調査レポート
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景気動向調査
 平成19年8月  (平成19年8月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち82名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕8月の特色
◆ 景況感3ヶ月ぶりに改善
◆ 収益状況、売上高、販売価格は悪化
  〔 2 〕8月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転2、悪化37でDI値はマイナス35となり、前月のマイナス46に対し、11ポイントの改善となっている。

 景況感DI値は、3ヶ月連続の悪化の後、改善の動きとなった。改善の要因は、好転業種割合が4年4ヶ月ぶりの低水準になったものの、悪化業種割合がマイナス51からマイナス37に大幅に減少したことが大きい。

 業種別の業況概況では、82業種のうち、好転したのが2業種(食肉、米菓)に限られ、半数以上の50業種では横這いとなっている。また、これまで堅調業種であった、鉄鋼・金属、一般機器、輸送用機器の3業種がいずれも不変に転換した。

 他の主要な調査項目については、売上高DI値マイナス39、販売価格DI値マイナス10でともに、前月比1ポイントの悪化、収益状況DI値マイナス43で、前月比4ポイントの悪化となった。

 コメントでは、依然、多くの業種から材料価格、燃料費等の値上りによるコスト増と価格転嫁難による収益面への影響を指摘する意見が出ている。また、猛暑に対し、夏物需要が大きく出て来ることが期待されたが、家電機器販売には出ているが、食料品、衣料品等、他の商品では盛り上がりを欠き、売上増加の動きに勢いを欠いている。

 前年同月比景況感好転業種は、食肉、米菓の2業種に対し、悪化業種は30業種である。特に、繊維・同製品(5業種)、各種物産品(2)、小売業(4業種)、建設業(6業種)の業種区分に悪化傾向が強い。

  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。その中で、米菓は増加となった。一部業種に改善の動きが見られるが、全体では、収益状況、景況感の回復傾向は弱く、依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品

 織物等川上業種では、前年同月比売上は全般に横這い又は減少となった。アパレル関連は、紳士服で増加、縫製で減少となった。全体では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く、依然、厳しい状況が続いている。

木材・木製品
 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。業界は、住宅着工数の低迷などにより、厳しい業況が続いている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は、横這い又は減少となった。その中で家庭紙、プラスチックは増加となった。全体では、収益状況、景況感に改善傾向も無く、依然厳しい状況が続いている。

窯業・土石
 陶磁器等では、前年同月比売上は、横這いになった陶磁器(輸出)を除き、全ての業種で減少となった。石灰は減少となった。建設資材では、砕石で横這い、生コンクリート、砂利で減少となった。全体では、収益状況、景況感に改善傾向も無く、依然厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、金型で増加、鋳物、刃物等金属製品(輸出、内需)、メッキ、可児工業団地で横這い、県金属工業団地、輸送用機器、電気機械器具で減少となった。全体的に活発な生産活動に変わりはないが、原材料、燃料費等の価格上昇による収益圧迫の状況が続いている。

各種物産品

 前年同月比売上は、観光物産品、ギフトともに減少となった。収益状況、景況感についても、両業種ともに悪化となるなど依然、強い業況悪化の動きが続いている。

卸売業
 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。景況感に回復傾向はなく、収益状況は全業種で悪化となるなど厳しい状況である。

小売業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。その中で、石油製品販売、共同店舗(東濃)は増加となった。全般に収益状況、景況感に悪化傾向が強く、消費需要の低迷、低価格志向、競争激化等の続く厳しい業況である。

商店街

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。全体では、収益状況、景況感に回復傾向はなく、商店街の不況感は強く厳しい状況が続いている。

サービス業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となっている。その中で、高山旅館、情報サービスは増加となった。全体では、販売価格、収益状況、景況感等横這い傾向となっている。

建設業
 前年同月比売上は、全般に減少傾向が強い。その中で、建築設計、産直住宅は横這い、は増加となった。10業種中6業種で、売上高、収益状況、景況感が悪化となるなど、非常に厳しい状況である。

運輸業

 前年同月比売上は、貨物運送で横這い、軽運送で減少となった。軽運送については、主要指標の悪化傾向が強く、厳しい状況となった。

  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加11、減少50でDI値はマイナス39となり、前月のマイナス38に対し、1ポイントの減少となっている。
 DI値は、6ヶ月連続の悪化となり、また、先月に続き、マイナス30ポイント台の極めて厳しい動向である。
 売上増加となった業種は、米菓、紳士服、家庭紙等9業種である。
 売上減少となった業種は、41業種である。特に、繊維・同製品、木材・木製品、窯業・土石、各種物産品製造、卸売業、小売業、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇6、下降16でDI値はマイナス10となり、前月のマイナス9に対し、1ポイントの悪化の動きとなっている。
 販売価格の上昇した業種は前月より1業種減少し5業種と改善傾向は弱く、DI値も5ヶ月連続で減少傾向となっている。
 販売価格が上昇した業種は、食肉、家庭紙、特殊紙等5業種である。
 販売価格が下降した業種は、13業種である。特に、卸売業、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。

収益状況の動向は、前年同月比で好転4、悪化47でDI値はマイナス43となり、前月のマイナス39に対し、4ポイントの悪化の動きとなっている。
 DI値の水準は、3ヶ月連続悪化しマイナス40ポイント台の強いマイナスの値となるなど、極めて強い悪化傾向となっている。コストアップ分を価格転嫁できない影響が大きい。
 収益状況が好転となった業種は、米菓、輸送用機器、高山旅館である。
 収益状況が悪化となった業種は、39業種である。特に、繊維・同製品、卸売業、小売業、建設業の業種区分に悪化景況が強い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転3、悪化23でDI値はマイナス20となり、前月のマイナス17に対し、3ポイントの4ヶ月連続の悪化となり依然、厳しい状況である。特に、繊維・同製品、紙・紙加工品、建設業で悪化傾向が強い。

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