調査レポート
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景気動向調査
 平成18年1月  (平成18年1月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち84名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕1月の特色
◆ 景況感、売上高、収益状況のDI値大きく悪化し、景況が後退している
◆ 原材料価格上昇の影響が依然厳しい
  〔 2 〕1月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転8、悪化29でDI値はマイナス21となり、前月のマイナス16に対し、5ポイントの悪化となっている。

 景況感DI値は、4月以降、緩やかな改善の動きが続いた。しかし、当月は、前月に続き2ヶ月連続の悪化、再びマイナス20ポイント台となり景況悪化の動きとなっている。悪化要因は、好転の減少によるものである。

 他の主要な動向については、それぞれ前月の動向に対し、売上高DI値18ポイントの悪化、販売価格DI値1ポイントの改善、収益状況DI値13ポイント悪化の動きとなった。
 売上高DI値、収益状況DI値については、前月までの改善の動きとは反対に、10ポイント以上の大きな悪化の動きとなり、今後の動向を注視する必要がある。

 金型、機械関係等の業種に出ている業況回復の動きが続いているが、他の業種では、企業間競争激化、低価格要請、収益悪化などが続く厳しい環境にある。

 また、コメントの中には、一部に業況は好調との声があるが、公共工事の縮小、原油、原材料価格の高騰によるコストアップ、製品価格への転嫁難による収益悪化、先行き不安など、企業マインドの低下を指摘する意見が多く、中小企業の景況は依然厳しく、景気の先行きは楽観できない状況にある。

 前年同月比業況悪化が特に多い業種は、商店街、建設業である。

 前年同月比業況好転業種は、寒天水産、県金属工業団地、金型、輸送用機器、機械・工具販売、長良川畔旅館、軽運送である。
  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は、動向が分かれ寒天水産で増加、牛乳・乳製品、豆腐、菓子で低調横這い、食肉、米菓、製麺で減少となった。全般に収益状況、景況感の回復傾向は弱く、依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品
 織物等川上業種では、前年同月比売上は、低調横這い又は減少となった。アパレル関連は、紳士服、縫製で増加、婦人・子供服で減少となった。全体では、収益状況の悪化傾向が強く、厳しい状況が続いている。

木材・木製品
 前年同月比売上は、低調横這い又は減少となっている。多くの業種で大雪の影響による出材難等により前年同月比売上は減少となっている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は印刷、プラスチックで増加、特殊紙で低調横這い、家庭紙、紙加工品で減少となった。売上が増加した業種においても、原材料の値上げ等の影響により収益状況は悪化するなど、厳しい状況である。

窯業・土石
 前年同月比売上は、全般に低調横這いとなっている。石灰は減少となった。建設資材の土石では、砂利で低調横這い、生コンクリート、砕石で減少となった。全体では、収益状況、景況感に改善傾向は無く、依然厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、鋳物、メッキ、県金属工業団地で増加、金型で堅調推移、刃物等金属製品(輸出)、可児工業団地、電気機械器具、輸送用機器で横這い、刃物等金属製品(内需)で減少となった。業界は、需要回復傾向にあるが、原油価格、原材料等の上昇分の販売価格への転嫁が困難であるため、収益の伸びが弱い状況にある。

各種物産品
 前年同月比売上は、観光物産、ギフトともに減少となった。収益状況も悪化となるなど依然、強い業況悪化の動きが続いている。

卸売業
 前年同月比売上は、機械・工具販売で増加、電設資材卸、陶磁器産地卸で低調横這い、総合卸売(飛騨)で減少となった。消費需要の低迷が続く中、全体的に厳しい状況が続いている。その中で、機械・工具販売は堅調に推移している。

小売業
 前年同月比売上は動向が分かれ、家電機器販売、石油製品販売、共同店舗(東濃)で増加、青果販売、水産物商業、メガネ販売、生花販売で低調横這い、中古自動車販売、共同店舗(飛騨)で減少となった。全体では、収益状況、景況感の回復感は弱く、また、売上の増加が収益の改善には結び付かない状況が続いている。

商店街
 前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となっている。先月に続き、降雪の影響等により、来街者の減少の影響が出ている。

サービス業
 前年同月比売上は動向が分かれ、自動車車体整備、長良川畔旅館、理容・美容業で増加、高山旅館、クリーニング、広告美術、情報サービス業、映像制作、飲食業、ビルメンテナンスで低調横這い、自動車タイヤ整備、下呂温泉で減少となった。全体では、販売価格は上昇せず、収益状況の回復感も弱く、景況は依然厳しい状況が続いている。

建設業
 前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いとなっている。その中で、木製建具については増加となった。土木(岐阜地区、飛騨地区)、土木・建築(羽島地区)においては依然、主要指標の悪化傾向が強く厳しい状況である。業界は、公共工事の発注量の減少、激しい企業間競争等、厳しい受注状況により収益状況、景況感悪化が続く厳しい状況である。

運輸業
 前年同月比売上は、前月に続き貨物運送、軽運送ともに増加となった。軽運送については、先月に続き、売上、収益ともに増加となった。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加21、減少36でDI値はマイナス15となり、前月のプラス3に対し、18ポイントの大幅な減少となっている。
 DI値は、前月まで2ヶ月連続での改善の動きであったが、今回は、木材・木製品、紙・紙加工品等の製造業を中心に悪化傾向が出ている。
 売上増加業種が他に比べて多いのは、機械・金属業、運送業である。その他の増加となったのは、寒天水産、紳士服、縫製、印刷等12業種である。
 減少業種が多いのは、木材・木製品、紙・紙加工品、各種物産品、商店街である。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇10、下降14でDI値はマイナス4となり、前月のマイナス5に対し、1ポイントの改善の動きとなっている。
 販売価格が上昇した業種は、前月より3業種減少したが、それ以上に下降業種が減少したことが要因である。
 前年同月比販売価格が上昇したのは、寒天水産、プラスチック、タイル、生コンクリート、鋳物、機械・工具販売、青果販売、石油製品販売である。

収益状況の動向は、前年同月比で好転8、悪化47でDI値はマイナス39となり、前月のマイナス26に対し、13ポイントの大幅な悪化の動きとなっている。
 DI値は、売上動向と同様に不安定な動きをしている。また、DI値の水準は、強いマイナスの値であり、極めて強い悪化傾向となっている。
 収益状況が好転となったのは、米菓、県金属工業団地、輸送用機器、機械・工具販売、共同店舗(東濃)、長良川畔旅館、軽運送である。
 悪化業種が多いのは、繊維・同製品、木材・木製品、窯業・土石、各種物産品、卸売業、商店街、建設業である。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転5、悪化25でDI値はマイナス20となり、前月のマイナス19に対し、1ポイントの悪化となり依然、厳しい状況である。特に、建設業で悪化傾向が強い。
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