調査レポート
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景気動向調査
 平成19年3月  (平成19年3月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち83名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕3月の特色
◆ 景況感3ヶ月ぶりに後退
◆ 材料高によるコストアップが課題
  〔 2 〕3月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転6、悪化37でDI値はマイナス31となり、前月のマイナス24に対し、7ポイントの悪化の動きとなっている。
 景況感DI値は、前月までの2ヶ月連続の改善の後、当月再び悪化となった。要因は、改善業種、悪化業種の割合ともに増加した中、悪化業種割合の増加が改善業種割合の増加を上回ったことによるものである。

 他の主要な動向については、それぞれ前月の動向に対し、売上高DI値マイナス15で4ポイントの悪化、販売価格DI値マイナス2で1ポイントの改善の動きとなった。収益状況DI値はマイナス29で前月と同数値と厳しい状況となっている。

 業種別の業況概況は、概ね前月と同様であるが、特記すべきこととして機械関係が堅調を持続していること、建設では厳しい状況が続いていることがあげられる。

 コメントでは、原材料価格等の値上りによるコスト増と価格転嫁難による収益面への影響を指摘する意見が多くの業種からでている。また、今月は寒が戻り、その影響により、アパレルに春物需要が低調であるとの指摘がある。

 前年同月比景況感好転業種は、食肉、米菓、石灰、輸送用機器、軽運送の5業種である。
 前年同月比景況感悪化が特に多いのは、商店街関係(4業種)、建設業関係(9業種)である。

  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は、食肉、米菓で増加、牛乳・乳製品、豆腐、菓子、寒天水産、製麺で横這いとなった。全般に収益状況、景況感の回復傾向は弱く、依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品

 織物等川上業種では、前年同月比売上、収益状況、景況感等ほぼ横這いの状況となっている。アパレル関連は、縫製で横這い、紳士服、婦人・子供服は悪化傾向となっている。

木材・木製品

 前年同月比売上は、動向が分かれ製材で増加、集成材、東濃ひのきで横這い、銘木で減少となった。売上の増加した業種においても、収益の改善は無く、依然厳しい状況にある。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は横這いとなった。全体の景況は、販売価格、収益状況等ほぼ横這いの状況となっている。

窯業・土石
 前年同月比売上は、横這い又は減少となった。石灰は増加となった。建設資材では、生コンクリートで横這い、砂利で減少となった。全体では、販売価格、収益状況等ほぼ横這いであるが、建設資材の景況感は悪化傾向である。

機械・金属
 前年同月比売上は、鋳物、輸送用機器で増加、刃物等金属製品(輸出、内需)、メッキ、県金属工業団地、可児工業団地、電気機械器具で横這い、金型で減少となった。全体的には、生産活動は活発であるが、一方で、原材料等の価格上昇による収益圧迫の状況が続いている。

各種物産品

 年同月比売上は、観光物産品で横這い、ギフトで減少となった。ギフトにおいては、依然、収益状況、景況感等の悪化が続く厳しい状況である。
卸売業
 前年同月比売上は、医薬品卸、電設資材卸、陶磁器産地卸で横這い、機械・工具販売で減少となった。医薬品卸、陶磁器産地卸においては、前月に続き主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。

小売業

 前年同月比売上は動向が分かれ、石油製品販売、共同店舗(東濃)で増加、青果販売、水産物商業、家電機器販売で横這い、メガネ販売、中古自動車販売、共同店舗(飛騨)、生花販売で減少となった。消費需要の低迷、低価格志向、競争激化等の収益圧迫要因も強く、厳しい業況が続いている。

商店街

 前年同月比売上は、横這い又は減少となっている。全般に収益状況、景況感の悪化傾向が強く厳しい状況となっている。

サービス業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となっている。その中で、理容・美容業は増加となった。全体では、販売価格、収益状況、景況感等ほぼ横這いの状況となっている。

建設業
 前年同月比売上は、横這い又は減少となっている。その中で、電気工事、木製建具は増加となった。土木(岐阜地区、飛騨地区、羽島地区)においては、主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。業界は、公共工事の発注量の減少、激しい企業間競争等、厳しい受注状況により収益状況、景況感の悪化傾向が強く厳しい状況である。

運輸業

 前年同月比売上について、軽運送は増加、貨物運送は減少となった。軽運送は、引越需要の増加等により売上、収益、景況感ともに改善となった。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加16、減少31でDI値はマイナス15となり、前月のマイナス11に対し、4ポイントの減少となっている。
 DI値は、前月の大幅な改善の動きに対し、今回は、卸売、建設業等を中心に悪化となるなど不安定な動きをしている
 売上増加となったのは、食肉、ニット工業、製材等13業種の業種分野に分散している。
 減少回答が特に多いのは、商店街、建設業である。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇13、下降15でDI値はマイナス2となり、前月のマイナス3に対し、1ポイントの改善なり、2ヶ月連続での改善の動きとなっている。
 販売価格が上昇したのは、食肉、製材、家庭紙等10業種の業種分野に分散している。
 下降業種が特に多いのは、卸売業、建設業である。

収益状況の動向は、前年同月比で好転6、悪化35でDI値はマイナス29となり、前月と同数値で依然厳しい状況が続いている。
 収益状況が好転となったのは、米菓、可児工業団地、輸送用機器、各種物産品(観光)、軽運送である。
 悪化業種が特に多いのは、卸売、小売、商店街、建設業である。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転5、悪化19でDI値はマイナス14となり、前月のマイナス12に対し、2ポイントの悪化となり依然、厳しい状況である。特に、小売業、建設業で悪化傾向が強い。
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