調査レポート
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景気動向調査
 平成26年7月  (平成26年7月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕7月の特色
◆ 景況感DI値マイナス20 〜前月比9ポイントの悪化〜
◆ 主要な調査項目の各DI値 全てにおいて悪化
◆ 原油(ガソリン)、原材料価格、電気料金の値上げに伴い収益が悪化
  〔 2 〕7月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転12、悪化32で、DI値はマイナス20となり、前月のDI値マイナス11に対し、9ポイントの悪化となった。景況感DI値がマイナス20以下となるのは、昨年の7月以来である。
 さらに業種別の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、製造業のDI値はマイナス9となり、前月比で12ポイントの悪化、非製造業のDI値はマイナス33となり、前月比でマイナス6ポイントの悪化となった。
 なお、回答のあった70業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、銘木、石灰、砕石生産、刃物等金属製品(輸出)、可児工業団地、輸送用機器、高山旅館、鉄構造物、電気工事の9業種(前月比+1業種)。
 また、「悪化」と回答した業種は23業種(前月比+7業種)となり、木材・木製品、小売業の区分で多かった。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス14で前月比8ポイントの悪化、販売価格DI値はプラス5で前月比2ポイントの悪化、収益状況DI値はマイナス29で前月比8ポイントの悪化、資金繰りDI値はマイナス14で前月比9ポイントの悪化となり、これら全ての調査項目において悪化の結果となった。

 コメントを見てみると、製造業からは、「東海北陸自動車道等の需要が増加したことにより出荷量が増加(生コンクリート)」、「共同受電事業における電気使用量は、11カ月連続でプラス(県金属工業団地)」などプラスの内容が報告された一方で、「製造・配送コスト等の諸経費が上昇(牛乳製造業)」、「原油の高騰による燃料代の負担が大きくなり、収益悪化(米菓)」、「電気料金、燃料費、原材料費等の諸経費の値上がりで、売上的には横ばいであっても収益は減少(メッキ)」といった内容も報告されている。
 非製造業でも、「景況感の悪化は、消費税増税及びガソリン価格上昇の影響(自動車車体整備)」、「原油の値上げが止まらず、経費だけは増えて大変(クリーニング)」、「石油価格、電気料金、消費税等の値上げに伴い、各企業の宣伝広告費が削減(広告美術)」といった内容が報告されている。
 このように幅広い業種から、原油(ガソリン)、原材料価格、電気料金の値上げに伴う収益悪化を伝えるコメントが寄せられている一方で、消費増税後における“反動減”や“買い控え”といった内容を伝えるコメントは、相対として減少した感はある。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加24、減少38でDI値はマイナス14となり、前月のマイナス6に対し、8ポイントの悪化となった。
 売上高が増加した業種は17業種(前月比+1業種)あり、米菓、毛織物、銘木、石灰、生コンクリート、砕石生産、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、県金属工業団地、可児工業団地、輸送用機器、機械・工具販売、高山旅館、理容・美容業、鉄構造物、電気工事、室内装飾である。
 売上が減少した業種は27業種(前月比−7業種)あり、特に小売業に多い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇20、低下15でDI値はプラス5となり、前月のプラス7に対し、2ポイントの悪化となった。
 販売価格が上昇した業種は14業種(前月比−3業種)あり、牛乳、食肉(国産)、銘木、家具、プラスチック、砕石生産、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、陶磁器産地卸、青果販売、水産物商業、石油製品販売、飲食業、鉄構造物である。
 販売価格が低下した業種は11業種(前月比−1業種)となった。

収益状況の動向は、前年同月比で好転8、悪化37でDI値はマイナス29となり、前月のマイナス21に対し、8ポイントの悪化となった。
 収益状況が好転した業種は6業種(前月比−2業種)あり、砕石生産、刃物等金属製品(輸出)、可児工業団地、輸送用機器、高山旅館、鉄構造物である。
 収益状況が悪化した業種は26業種(前月比−3業種)あり、特に小売業に多い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転4、悪化18でDI値はマイナス14となり、前月のマイナス5に対し、9ポイントの悪化となった。
 資金繰りが好転した業種は3業種(前月比−1業種)あり、可児工業団地、輸送用機器、高山旅館である。
 資金繰りが悪化した業種は13業種(前月比+6業種)となった。
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