平成25年5月 (平成25年5月末調査) |
|
岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。
当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。
本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。 |
|
〔 1 〕5月の特色 |
|
◆ 景況感 概ね横ばい 〜景況感DI値 前月比プラス1ポイント〜
◆ 円安を要因とした、燃料費、原材料価格等の上昇を懸念
|
|
|
〔 2 〕5月の概況 |
|
当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転7、悪化30でDI値はマイナス23となり、前月のマイナス24に対し、1ポイントの改善となり、景況感DI値は概ね横ばいとなった。
なお、回答のあった70業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、家具・装備品、東濃ひのき、刃物等金属製品(輸出)、メッキ、輸送用機器の5業種(前月比−1業種)。
また、「悪化」と回答した業種は21業種(前月比−2業種)となり、繊維・同製品、卸売業、小売業の区分で多かった。
主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス21で前月比5ポイントの悪化、販売価格DI値はマイナス10で前月比4ポイントの改善、収益状況DI値はマイナス36で前月比6ポイントの悪化、資金繰りDI値はマイナス26で前月比4ポイントの悪化となり、販売価格の調査項目のみ前月比で改善の結果となった。
コメントを見てみると、製造業では、一般機械、輸送用機器から“航空機関連の分野で好調/受注が増加”といった報告が引き続き寄せられている。その他でも「工作機械、建機、家電等で連休明けより受注量が増加傾向にあり、先行きに期待感。(鋳物)」、「円安要因から全体的に改善傾向。(刃物等金属製品(輸出))」、「連休後でも受注の多いところが目立ってきた。(メッキ)」など、プラスの内容を伝える報告があった。一方で、円安要因から「加工費は上昇するも、小売価格に転嫁できず。(食肉(国産))」、「海外での生産比率が高いことから円安はマイナス影響。(メンズアパレル)」、「燃料費、原材料費の上昇、製品単価の低下、需要の停滞等で企業は苦慮。(県金属工業団地)」といった、収益面でのマイナスコメントも少なくない。
非製造業では、「消費者の買い控えによる売り上げの悪化。(家電機器販売)」、「あまりよくなかった昨年よりも悪化しているようである。(メガネ販売)」、「アベノミクスによる経済効果は当商店街では感じられず、実体経済としては悪化傾向ととれる。(大垣市商店街)」、「観光客の動向は確かに増加傾向にあるが、一人当たりの消費額が落ち込んでいる。(高山市商店街)」といった消費の低迷を伝える報告が目立った。
|
|
|
主な調査項目での動向 |
|
売上高の動向は、前年同月比で増加17、減少38でDI値はマイナス21となり、前月のマイナス16に対し、5ポイントの悪化となった。
売上が増加した業種は12業種(前月比−4業種)あり、銘木、家具・装備品、東濃ひのき、タイル、砂利生産、刃物等金属製品(輸出)、メッキ、輸送用機器、商店街(岐阜)、クリーニング、土木(岐阜地区)、電気工事である。
売上が減少した業種は27業種あり(前月比±0業種)、特に窯業・土石、卸売業、小売業に多い。
販売価格の動向は、前年同月比で上昇7、低下17でDI値はマイナス10となり、前月のマイナス14に対し、4ポイントの改善となった。
販売価格が上昇した業種は5業種(前月比±0業種)あり、銘木、タイル、石灰、砂利生産、砕石生産であり、建設資材となる窯業・土石製品で販売価格の上昇の傾向となっている。
販売価格が低下した業種は12業種(前月比−3業種)あり、特に卸売業に多い。
収益状況の動向は、前年同月比で好転5、悪化41でDI値はマイナス36となり、前月のマイナス30に対し、6ポイントの悪化となった。
収益状況が好転した業種は4業種(前月比−2業種)あり、家具・装備品、東濃ひのき、輸送用機器、クリーニングである。
収益状況が悪化した業種は29業種(前月比+2業種)あり、特に繊維・同製品、紙・紙加工品、卸売業、小売業に多い。
資金繰りの動向は、前年同月比で好転1、悪化27でDI値はマイナス26となり、前月のマイナス22に対し、4ポイントの悪化となった。
資金繰りが好転した業種は1業種(前月比−1業種)あり、輸送用機器である。
資金繰りが悪化した業種は19業種となり(前月比+2業種)あり、特に小売業に多い。
|
|
[景況グラフを開く] |