調査レポート
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景気動向調査
 平成18年12月  (平成18年12月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち83名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕12月の特色
◆ 景況感停滞
◆ 暖冬により冬物需要低調
  〔 2 〕12月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転6、悪化34でDI値はマイナス28となり、前月のマイナス27に対し、1ポイントの悪化と、概ね横這いの低迷が続いている。
 景況感DI値は、7月以降改善傾向が続く持ち直しの動きの後、前月は大きな悪化、当月は概ね横這いとなり今後の推移が懸念される。
 他の主要な動向については、売上高DI値はマイナス12で2ポイントの改善、販売価格DI値はマイナス7、収益状況DI値はマイナス32でともに前月と比べ1ポイントの悪化となり、足踏みの動きとなった。
 業種別の業況概況をみると、概ね前月と同様、堅調を持続している機械・金属の中で、輸送用機器が好調を持続しているが、商店街、建設では厳しい状況が続いている。
 コメントでは、業況の低迷要因として、依然、原材料価格等の値上りによるコスト増と価格転嫁難を指摘する意見が多くの業種から出ている。さらに、今月は、暖冬の影響により、アパレル、小売等で冬物需要が低調推移との指摘が多い。
 前年同月比業況悪化が特に多い業種区分は、紙・紙加工品、各種物産品製造、商店街、建設業である。
 前年同月比業況好転業種は、食肉、米菓、輸送用機器、水産物商業、広告美術である。


  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は、動向が分れ食肉、菓子、米菓で増加、牛乳・乳製品、豆腐で横這い、寒天水産、製麺で減少となった。売上、販売価格の好転の動きがあるが、収益状況は悪化の動きとなり、業況判断が難しい状況にある。

繊維・同製品

 織物等川上業種では、前年同月比売上、収益状況、景況感等横這いの状況となっている。アパレル関連は、紳士服に売上増加、収益改善の動きがあるが、縫製は悪化傾向となっている。

木材・木製品

 前年同月比売上は、動向が分れ製材、東濃ひのきで増加、集成材で横這い、銘木で減少となった。売上の増加した業種においても、収益の改善は無く、依然厳しい状況にある。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は、横這い又は減少となった。その中で家庭紙は増加となった。全般に、収益状況、景況感に悪化傾向が強く厳しい状況である。

窯業・土石
 前年同月比売上は、横這いになった、窯業原料を除き、全ての業種で減少となった。石灰は横這いとなった。建設資材では、生コンクリート、砕石で増加、砂利で横這いとなった。全体では、収益状況、景況感に改善傾向も無く、依然厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、鋳物、輸送用機器で増加、刃物等金属製品(輸出、内需)、県金属工業団地、可児工業団地、金型、電気機械器具で横這い、メッキで減少となった。業界は、活発な生産活動が続いているが、原材料等の価格上昇による収益の圧迫が問題である。

各種物産品

 前年同月比売上は、観光物産品で横這い、ギフトで減少となった。ギフトにおいては、依然、強い業況悪化の動きが続いている。

卸売業
 前年同月比売上は、医薬品卸、電設資材卸、機械・工具販売で横這い、陶磁器産地卸で減少となった。陶磁器産地卸においては、主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。

小売業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。その中で、水産物商業、石油製品販売は増加となった。消費需要は、依然低迷を続けており、また、低価格志向、競争激化等の収益圧迫要因も強く、厳しい業況が続いている。

商店街

 前年同月比売上は、横這い又は減少となっている。全般に収益状況、景況感の悪化傾向が強く厳しい状況となっている。

サービス業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となっている。その中で、広告美術、理容・美容業は増加となった。全体では、販売価格、収益状況、景況感等ほぼ横這いの状況となっている。

建設業
 前年同月比売上は、横這い又は減少となっている。その中で、土木(岐阜地区、飛騨地区、羽島地区)、産直住宅においては、主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。業界は、公共工事の発注量の減少、激しい企業間競争等、厳しい受注状況により収益状況、景況感の悪化傾向が強く厳しい状況である。

運輸業

 前年同月比売上は、貨物運送で横這い、軽運送で減少となった。収益状況、景況感についても改善傾向は無く、厳しい状況となっている。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加18、減少30でDI値はマイナス12となり、前月のマイナス14に対し、2ポイントの改善となっている。全般に変化が小さい中、前月、他に比べ売上減少の傾向が強かった、繊維・同製品、窯業・土石に改善傾向が出ている。
 売上増加となったのは、食肉、菓子、米菓等15業種である。
 減少回答が特に多いのは、商店街、建設業である。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇14、下降21でDI値はマイナス7となり、前月のマイナス6に対し、1ポイントの下降の動きとなった。上昇、下降ともに増え、業種間格差が広がり二極化傾向となっている。
 販売価格の上昇業種が他に比べて多いのは、木材・木製品である。また、個別の業種では、食肉、寒天水産、家庭紙等9業種である。
 下降業種が特に多いのは、卸売業、建設業である。

収益状況の動向は、前年同月比で好転5、悪化37でDI値はマイナス32となり、前月のマイナス31に対し、1ポイントの悪化の動きとなっている。
 DI値は、2ヶ月連続の下降となり、また、マイナス30ポイント台の強い悪化傾向が続いている。
 収益状況が好転となったのは、米菓、紳士服、輸送用機器、広告美術である。
 悪化業種が特に多いのは、商店街、建設業である。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転6、悪化24でDI値はマイナス18となり、前月のマイナス17に対し、1ポイントの悪化となっている。特に、商店街、建設業で悪化傾向が強い。
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