調査レポート
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景気動向調査
 平成18年11月  (平成18年11月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち83名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕11月の特色
◆ 景況感が大きく後退
◆ 依然、原材料価格上昇の影響が大
◆ 機械・金属の堅調が続く
  〔 2 〕11月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転6、悪化33でDI値はマイナス27となり、前月のマイナス14に対し、13ポイントの悪化となっている。
 景況感DI値は、7月以降改善傾向が続く持ち直しの動きであったが、当月は大幅な悪化、再びマイナス20ポイント台となり、景況感が大きく後退した。悪化の要因は、悪化の12ポイント増によるものである。

 他の主要な動向についても、それぞれ前月の動向に対し、売上高DI値は14ポイント悪化、販売価格DI値4ポイント改善、収益状況DI値7ポイント悪化の動きとなった。
 売上高DI値は、前月まで3ヶ月連続での改善の動きであったが、今回はマイナス14となり、前月の0に対し大幅な悪化であり、今後の動向を注視すべきである。

 業種別の特徴的なものとしては、堅調の持続している、機械・金属の中で、電気機械器具、輸送用機器の好調持続と、商店街、建設で厳しい状況が続いていることである。また、長期間堅調を持続していた、金型に需要減少の動きがでている。

 コメントでは、依然、原材料価格等の値上りによるコスト増と価格転嫁難による収益面への影響を指摘する意見が多くの業種からでている。

 前年同月比業況悪化が特に多い業種は、紙・紙加工品、商店街、建設業である。
 前年同月比業況好転業種は、食肉、米菓、電気機械器具、輸送用機器、広告美術である。

  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。その中で、食肉は増加となった。全般に収益状況、景況感の回復傾向は弱く、依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品

 織物等川上業種では、前年同月比売上は全般に横這い又は減少となった。アパレル関連は、紳士服、縫製で減少となった。全体では、収益状況、景況感ともに回復はなく、依然、厳しい状況が続いている。

木材・木製品

 前年同月比売上は、製材、銘木、東濃ひのきで増加、集成材で横這いとなった。売上の増加した業種においても、収益の改善は弱く、景況は依然厳しい状況にある。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は、横這いとなった。全業種で、収益状況が悪化となり、景況感も改善傾向のない厳しい状況である。

窯業・土石
 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となっている。石灰は堅調横這いとなった。建設資材では、生コンクリート、砂利で横這い、砕石で減少となった。全体では、収益状況、景況感に改善傾向も無く、依然厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、鋳物、電気機械器具、輸送用機器で増加、刃物等金属製品(輸出、内需)、メッキ、県金属工業団地、金型で横這い、可児工業団地で減少となった。堅調であった金型に受注減少の動きがでている。

各種物産品

 前年同月比売上は、観光物産品で増加、ギフトで減少となった。ギフトにおいては、依然、強い業況悪化の動きが続いている。
卸売業
 前年同月比売上は、医薬品卸、電設資材卸、陶磁器産地卸で横這い、機械・工具販売で減少となった。機械・工具販売は、特に好調であった昨年11月との比較による減少で、実質的には好調が続いている。

小売業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。その中で、石油製品販売は増加となった。消費需要は、依然低迷を続けており、また、低価格志向、競争激化等の収益圧迫要因も強く、厳しい業況が続いている。

商店街

 前年同月比売上は、横這い又は減少となっている。5商店街の中で、4商店街が景況悪化となる強い景況悪化の動きとなっている。

サービス業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となっている。その中で、広告美術は増加となった。全体では、販売価格、収益状況、景況感等ほぼ横這いの状況となっている。
建設業
 前年同月比売上は、横這い又は減少となっている。その中で、土木・建築(羽島地区)については増加となった。土木(岐阜地区、飛騨地区)、産直住宅においては、主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。業界は、公共工事の発注量の減少、激しい企業間競争等、厳しい受注状況により収益状況、景況感の悪化傾向が強く厳しい状況である。

運輸業

 前年同月比売上について、軽運送は増加、貨物運送は減少となった。軽運送は、売上、収益が改善となったが、景況感等業況の改善には至っていない。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加14、減少28でDI値はマイナス14となり、前月の0に対し、14ポイントの大幅な悪化となっている。
 DI値は、前月まで3ヶ月連続での改善の動きであったが、反転した。特に、繊維・同製品、機械・金属、建設業等に悪化傾向が出ている。
 売上増加が他に比べて多いのは、木材・木製品で、4業種中3業種が改善となっている。その他の業種で増加となったのは、食肉、鋳物、電器機械器具等9業種である。
 減少回答が特に多いのは、商店街である。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇12、下降18でDI値はマイナス6となり、前月のマイナス10に対し、4ポイントの改善の動きとなっている。
 前月まで2ヶ月連続での悪化の動きであったが、今回は、反対に改善の動きとなった。前月の動向との比較では、木材・木製品等に改善傾向が出ている。
 前年同月比販売価格が上昇したのは、食肉、寒天水産、製麺等10業種である。
 下降業種が特に多いのは、建設業である。

収益状況の動向は、前年同月比で好転8、悪化39でDI値はマイナス31となり、前月のマイナス24に対し、7ポイントの悪化の動きとなっている。
 原材料価格の高騰の影響により、売上が増加している業種についても収益の改善は見られない業種が多く、容易に収益が改善しない状況が続いている。
 収益状況が好転となったのは、米菓、銘木、電器機械器具等7業種である。
 悪化業種が特に多いのは、紙・紙加工品、商店街、建設業である。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転5、悪化22でDI値はマイナス17となり、前月のマイナス13に対し、4ポイントの悪化となっている。特に、建設業で悪化傾向が強い。
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