調査レポート
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景気動向調査
 平成25年2月  (平成25年2月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕2月の特色
◆ 景気回復傾向に一服感 〜 景況感DI値 前月比4ポイント悪化 〜
◆ 輸送用機器は引き続き好調
◆ 急速な円安に伴う燃料費、原材料価格の高騰を懸念
◆ 寒波、降雪など天候要因が、小売業、サービス業にマイナス影響
  〔 2 〕2月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転4、悪化41でDI値はマイナス37となり、前月のマイナス33に対し、4ポイント悪化した。
 新政府が進める経済対策への期待やそれに伴う円安・株高といった好材料から、景況感DI値は前月まで2ヶ月続けて改善していたものの、当月はマイナス4ポイントと若干の悪化。景気回復の傾向としては一服の様相となった。なお、製造業の輸送用機器は引き続き好調が続いている。
 この背景には、実態としての“需要の停滞”、“デフレの状況”に加え、好材料として取り上げた円安傾向も燃料費や原材料価格の高騰を誘因し、現場での“仕入価格の上昇”、“販売価格に転嫁できない”といった懸念が要因として挙げられる。
 なお、回答のあった70業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、東濃ひのき、輸送用機器、広告美術の3業種(前月比±0業種)となった。
 また、「悪化」と回答した業種は29業種(前月比+3業種)となり、繊維・同製品、紙・紙加工品、卸売業、小売業、商店街の区分で多かった。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス33で前月比2ポイントの改善、販売価格DI値はマイナス17で前月比8ポイントの悪化、収益状況DI値はマイナス42で前月比3ポイントの改善、資金繰りDI値はマイナス26で前月比8ポイントの改善となり、販売価格を除く調査項目で改善となった。

 コメントを見ると、製造業の広範の業種から「受注量は増加傾向(メンズアパレル)」、「飲食器・タイル共に前年対比増加(陶磁器工業)」、「幅広い業種で売上高が減少から増加に転じる企業が増加(可児工業団地)」といった、売上げに関して上向いている状況の報告がある一方で、円安を要因とした“燃料や原材料等の高騰”と、それに伴う“仕入れ価格の上昇”や“収益の悪化”を懸念するコメントも多く見られた。
 小売業、商店街からは寒波、降雪の影響で「客足は鈍く、小売面で低調な状況が続いた(生花販売)」、「寒さと降雪の影響もあって売上は停滞気味であった(高山市商店街)」などといった天候要因によるマイナスのコメントがあった。
 建設業からは年度末に向けて繁忙期を迎えているが、「年度末となって再び低価格入札が目立ってきた(土木(岐阜地区))」、「業界全体の受注価格は低下傾向(管設備工事)」といった競争激化により受注単価が低下している報告も寄せられている。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加15、減少48でDI値はマイナス33となり、前月のマイナス35に対し、2ポイントの改善となった。
 売上が増加した業種は11業種あり、米菓、銘木、家具・装備品、東濃ひのき、プラスチック、可児工業団地、輸送用機器、長良川畔旅館、広告美術、鉄構造物、電気工事となっている。
 売上が減少した業種は34業種あり、特に繊維・同製品、卸売業、小売業、商店街、サービス業に多い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇5、低下22でDI値はマイナス17となり、前月のマイナス9に対し、8ポイントの悪化となった。
 販売価格が上昇した業種は4業種あり、銘木、タイル、砕石生産、石油製品販売となっている。
 販売価格が低下した業種は16業種あり、特に卸売業に多い。

収益状況の動向は、前年同月比で好転8、悪化50でDI値はマイナス42となり、前月のマイナス45に対し、3ポイントの改善となった。
 収益状況が好転した業種は6業種あり、東濃ひのき、プラスチック、金型、輸送用機器、広告美術、鉄構造物である。
 収益状況が悪化した業種は35業種あり、特に繊維・同製品、一般機械、卸売業、小売業、商店街、建設業、運輸業に多い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転4、悪化30でDI値はマイナス26となり、前月のマイナス34に対し、8ポイントの改善となった。
 資金繰りが好転した業種は3業種あり、可児工業団地、輸送用機器、広告美術である。
 資金繰りが悪化した業種は21業種となり、特に小売業、商店街に多い。
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