調査レポート
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景気動向調査
 平成18年8月  (平成18年8月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち83名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕8月の特色
◆ 景況感4ヶ月ぶりに改善、悪化止まる
◆ 主要指標も前月の大幅減少が回復
  〔 2 〕8月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転6、悪化37でDI値はマイナス31となり、前月のマイナス34に対し、3ポイントの改善となっている。4ヶ月連続の悪化の後、緩やかな改善の動きとなった。

 他の主要な調査項目のDI値は、売上高マイナス15で、前月比13ポイント、販売価格プラス4で、前月比7ポイント、収益状況マイナス26で、前月比14ポイントとそれぞれ大幅な改善の動きとなった。特に、販売価格DI値はプラスに転じ、好転となっている。改善要因は、売上高DI値、販売価格DI値、収益状況DI値ともに悪化から不変への変化による要因が大きく、前月の大きく下降した動向に対する反動の形となっている。

 業種別に景況動向として、特徴的なものとしてあげられるものは、概ね前月と同様、一般機械、輸送用機器の堅調持続、建設では厳しい状況が続いていることである。

 コメントによれば、業況の低迷要因として、原油価格上昇による原材料費、燃料費の上昇と価格転嫁難の収益圧迫を指摘する意見が依然強く、一部に価格転嫁への理解が得られた業種も見られるが、多くの業種では、収益面は依然として厳しい状況が続いている。
 前年同月比業況悪化が特に多い業種は、食料品、紙・加工品、各種物産品、商店街、建設業、運輸業である。
 前年同月比業況好転業種は、金型、電気機械器具、輸送用機器、機械・工具販売、鉄構造物である。
  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となった。その中で、食肉は増加となった。全般に収益状況、景況感の悪化傾向は強く、依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品

 織物等川上業種では、前年同月比売上は全般に低調横這いとなった。アパレル関連は、紳士服、縫製で減少となった。全体では、収益状況、景況感ともに回復の動きはなく、業界は依然、厳しい状況が続いている。

木材・木製品

 前年同月比売上は、全体的に低調横這い又は減少となっている。その中で、銘木は増加となった。戸建木造住宅の建設不振の中、業界は非常に厳しい状況である。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は、低調横這い又は減少となった。その中で、家庭紙は増加となった。全般的に景況感悪化の傾向が強い厳しい状況である。

窯業・土石
 前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となっている。石灰は減少傾向となった。建設資材の土石では、生コンクリート、砂利で低調横這い、砕石で減少となった。全体では、収益状況、景況感に改善傾向は無く、依然厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、メッキ、可児工業団地、輸送用機器で増加、鋳物、刃物等金属製品(輸出、内需)、県金属工業団地、金型、電気機械器具で堅調が続いた。業界は、活発な生産活動が続いているが、原材料等の価格上昇が続き、そのコストアップを価格に転嫁できないため、収益を圧迫、収益の回復力が弱いことが問題である。

各種物産品

 前年同月比売上は、観光物産品で増加、ギフトで減少となった。ギフトにおいては、依然、強い業況悪化の動きが続いている。

卸売業
 前年同月比売上は、機械・工具販売で増加、医薬品卸、電設資材卸で横這い、陶磁器産地卸で減少となった。需要低迷が続く中、全体的に厳しい状況が続いている。その中で、機械・工具販売は依然堅調に推移している。

小売業
 前年同月比売上は動向が分かれ、メガネ販売、石油製品販売で増加、青果販売、水産物商業、家電機器販売、共同店舗(飛騨)、生花販売で低調横這い、中古自動車販売、共同店舗(東濃)で減少となった。業界は、消費需要の低迷に加え、低価格志向、競争激化等の収益圧迫要因も強く、厳しい業況となっている。

商店街
 前年同月比売上は、低調横這い又は減少となっている。収益状況、景況感に悪化傾向が強く厳しい状況となっている。
サービス業
 前年同月比売上は理容・美容業で増加、長良川畔旅館で減少、その他は低調横這いで推移した。全体の景況は、販売価格、収益状況等ほぼ横這いの状況となっている。

建設業
 前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いとなっている。その中で、鉄構造物については増加となった。土木(岐阜地区、飛騨地区)においては、主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。業界は、公共工事の発注量の減少、激しい企業間競争等、厳しい受注状況により収益状況、景況感悪化が続く厳しい状況である。

運輸業
 前年同月比売上は、貨物運送で横這い、軽運送で減少となった。軽運送については、前月に続き主要指標の悪化傾向が強く、厳しい状況となった。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加14、減少29でDI値はマイナス15となり、前月のマイナス28に対し、13ポイントの大幅な改善の動きとなっている。
 DI値は、前月の大幅な減少の動きに対して、今回は、大幅な改善となるなど、不安定な状況が続いている。前月の動向との比較では、サービス業等に改善傾向が出ている。
 売上増加となったのは、食肉、銘木、家庭紙等12業種である。
 減少業種が多いのは、建設業である。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇14、下降11でDI値はプラス3となり、前月のマイナス4に対し、7ポイントの改善の動きとなっている。
 DI値は、平成12年4月からの前年同月比での調査となって以来初めてプラスに転じる大きな改善の動きとなった。前月の動向との比較では、木材・木製品、紙、紙加工品に好転傾向が出ている。
 前年同月比販売価格が上昇したのは、寒天水産、銘木、東濃ひのき等12業種である。
 減少業種が多いのは、建設業である。

収益状況の動向は、前年同月比で好転11、悪化36でDI値はマイナス25となり、前月のマイナス39に対し、14ポイントの大幅な改善の動きとなっている。
 DI値は、前月の大きな動きとは反対に、水面下の比較的大きな改善の動きとなった。
 収益状況が好転となったのは、食肉、米菓、家庭紙等9業種である。
 悪化業種が特に多いのは、食料品、建設業である。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転4、悪化23でDI値はマイナス19となり、前月のマイナス18に対し、1ポイントの悪化となり依然、厳しい状況である。特に、商店街、建設業で悪化傾向が強い。
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