調査レポート
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景気動向調査
 平成24年5月  (平成24年5月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕5月の特色
景況感DI値の改善傾向は頭打ち 〜前月比3ポイントの悪化〜
売上高DI値(プラス4)は平成17年2月末調査結果(プラス3)以来の高水準に
  〔 2 〕5月の概況
  当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転12、悪化30でDI値はマイナス18となり、前月のマイナス15に対し、3ポイントの悪化となった。景況感DI値は、本年1月末調査から連続して改善の方向を示していたが、当月は頭打ちとなり、今後の動向が注視される。 
なお、業種別に見ても、製造業で1ポイント、非製造業でも3ポイント、それぞれ悪化している。
景況感が「好転」と回答した業種は、婦人子供服、紙加工品、タイル、メッキ、輸送用機器、青果販売、中古自動車販売、生花販売、商店街(大垣)の9業種(前月比+2業種)、景況感が「悪化」と回答した業種は21業種(前月比+3業種)となった。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値は前月比7ポイントの改善、販売価格DI値は前月比7ポイントの悪化、収益状況DI値は前月比4ポイントの改善、資金繰りDI値は前月比2ポイントの悪化と各指標でバラつきが見られた。
なお、売上高DI値は4ヵ月連続で改善傾向が続いている。

 コメントを見ると、製造業では“円高の影響”や“生産拠点の海外移転に伴う受注量減少”、“欧州経済の停滞による売上減少”など、企業を取り巻く環境は厳しいとの内容が多数寄せられているほか、先行きの見通しとして、今夏の電力需給問題による事業活動への影響を懸念する報告もあった。
 しかし、機械・金属関連の特に自動車・航空機関連産業からは、引き続き“好調を維持”、“受注量増加”といった報告があった他、当月は窯業・土石関連業からも「補修改修物件や戸建向け物件が好調(タイル)」、「民間投資で回復基調が見られる(砂利生産)」などの明るい内容の報告も見られた。
 非製造業では、卸売業より「価格競争に走り、各店収益が悪化(電設資材卸)」、「価格競争が激しくなっている(陶磁器卸)」といったマイナスの報告があった一方で、商店街・サービス業からはイベント等が盛況だったことを挙げ「地元の土産店、飲食店等は好況であった(大垣市商店街)」、「宿泊増につながった(長良川畔旅館)」といった報告が見られるなど、製造業、非製造業ともに、業種によってバラつきが見られた業況となっている。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加32、減少28でDI値はプラス4となり、前月のマイナス3に対し、7ポイントの改善となった。売上高DI値がプラスの水準(数値)に入るのは、平成17年12月末調査結果(プラス3)以来、6年5ヵ月ぶりのことであり、本年1月から4ヵ月連続して上昇が続いている。
 なお、業種別に見みると、製造業のDI値はプラス16(前月比+13)、非製造業のDI値はマイナス9ポイント(前月比±0)で、製造業の改善幅が大きくなっている。
 売上高が増加した業種は23業種あり、特に窯業・土石、一般機械、商店街に多い。「増加」と回答した業種のコメントには、「天候要因から夏物衣料が順調(婦人子供服)」、「新築物件が若干多くなっている(タイル)」、「中古車販売台数は増加(中古自動車販売)」、「気温上昇とともに活況が出てきた(岐阜市商店街)」といった内容があった。
 売上が減少した業種は20業種あり、特に卸売業に多い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇7、低下22でDI値はマイナス15となり、前月のマイナス8に対し、7ポイントの悪化となった。
販売価格が上昇した業種は5業種あり、牛乳、プラスチック、タイル、石灰、生花販売である。販売価格が低下した業種は16業種あり、特に一般機械、小売業に多い。

収益状況の動向は、前年同月比で好転12、悪化34でDI値はマイナス22となり、前月のマイナス26に対し、4ポイントの改善となった。
収益状況が好転した業種は9業種あり、ニット工業、婦人子供服、家具・装備品、紙加工品、輸送用機器、青果販売、生花販売、下呂温泉旅館、木造建築である。
収益状況が悪化した業種は24業種あり、特に卸売業に多い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転4、悪化22でDI値はマイナス18となり、前月のマイナス16に対し、2ポイントの悪化となった。
資金繰りが好転した業種は3業種あり、家具・装備品、輸送用機器、生花販売となっている。
資金繰りが悪化した業種は16業種あり、特に一般機械に多い。
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