平成17年10月 (平成17年10月末調査) |
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岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。
当制度に基づき、県内の主要業種85組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。
本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
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〔 1 〕10月の特色 |
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◆ 景況感停滞続く
◆ 売上高DI値大きく減少
◆ 原材料、原油高等の影響により先行き不安感が依然強い |
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〔 2 〕10月の概況 |
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当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転11、悪化28でDI値はマイナス17となり、前月のマイナス18に対し1ポイントの改善となっている。
景況感DI値は、6ヶ月連続の改善の動きとなった。改善の動きではあるが、悪化業種の割合も増加しており、実感の伴わない改善となっている。
他の主要な動向については、それぞれ前月の動向に対し、売上高DI値は逆に10ポイント悪化、販売価格DI値5ポイント改善、収益状況DI値2ポイント改善の動きとなった。
売上高DI値は、前月まで8ヶ月連続での改善の動きであったが、今回はマイナス9となり、前月のプラス1に対し大幅な悪化であり、今後の動向を注視すべきである。
また、販売価格DI値は、マイナス1となり、前月のマイナス6に対し大きく改善しているが、改善の要因は、悪化から不変への変化によるものが大きい。販売価格下降の底打ち傾向が見られる。
しかし、原材料費の上昇、原油の高騰に伴う燃料費や石油製品の価格上昇などによるコスト増は非常に大きく、一部に価格転嫁への理解が得られた業種も見られるが、多くの業種では、自社でのコスト吸収を強いられるため、収益面は依然として厳しい状況が続いている。そのため、景気の先行きに対して不安感を訴える声が多く出ており、中小企業の経営環境の悪化が懸念される。
金型、機械関係等の業種に出ている業況回復の動きは継続しているが、全体的には、小ロット生産、短納期受注、企業間競争の激化、低収益の厳しい状態が続いている。
前年同月比業況悪化が特に多い業種は、建設業である。
前年同月比業況好転業種は、食肉、米菓、製材、メッキ、県金属工業団地、金型、輸送用機器、機械・工具販売、高山旅館である。
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主な業種区分の業況概況 |
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食料品
前年同月比売上は、動向が分かれ米菓、寒天水産で増加、牛乳・乳製品、食肉、製麺で低調横這い、豆腐、菓子で減少となった。収益状況については、好転の米菓、低調横這いの牛乳・乳製品を除き、全て悪化となるなど依然厳しい業況が続いている。
繊維・同製品
前年同月比売上は、織物等川上業種、アパレル関連共に減少又は低調横這いとなった。全体では、収益状況、景況感ともに回復傾向はなく、業界は、依然厳しい状況が続いている。
木材・木製品
前年同月比売上は、製材、銘木で増加、集成材、家具(飛騨地区)、東濃ひのきで低調横這いとなった。住宅産業の低迷の中、業界は依然厳しい業況が続いている。その中で、製材においては堅調な動きとなった。
紙・紙加工品、印刷、プラスチック
前年同月比売上はプラスチックで増加、特殊紙、印刷で低調横這い、家庭紙、紙加工品で減少となった。売上が増加したプラスチックにおいても原材料の値上げが実施され、今後の動向が懸念される。
窯業・土石
前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となっている。その中で、陶磁器(輸出)は増加となった。堅調であった石灰に一服感がでている。建設資材の土石では、生コンクリートで増加、砕石、砂利で減少となった。全体では、収益状況に悪化傾向が強く、景況感に改善傾向は無いなど依然厳しい状況が続いている。
