調査レポート
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景気動向調査
 平成24年9月  (平成24年9月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕9月の特色
 景況感DI値7ポイント悪化 〜 製造業の落ち込み幅が大きい 〜
 自動車関連の業種で“エコカー補助金の終了”による影響
 領土問題による影響は広範な業種から懸念の声
  〔 2 〕9月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転5、悪化42でDI値はマイナス37となり、前月のマイナス30に対し、7ポイントの悪化。直近2カ月の調査結果に見る概ね横ばいの傾向からは、やや大きめの下げとなった。
業種別で見てみると、製造業は11ポイント悪化、非製造業は2ポイントの悪化となっており、製造業の落ち込みが大きくなっている。
集計対象の70業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、菓子、タイル、輸送用機器、中古自動車販売の4業種(前月比不変)あり、前年同月比で景況感が「悪化」と回答した業種は30業種(前月比+5)となっている。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値は前月比5ポイントの悪化、販売価格DI値は前月比3ポイントの悪化、収益状況DI値は前月比4ポイントの改善、資金繰りDI値は前月比4ポイントの悪化となり、収益状況を除く調査項目で悪化となった。

 コメントを見ると、製造業の特に自動車関連部品を扱う業種からは、エコカー補助金終了に伴い“減産”、“落ち込みが大きい”との報告があった。
また、当月は領土問題をめぐる日中関係の悪化から、「反日デモの影響で機械、建機、農機等々総じて悪化(鋳物)」、「中国との輸入出等の関税業務で遅延が発生しているとの話を聞く(刃物等金属製品(輸出))」、「工作機械関連では日中関係悪化で、先行き受注減少が想定される(輸送用機器)」、「尖閣を巡る情勢から中国人観光客は姿を消した(高山市商店街)」など幅広い業種から懸念の声が出ている。
このほか、厳しい残暑の影響で「秋物の立ち上がり低調(婦人・子供服)」、「夏物衣料の衣替えが無く、昨年より売上減少(クリーニング)」など、衣料関係で販売不振、需要減の報告があった一方で、ぎふ清流国体の開催を取り上げ「岐阜県産の牛肉・豚肉が使われ、需要増(食肉(国産))、「国体開催効果により、宿泊者数は大幅に増加(長良川畔旅館)」などプラスのコメントもあった。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、 前年同月比で増加12、減少42でDI値はマイナス30となり、前月のマイナス25に対し、5ポイントの悪化となった。業種別に見ると、製造業のDI値はマイナス25(前月比−14)、非製造業のDI値はマイナス36(前月比+3)となり、製造業の落ち込みが大きくなっている。
 売上高が増加した業種は9業種(前月比−2業種)あり、菓子、米菓、銘木、タイル、可児工業団地、輸送用機器、中古自動車販売、鉄構造物、電気工事である。
 売上高が減少した業種は30業種(前月比+2業種)あり、特に繊維・同製品、紙・紙加工品、一般機械に多い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇8、低下24でDI値はマイナス16となり、前月のマイナス13に対し、3ポイントの悪化となった。
販売価格が上昇した業種は6業種(前月比不変)あり、食肉(国産)、菓子、タイル、窯業原料、砕石生産、鉄構造物である。
販売価格が低下した業種は17業種(前月比+2業種)あり、特に一般機械と小売業に多い。

収益状況の動向は、前年同月比で好転8、悪化40でDI値はマイナス32となり、前月のマイナス36に対し、4ポイントの改善となった。
収益状況が好転した業種は6業種(前月比+2業種)あり、菓子、家具・装備品、タイル、可児工業団地、輸送用機器、中古自動車販売である。
収益状況が悪化した業種は28業種(前月比−1業種)あり、特に繊維・同製品、卸売業、小売業、建設業に多い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転1、悪化30でDI値はマイナス29となり、前月のマイナス25に対し、4ポイントの悪化となった。
資金繰りが好転した業種は輸送用機器のみである。
資金繰りが悪化した業種は21業種(前月比+2業種)あり、建設業に多い。

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