調査レポート
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景気動向調査
 平成26年6月  (平成26年6月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕6月の特色
◆ 景況感DI値マイナス11 〜前月比2ポイントの改善〜
◆ 消費税増税後の影響 非製造業においてより顕著
◆ 原油、ガソリン価格の高騰、電気料金の値上げによる収益悪化を懸念
  〔 2 〕6月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転11、悪化22で、DI値はマイナス11となり、前月のDI値マイナス13に対し、2ポイントの改善となった。
 さらに業種別の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、製造業のDI値はプラス3となり、前月比で9ポイントの改善。非製造業のDI値はマイナス27となり、前月比で6ポイントの悪化となった。
 なお、回答のあった70業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、銘木、石灰、砂利生産、砕石生産、刃物等金属製品(輸出)、輸送用機器、高山旅館、鉄構造物の8業種(前月比−3業種)。
 また、「悪化」と回答した業種は16業種(前月比−4業種)となっている。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス6で前月比3ポイントの悪化、販売価格DI値はプラス7で前月比±0ポイントと横ばい、収益状況DI値はマイナス21で前月比±0ポイントと横ばい、資金繰りDI値はマイナス5で前月比8ポイントの改善となり、資金繰りの調査項目のみ前月比で改善の結果となった。

 コメントを見てみると、当月も、消費税増税の影響に関するコメントが見られた。
製造業からは、「消費税増税に伴う駆け込み需要の反動で、設備操業度の低下及び売上高が減少した。(メッキ)」のように、影響は“ある”とするコメントの一方で、「消費税増税による売上の反動減の影響は少ない。(米菓)」、「消費税増税やそれに伴う新設住宅着工の前倒し発注などの反動減が今月も懸念されたが、影響は少ないように思われた。(銘木)」など、影響は“少ない”或いは“小さくなっている”と伝えるコメントも見られ、その影響は、一部に緩和の方向にあるととれる。
 非製造業では、「消費税増税後、売上は減少が続いている。(電設資材)」、「消費税増税に伴い、販売数、売上高共に、前年同月比で大きく落ち込んでいる。(家電機器販売)」、「消費税増税後における買い控えの状況が見られる。(中古自動車販売)」のように、消費税増税後の売上減や買い控えを伝えるコメントが大勢であり、増税による影響は、非製造業において未だ顕著にあると考える。
 また、「電力料・運賃等の値上げにより経費が増加。(プラスチック)」「原油の高騰により経費がふくらみ、利益が減少。(クリーニング)」「ガソリン代の高騰が経費を圧迫し、運営に影響が出ている。(軽運送業)」など、製造業、非製造業の幅広い業種から、原油、ガソリン価格の高騰、電気料金の値上げといったコスト負担が増している状況を取り上げ、収益面の悪化を懸念するコメントが依然多く寄せられている。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加22、減少28でDI値はマイナス6となり、前月のマイナス3に対し、3ポイントの悪化となった。
 売上高が増加した業種は16業種(前月比−1業種)あり、メンズアパレル、銘木、家具、石灰、生コンクリート、砂利生産、砕石生産、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、県金属工業団地、輸送用機器、機械・工具販売、青果販売、生花販売、高山旅館、鉄構造物である。
 売上が減少した業種は20業種(前月比+1業種)となった。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇24、低下17でDI値はプラス7となり、前月のプラス7に対し、±0ポイントで横ばいとなった。
 販売価格が上昇した業種は17業種(前月比±0業種)あり、牛乳、食肉(国産)、銘木、家具、東濃ひのき、プラスチック、砂利生産、砕石生産、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、青果販売、水産物商業、石油製品販売、生花販売、高山旅館、飲食業、鉄構造物である。
 販売価格が低下した業種は12業種(前月比±0業種)となった。

収益状況の動向は、前年同月比で好転11、悪化32でDI値はマイナス21となり、前月のマイナス21に対し、±0ポイントで横ばいとなった。
 収益状況が好転した業種は8業種(前月比+1業種)あり、砂利生産、砕石生産、刃物等金属製品(輸出)、輸送用機器、青果販売、生花販売、高山旅館、鉄構造物である。
 収益状況が悪化した業種は23業種(前月比+1業種)となった。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転5、悪化10でDI値はマイナス5となり、前月のマイナス13に対し、8ポイントの改善となった。
 資金繰りが好転した業種は4業種(前月比±0業種)あり、砂利生産、輸送用機器、生花販売、高山旅館である。
 資金繰りが悪化した業種は7業種(前月比−6業種)となった。
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