。建設資材の土石では、生コンクリートで増加、砕石で減少となった。全体では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く、依然厳しい状況が続いている。
機械・金属
前年同月比売上は、メッキ、県金属工業団地、金型で増加、鋳物、刃物等金属製品（輸出、内需）で低調横這い、可児工業団地、電気機械器具、輸送用機器で減少となった。売上の増加している業種においても収益の回復感は弱く、全体としては、収益の悪化傾向が強まるなど厳しい状況にある。その中で、金型は全指標が増加となるなど堅調に推移している。
各種物産品
前年同月比売上は、観光、ギフトともに減少となった。ギフトにおいては依然、強い業況悪化の動きが続いている。
卸売業
前年同月比売上は、電設資材、機械・工具販売で増加、陶磁器産地卸で低調横這い、総合卸売（飛騨）で減少となった。消費需要の低迷により全体的に厳しい状況が続いている。その中で、機械・工具販売は堅調に推移している。
小売業
前年同月比売上は、動向が分かれ、家電機器販売、石油製品販売で増加、青果、水産物、生花販売で低調横這い、メガネ販売、共同店舗（東濃、飛騨）で減少となった。業界は、個人消費の低迷が続く苦しい状況が続いている。
商店街
前年同月比売上は、地域により動向が分かれ、大垣市、恵那で増加、岐阜市で低調横這い、多治見市、高山市は減少となった。万博効果により、来街者の増加傾向がでている商店街もあるが、全般に収益状況、景況感の回復感は弱く、商店街の不況感は依然強いものがある。
サービス業
前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いとなっている。その中で、自動車車体整備、長良川畔旅館は増加となった。全体的に需要停滞の中、景況は依然厳しい状況である。長良川畔旅館については、先月に続き万博効果により宿泊客が大幅に増加している。
建設業
前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いとなっている。その中で、電気工事、木製建具については増加となった。また、土木（飛騨地区）、土木・建築（羽島地区）において、主要指標が全て悪化となる厳しい状況となった。業界は、年度初めの公共工事端境期、民需の低迷により低水準の受注状況であるため、公共工事の早期発注の強い要望が出ている。
運輸業
前年同月比売上について、貨物運送は低調横這い、軽運送は減少となった。また、収益状況、景況感についても改善傾向は無く、厳しい状況となっている。 |
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| 主な調査項目での動向 |
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売上動向は、前年同月比で増加２４ポイント、減少３８ポイントでＤＩ値はマイナス１４ポイントとなり、前月のマイナス１５ポイントに対し、１ポイントの改善となっている。
ＤＩ値は、売上動向のＤＩ値は、前月に続き４ヶ月連続での改善の動きとなった。前月の動向との比較では、建設業に改善傾向が出ている。
前年同月比売上増加となったのは、食肉、米菓、製麺、プラスチック、陶磁器（輸出）、石灰、生コンクリート、メッキ、県金属工業団地、金型、電設資材、機械・工具販売、家電機器販売、石油製品販売、大垣市商店街、恵那商店街、自動車車体整備、長良川畔旅館、電気工事、木製建具である。
減少業種が特に多いのは、繊維・同製品、各種物産品製造、建設業である。
販売価格の動向は、前年同月比で上昇９ポイント、下降１７ポイントでＤＩ値はマイナス８ポイントとなり、前月のマイナス１３ポイントに対し、５ポイントの改善の動きとなっている。
販売価格の上昇した業種は前月より１業種減少し７業種となったが、全般にマイナス幅の下降業種も減少しているために改善の動きとなった。
前年同月比販売価格が上昇したのは、食肉、プラスチック、鋳物、金型、機械・工具販売、石油製品販売である。
収益状況の動向は、前年同月比で好転７ポイント、悪化４３ポイントでＤＩ値はマイナス３６ポイントとなり、前月のマイナス４０ポイントに対し、４ポイントの改善の動きとなっている。
ＤＩ値は、緩やかな改善傾向が見られるが、依然強いマイナスの値であり、強い悪化傾向が続いている。
収益状況が好転となったのは、米菓、金型、陶磁器産地卸、機械・工具販売、大垣市商店街、長良川畔旅館である。
悪化業種が特に多いのは、繊維・同製品、窯業・土石、機械・金属業、各種物産品、建設業である。
資金繰りの動向は、前年同月比で好転２ポイント、悪化２０ポイントでＤＩ値はマイナス１８ポイントと前月のマイナス１９ポイントに対し、１ポイントの改善となった。しかし、依然ＤＩ値の水準は低く、厳しい状況に変わりはない。特に、建設業で悪化傾向が強い。 |
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