機械・金属
刃物等金属製品(内需)、メッキ、県金属工業団地、電気機械器具で増加、可児工業団地、金型で堅調推移、鋳物、刃物等金属製品(輸出)で低調横這い、輸送用機器で減少となった。業界は、需要回復傾向であるが、原材料等の高騰により受注量に比べ収益の伸びが弱い状況にある。
各種物産品 前年同月比売上は、ギフトで増加、観光物産で減少となった。収益状況、景況感はどちらも改善傾向は無く、依然厳しい状況が続いている。
卸売業
前年同月比売上は、機械・工具販売で増加、総合卸売(飛騨)で低調横這い、電設資材卸、陶磁器産地卸で減少となった。消費需要の低迷が続く中、全体的に厳しい状況が続いている。その中で、機械・工具販売は堅調に推移している。
小売業
前年同月比売上は動向が分かれ、石油製品販売、共同店舗(東濃)で増加、水産物商業、家電機器販売、メガネ販売、中古自動車販売、共同店舗(飛騨)で低調横這い、青果販売、生花販売で減少となった。業界は、消費需要の低迷、低価格志向、企業間競争等の収益圧迫要因も強く、厳しい業況が続いている。
商店街
前年同月比売上は、低調横這い又は減少となっている。収益状況、景況感に回復傾向はなく、商店街の不況感は強く厳しい状況が続いている。
サービス業
前年同月比売上は動向が分かれ、高山旅館、理容・美容業で増加、下呂温泉、広告美術、情報サービス業、映像制作、飲食業、ビルメンテナンスで低調横這い、自動車車体整備、自動車タイヤ整備、長良川畔旅館、クリーニングで減少となった。全体では、販売価格は上昇せず、収益状況の改善も見られず、景況は依然厳しい状況が続いている。
建設業
前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いとなっている。その中で、電気工事については増加となった。土木(岐阜地区、飛騨地区)、土木・建築(羽島地区)において、主要指標の悪化傾向が強く厳しい状況が続いている。業界は、公共工事の発注量の減少、厳しい受注状況等により収益状況、業況感悪化が続き、資金繰りも悪化傾向が強まっている。
運輸業
前年同月比売上について、貨物運送で増加、軽運送で減少となった。貨物運送は、組合員の増加により、全体の取扱量も増加となった。
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主な調査項目での動向 |
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売上動向は、前年同月比で増加22、減少31でDI値はマイナス9となり、前月のプラス1に対し、10ポイントの大幅な悪化の動きとなっている。
DI値は、前月まで8ヶ月連続での改善の動きであったが、今回は、サービス業を中心に反対に大幅な悪化となるなど、今後の推移を見守る必要がある。
前年同月比売上増加となったのは、米菓、寒天水産、製材、銘木、プラスチック、陶磁器(輸出)、生コンクリート、刃物等金属製品(内需)、メッキ、県金属工業団地、電気機械器具、各種物産品(ギフト)、機械・工具販売、石油製品販売、共同店舗(東濃)、高山旅館、理容・美容業、電気工事、貨物運送である。
販売価格の動向は、前年同月比で上昇12、下降13でDI値はマイナス1となり、前月のマイナス6に対し、5ポイントの改善の動きとなっている。
販売価格の上昇した業種は10業種と前月と同数であるが、下降業種が減少し、不変の業種が増えたことによる改善である。
前年同月比販売価格が上昇したのは、食肉、寒天水産、銘木、プラスチック、生コンクリート、鋳物、メッキ、金型、機械・工具販売、石油製品販売である。
収益状況の動向は、前年同月比で好転9、悪化38でDI値はマイナス29となり、前月のマイナス31に対し、2ポイントの改善の動きとなっている。
DI値は、緩やかな改善傾向が見られるが、依然強いマイナスの値であり、厳しい状況が続いている。
収益状況が好転となったのは、米菓、製材、プラスチック、県金属工業団地、金型、輸送用機器、機械・工具販売、共同店舗(東濃)である。
悪化業種が特に多いのは、食料品、窯業・土石、建設業である。
資金繰りの動向は、前年同月比で好転7、悪化19でDI値はマイナス12となり、前月のマイナス13に対し、1ポイントの改善であるが、依然、厳しい状況である。特に建設業で悪化傾向が強い。 |
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