調査レポート
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景気動向調査
 平成19年6月  (平成19年6月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち82名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕6月の特色
◆ 景況感DI値2月連続下降 〜マイナス30台に〜
  〔 2 〕6月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転6、悪化37でDI値はマイナス31となり、前月のマイナス27に対し4ポイントの悪化となっている。
 景況感DI値は、4月の大幅な改善の動きの後、直近2ヶ月は連続して悪化し、マイナス30台に逆戻りするなど、景況悪化の動きとなっている。悪化要因は、悪化業種の増加割合が改善業種の増加割合を上回ったことによるものである。

 他の主要な動向については、それぞれ前月の動向に対し、売上高DI値はマイナス29で2ポイント、販売価格DI値はマイナス7で2ポイントの悪化となった。収益状況DI値はマイナス31で2ポイントの改善の動きとなった。なお、売上高DI値は、4ヶ月連続の悪化と厳しい状況が続いている。

 業種別の業況概況は、概ね前月と同様であるが、特記すべきこととして、鉄鋼・金属、一般機械、輸送用機器の業種区分が堅調を持続していること、商店街、建設業の業種区分では引き続き厳しい状況が続いていることがあげられる。

 コメントでは、依然、材料価格、燃料費の値上りによるコスト増と価格転嫁難を指摘する意見が依然多く、一部に価格転嫁への理解が得られた業種も見られるが、多くの業種では、収益面は依然として厳しい状況が続いている。

 前年同月比景況感好転業種は、食肉、米菓、金型、輸送用機械、広告美術の5業種である。
 前年同月比景況感悪化業種は、30業種である。特に、卸売業(2業種)、小売業(5業種)、商店街(4業種)、建設業(6業種)の業種区分に悪化傾向が強い。
  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は、食肉、米菓で増加、寒天水産で横這い、豆腐、菓子、製麺で減少となった。一部業種に改善の動きが見られるが、全体では、収益状況、景況感の回復傾向は弱く、依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品

 織物等川上業種では、前年同月比売上で動向が分かれ、ニット工業で増加、撚糸、合成繊維織物で横這い、毛織物で減少となった。アパレル関連は、婦人・子供服で横這い、紳士服、縫製で減少となった。全体では、収益状況、景況感ともに回復はなく、依然、厳しい状況が続いている。

木材・木製品
 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。全体では、販売価格、収益状況、景況感等ほぼ横這いの状況となっている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は、家庭紙、プラスチックで増加、特殊紙、印刷で横這い、紙加工品で減少となった。売上が増加した業種においても、原材料の値上がりの影響等により収益状況は、依然厳しい状況である。

窯業・土石
 前年同月比売上は、横這い又は減少となった。石灰は減少となった。建設資材は、全業種で減少となった。全体では、売上高、収益状況に悪化傾向が強く、景況感に改善傾向も無い厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、刃物等金属製品(内需)、金型、輸送用機器で増加、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、メッキ、電気機械器具で横這い、県金属工業団地、可児工業団地で減少となった。全体的には、生産活動は活発であるが、一方で、原材料等の価格上昇による収益圧迫の状況が続いている。

各種物産品

 年同月比売上は、観光物産品で横這い、ギフトで減少となった。ギフトにおいては、依然、収益状況、景況感等の悪化が続く厳しい状況が続いている。

卸売業
 前年同月比売上は、電設資材卸、機械・工具販売で横這い、医薬品卸、陶磁器産地卸で減少となった。先月に続き、堅調に推移している機械・工具販売を除き厳しい状況である。

小売業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。その中で、共同店舗(東濃)は増加となった。全般に消費需要の低迷、低価格志向、競争激化等の収益圧迫要因も強く、厳しい業況が続いている。

商店街

 前年同月比売上は、大垣市の低調横這いを除き、全般に減少となった。5商店街の中で、4商店街が景況悪化となる強い景況悪化の動きとなっている。

サービス業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となっている。その中で、広告美術、利用・美容業は増加となった。全体では、販売価格、収益状況、景況感等横這い傾向となっている。

建設業
 前年同月比売上は、横這い又は減少となっている。土木(岐阜地区、飛騨地区)においては、主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。業界は、年度初めの公共工事端境期、民需低迷による低水準の受注状況のため、公共工事の早期発注の強い要望が出ている。

運輸業

 前年同月比売上は、軽運送で増加、貨物運送で横這いとなった。軽運送は、急送品の需要の増加等により売上、収益ともに改善となった。

  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加15、減少44でDI値はマイナス29となり、前月のマイナス27に対し、2ポイントの減少となっている。
 DI値は、4ヶ月連続での悪化となった。前月の動向との比較では、繊維・同製品、商店街の業種区分に悪化傾向が出ている。
 売上増加となった業種は、食肉、米菓、ニット工業、家庭紙等12業種である。
 売上減少となった業種は、36業種である。特に、窯業・土石、小売業、商店街、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇10、下降17でDI値はマイナス7となり、前月のマイナス5に対し、2ポイントの下降の動きとなっている。
 販売価格の上昇した業種は前月より1業種減少し8業種と改善傾向は弱く、DI値も3ヶ月連続で減少傾向となっている。
 販売価格が上昇した業種は、食肉、菓子、家庭紙等8業種である。
 販売価格が下降した業種は、14業種である。特に、卸売業、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。

収益状況の動向は、前年同月比で好転7、悪化38でDI値はマイナス31となり、前月のマイナス33に対し、2ポイントの改善の動きとなっている。
 DI値は、緩やかな改善傾向が見られるが、依然強いマイナスの値であり、厳しい収益状況が続いている。
 収益状況が好転となった業種は、米菓、金型、輸送用機器、共同店舗(東濃)、広告美術、軽運送である。
 収益状況が悪化となった業種は、31業種である。特に、卸売業、商店街、建設業の業種区分に悪化景況が強い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転6、悪化18でDI値はマイナス12となり、前月のマイナス10に対し、2ポイントの悪化となり依然、厳しい状況である。特に、商店街で悪化傾向が強い。

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