調査レポート
景況動向調査
各種調査
もどる
景気動向調査
 平成19年12月  (平成19年12月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち84名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕12月の特色
◆ 景況感大幅悪化 〜5年半ぶりにマイナス50台へ〜
  〔 2 〕12月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転3、悪化55でDI値はマイナス52となり、前月のマイナス46に対し、6ポイントの悪化となっている。

 景況感DI値は、2ヶ月連続の悪化となり、また、平成15年6月以来、5年半ぶりにマイナス50台となるなど、強い悪化傾向となっている。

 業種別の業況概況では、84業種のうち、好転したのが3業種(食肉、米菓、広告美術)に限られ、半数以上の46業種では悪化となっている。

 他の主要な調査項目については、売上高DI値マイナス39で、前月比11ポイント減、販売価格DI値マイナス11で、前月比7ポイント減、収益状況DI値はマイナス50で、前月比5ポイント減と全て悪化の動きとなった。

 コメントでは、業況の低迷要因として、多くの業種で売上高の改善が見られず、材料費、燃料費等の値上げ分を販売価格に転嫁することが十分行えないため、収益の減少が拡大傾向にあることを指摘する意見が出ている。また、建築基準法の改正に伴う確認申請の遅れが改善されず、工事物件の大幅な減少が続き、建設業の業況は悪化傾向が強まっている。

 前年同月比景況感好転業種は、食肉、米菓、広告美術の3業種に対し、悪化業種は46業種である。特に、繊維・同製品(7業種)、各種物産品製造(2業種)、小売業(6業種)、建設業(9業種)、運輸業(2)の業種区分に悪化傾向が強い。

  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は動向が分れ、食肉、米菓で増加、牛乳・乳製品、豆腐、寒天水産で横這い、菓子、製麺で減少となった。全体では、収益状況、景況感の回復傾向は弱く、依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品

 織物等川上業種では、前年同月比売上は、横這いのニット工業を除く全業種で減少となった。アパレル関連は、紳士服で横這い、婦人・子供服、縫製は減少となっている。全体では、売上高、収益状況に悪化傾向が強く、また、景況感は全業種で悪化となるなど、業界は非常に厳しい状況となっている。

木材・木製品
 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。住宅着工数の低迷などにより、業界は依然厳しい業況が続いている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は、家庭紙、プラスチックで増加、特殊紙、印刷で横這い、紙加工品で減少となった。全体では、収益状況、景況感に改善傾向も無く、依然厳しい状況が続いている。

窯業・土石
 前年同月比売上は、横這い又は減少となった。石灰は横這いとなった。建設資材は、全業種で減少となった。全体では、売上高、収益状況に悪化傾向が強く、景況感に改善傾向も無い厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、輸送用機器で増加、鋳物、刃物等金属製品(輸出、内需)、メッキ、県金属工業団地、可児工業団地、電気機械器具で横這い、金型で減少となった。全体的には、材料費、燃料費等の価格上昇の影響により、収益状況の悪化傾向が強まっている。

各種物産品

 前年同月比売上は、先月に続き、観光物産品、ギフトともに減少となった。収益状況、景況感についても、両業種ともに悪化となるなど、強い業況悪化の動きが続いている。

卸売業
 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。電設資材卸、陶磁器産地卸においては、主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。

小売業

 前年同月比売上は動向が分かれ、石油製品販売、共同店舗(東濃)で増加、青果販売、で横這い、水産物商業、家電機器販売、メガネ販売、中古自動車販売、共同店舗(飛騨)、生花販売で減少となった。全般に消費需要の低迷、低価格志向、競争激化等の収益圧迫要因も強く、収益状況、景況感の悪化傾向の強い、厳しい業況が続いている。

商店街

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。全体では、収益状況、景況感に回復傾向はなく、商店街の不況感は強く厳しい状況が続いている。

サービス業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となっている。その中で、自動車車体整備、広告美術、理容・美容業は増加となった。ビルメンテナンスにおいては、主要指標の悪化傾向が強く厳しい状況である。全体では、販売価格、収益状況、景況感等横這い傾向となっている。

建設業
 前年同月比売上は、全て減少となった。10業種中9業種で、売上高、収益状況、景況感が悪化となるなど、業界は非常に厳しい状況である。

運輸業

 前年同月比売上は、貨物運送で横這い、軽運送で減少となった。軽運送については、先月に続き、主要指標の悪化傾向が強く、厳しい状況となった。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加12、減少51でDI値はマイナス39となり、前月のマイナス28に対し、11ポイントの大幅な減少となっている。
 DI値は、8月以降一進一退の状況が続いており、今回は、前月の大幅な改善の動きとは反対に、大きな悪化の動きとなった。
 売上増加となった業種は、食肉、米菓、家庭紙、プラスチック等10業種である。
 売上減少となった業種は、43業種である。特に、繊維・同製品、窯業・土石、各種物産品製造、小売業、商店街、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇11、下降22でDI値はマイナス11となり、前月のマイナス4に対し、7ポイントの悪化の動きとなっている。
 DI値は、前月の比較的大きな改善の動きとは反対に、大幅な悪化となった。
 販売価格が上昇した業種は、豆腐、食肉、特殊紙、プラスチック等9業種である。
 販売価格が下降した業種は、19業種である。特に、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。

収益状況の動向は、前年同月比で好転5、悪化55でDI値はマイナス50となり、前月のマイナス45に対し、5ポイントの悪化の動きとなっている。
 DI値の水準は、2ヶ月連続悪化しマイナス50ポイント台の強いマイナスの値となるなど、極めて強い悪化傾向となっている。原材料、燃料費等のコストアップ分を価格転嫁できない影響が拡大している。
 収益状況が好転となった業種は、米菓、輸送用機器、共同店舗(東濃)、広告美術である。
 収益状況が悪化となった業種は、46業種である。特に、繊維・同製品、窯業・土石、一般機械、各種物産品製造、小売業、建設業、運輸業の業種区分に悪化傾向が強い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転4、悪化34でDI値はマイナス30となり、前月のマイナス32に対し、2ポイントの改善となったが、依然水面下の状況が続いている。特に、繊維・同製品、小売業、建設業で悪化傾向が強い。

[景況グラフを開く]

▲ページ上へもどる