調査レポート
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景気動向調査
 平成18年2月  (平成18年2月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕2月の特色
◆ 景況感動向、概ね横這い
◆ 収益状況、販売条件に改善の動きが出ている
  〔 2 〕2月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転7、悪化26でDI値はマイナス19となり、前月のマイナス21に対し、2ポイントの改善となっている。

 景況感DI値は、7ヶ月連続の改善の後、直近2ヶ月は連続の悪化となり、当月再び改善となるなど、足踏み状態となっている。改善の要因は、好転の増加ではなく、悪化から不変への変化によるものである。

 他の主要な動向については、前月のDI値に対し改善の動きとなり、売上高DI値7ポイント、販売価格DI値4ポイント、収益状況DI値10ポイント、販売条件DI値8ポイントの改善、前月の大きな悪化の動きとは反対に、比較的大きな改善の動きとなった。しかし、売上高DI値(マイナス8)、収益状況DI値(マイナス29)ともに水面下での改善であり、また、改善の要因は景況感DI値と同様に、悪化から不変への変化による要因が大きく、回復の動きとしては十分ではない状況にある。

 機械関係業種の業況は引き続き好調であるが、他の業種では、企業間競争の激化、取引先からの低価格要請、低収益など厳しい経営環境は変わらず、中小企業の現状は依然厳しい状況にある。

 また、コメントの中には、機械関係の一部の業種に業況は回復傾向との声があるが、公共事業の縮小、消費低迷など厳しい経営状況の指摘、特に、石油系原材料・燃料の価格上昇、製品価格への転嫁難の意見が多い。このため、中小企業における景況の実感は依然厳しく、今後の動向を注視する必要がある。

 前年同月比業況悪化が特に多い業種は、繊維・同製品、各種物産品製造、商店街である。

 前年同月比業況好転業種は、米菓、縫製、県金属工業団地、輸送用機器、機械・工具販売、軽運送である。
  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は動向が分かれ、米菓、寒天水産で増加、牛乳・乳製品、豆腐、菓子で低調横這い、食肉、製麺で減少となった。売上増加となった業種においても低価格のため収益状況に改善傾向は無く、反対に悪化している業種があるなど依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品
 織物等川上業種では、前年同月比売上は、低調横這い又は減少となった。アパレル関連は、縫製で増加、紳士服で低調横這い、婦人・子供服で減少となった。全体では、収益状況、景況感の回復傾向は弱く、厳しい状況が続いている。

木材・木製品
 前年同月比売上は、低調横這い又は減少となっている。その中で、銘木は増加となった。住宅産業の低迷の中、業界は厳しい状況が続いている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は印刷、プラスチックで増加、家庭紙、特殊紙で低調横這い、紙加工品で減少となった。売上が増加した業種においても、原材料の値上げの影響等により収益状況は、逆に悪化するなど、厳しい状況である。

窯業・土石
 前年同月比売上は、全般に低調横這いとなっている。石灰は前月に続き減少となった。建設資材の土石では、生コンクリート、砂利で低調横這い、砕石で減少となった。全体では、収益状況、景況感に改善傾向は無く、依然厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、鋳物、刃物等金属製品(内需)、メッキ、県金属工業団地、可児工業団地、電気機械器具、輸送用機器で増加、刃物等金属製品(輸出)で横這い、金型で減少となった。業界は、需要回復傾向にあるが、原材料等の価格上昇分の販売価格への転嫁が進んでいないため、収益の回復が弱い状況にある。

各種物産品
 前年同月比売上は、観光物産品で低調横這い、ギフトで減少となった。両業種とも収益状況、景況感ともに悪化となるなど依然、強い業況悪化の動きが続いている。

卸売業
 前年同月比売上は、機械・工具販売で増加、総合卸売(飛騨)で低調横這い、電設資材卸、陶磁器産地卸で減少となった。需要低迷が続く中、全体的に厳しい状況が続いている。その中で、機械・工具販売は堅調に推移している。

小売業
 前年同月比売上は動向が分かれ、石油製品販売、共同店舗(東濃)、生花販売で増加、青果販売、水産物商業、家電機器販売、中古自動車販売で低調横這い、メガネ販売、共同店舗(飛騨)で減少となった。依然、消費需要は低迷を続けており、また、低価格志向、競争激化等の収益圧迫要因も強く、厳しい業況が続いている。

商店街
 前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となっている。また、収益状況、景況感に悪化傾向が強く厳しい状況となっている。

サービス業
 前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となっている。その中で、理容・美容業は増加となった。全体では、販売価格、収益状況の回復傾向も弱く、景況は依然厳しい状況が続いている。

建設業
 前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いとなっている。土木(岐阜地区、飛騨地区)、土木・建築(羽島地区)においては依然、主要指標の悪化傾向が強く厳しい状況である。業界は、年度末を間近に控え、公共工事施行のピークを迎える時期であるが、発注量が前年を下回っており、厳しい業況悪化の動きが続いている。引続き工事の早期発注の要望が強い。

運輸業
 前年同月比売上は、引続き貨物運送、軽運送ともに増加となった。軽運送については、先月に続き、売上、収益ともに増加となった。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加23、減少31でDI値はマイナス8となり、前月のマイナス15に対し、7ポイントの大幅な改善となっている。
 DI値は、前月の大幅な減少の動きに対して、今回は、大幅な改善となるなど、8月以降一進一退の状況が続いている。業種別では、機械・金属等に改善傾向が出ている。
 売上増加業種が他に比べて多いのは、機械・金属業、運送業である。その他業種で増加となったのは、米菓、寒天水産、縫製、銘木等13業種である。
 減少業種が多いのは、繊維・同製品、商店街である。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇11、下降11でDI値は0となり、前月のマイナス4に対し、4ポイントの改善の動きとなっている。
 販売価格の上昇した業種は前月より1業種が増加。また、下降業種も減少したために改善の動きとなった。
 前年同月比販売価格が上昇したのは、寒天水産、縫製、銘木、プラスチック、生コンクリート等9業種である。

収益状況の動向は、前年同月比で好転9、悪化38でDI値はマイナス29となり、前月のマイナス39に対し、10ポイントの大幅な改善の動きとなっている。
 DI値は、売上動向と同様に不安定な動きをしている。また、DI値の水準は、改善は見られるものの、依然強いマイナスの値であり、悪化傾向が続いている。
 収益状況が好転となったのは、米菓、縫製、銘木、県金属工業団地、輸送用機器等8業種である。
 悪化業種が多いのは、食料品、各種物産品、卸売業、商店街、建設業である。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転6、悪化15でDI値はマイナス9となり、前月のマイナス20に対し、11ポイントの大幅な改善となった。しかし、依然、水面下にあり、特に、商店街で悪化傾向が強い。
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