調査レポート
景況動向調査
各種調査
もどる
景気動向調査
 平成19年11月  (平成19年11月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち83名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕11月の特色
◆ 景況感、収益状況DI値再び悪化
◆ 売上高、販売価格の改善も収益に反映されず
  〔 2 〕11月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転3、悪化51でDI値はマイナス46となり、前月のマイナス40に対し、6ポイントの悪化となっている。
 景況感DI値は、9月以降マイナス40以下の極めて低い水準が続いている。

 業種別の業況概況では、83業種のうち、好転したのが3業種(食肉、米菓、電器機械器具)に限られ、半数以上の42業種では減少となっている。

 他の主要な調査項目については、売上高DI値マイナス28で、前月比9ポイント、販売価格DI値マイナス4で、前月比5ポイントの大きな改善となった。しかし、収益状況DI値は、マイナス45で、前月比6ポイントの大きな悪化の動きとなった。

 コメントでは、業況の低迷要因として、材料費、燃料費の値上げ分が販売価格に不十分にしか転嫁できず、収益の減少が拡大傾向にあることを指摘する意見が多くの業種から出ている。また、先月に続き、建築基準法の改正に伴う確認申請の遅れにより、工事物件の大幅な減少が続き、建設業の業況は悪化している。

 前年同月比景況感好転業種は、食肉、米菓、電器機械器具の3業種に対し、悪化業種は42業種である。特に、繊維・同製品(6業種)、各種物産品製造(2業種)、小売業(5業種)、建設業(8業種)の業種区分に悪化傾向が強い。

  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は動向が分れ、食肉、米菓で増加、牛乳・乳製品、豆腐、寒天水産で横這い、菓子、製麺で減少となった。全体では、収益状況、景況感の回復傾向は弱く、依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品

 織物等川上業種では、横這いのニット工業を除く全業種で、前年同月比売上は減少となった。アパレル関連は、紳士服で横這い、縫製は減少となっている。全体では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く、依然、厳しい状況が続いている。

木材・木製品
 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。その中で、東濃ひのきは増加となった。住宅着工数の低迷などにより、業界は依然厳しい業況が続いている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は横這い傾向となった。その中で家庭紙は増加となった。全体では、収益状況、景況感に改善傾向も無く、依然厳しい状況が続いている。

窯業・土石
 前年同月比売上は、増加となった石灰、砕石を除き、他は全て減少となった。全体では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く、依然厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、電気機械器具、輸送用機器で増加、鋳物、刃物等金属製品(輸出、内需)、メッキ、可児工業団地で横這い、県金属工業団地、金型で減少となった。全体的には、材料費、燃料費等の価格上昇の影響により、収益状況の悪化傾向が強くなっている。

各種物産品

 前年同月比売上は、先月に続き、観光物産品、ギフトともに減少となった。収益状況、景況感についても、両業種ともに悪化となるなど、強い業況悪化の動きが続いている。

卸売業
 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。依然、収益状況の悪化傾向は強く、景況感に回復傾向もなく厳しい状況である。

小売業

 前年同月比売上は動向が分かれ、石油製品販売、共同店舗(東濃)増加、青果販売、メガネ販売、生花販売で横這い、水産物商業、家電機器販売、中古自動車販売、共同店舗(飛騨)で減少となった。全般に消費需要の低迷、低価格志向、競争激化等の収益圧迫要因も強く、厳しい業況が続いている。

商店街

 前年同月比売上は、全般に横這いとなった。その中で、多治見市は減少となった。全体では、収益状況、景況感に回復傾向はなく、商店街の不況感は強く厳しい状況が続いている。

サービス業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となっている。その中で、自動車タイヤ整備、情報サービス業は増加となった。全体では、販売価格は上昇せず、収益状況の改善も見られず、景況は依然厳しい状況が続いている。

建設業
 前年同月比売上は、横這いとなった建築設計を除き、他は全て減少となった。10業種中9業種で、売上高、収益状況が悪化となるなど、非常に厳しい状況である。

運輸業

 前年同月比売上は、軽運送で増加、貨物運送で減少となった。軽運送については、主要指標の悪化傾向が強く、厳しい状況となった。

  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加16、減少44でDI値はマイナス28となり、前月のマイナス37に対し、9ポイントの大幅な改善となっている。
 DI値は、8月以降一進一退の状況が続いており、今回は、前月の減少の動きとは反対に、大きな改善の動きとなった。
 売上増加となった業種は、食肉、米菓、東濃ひのき、家庭紙等13業種である。
 売上減少となった業種は、37業種である。特に、繊維・同製品、窯業・土石、各種物産品製造、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。


販売価格の動向は、前年同月比で上昇12、下降16でDI値はマイナス4となり、前月のマイナス9に対し、5ポイントの改善の動きとなっている。
 販売価格の上昇した業種は前月より2業種が増加。また、下降業種も減少しているために大きな改善の動きとなった。
 販売価格が上昇した業種は、食肉、家庭紙、特殊紙、紙加工品等10業種である。
 販売価格が下降した業種は、13業種である。特に、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。


収益状況の動向は、前年同月比で好転4、悪化49でDI値はマイナス45となり、前月のマイナス39に対し、6ポイントの悪化の動きとなっている。
 DI値は、2ヶ月連続での緩やかな改善傾向であったが、当月は大幅な悪化となった。原材料、燃料費等のコストアップ分を価格転嫁できない影響が拡大している。
 収益状況が好転となった業種は、電器機械器具、輸送用機器、自動車タイヤ整備である。
 収益状況が悪化となった業種は、41業種である。特に、繊維・同製品、一般機械、各種物産品、小売業、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。


資金繰りの動向は、前年同月比で好転1、悪化33でDI値はマイナス32となり、前月のマイナス19に対し、13ポイントの悪化増となり、一段と厳しくなっている。特に、繊維・同製品、小売業、建設業で悪化傾向が強い。

[景況グラフを開く]

▲ページ上へもどる