調査レポート
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景気動向調査
 平成26年10月  (平成26年10月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕10月の特色
◆ 景況感DI値マイナス29
◆ 円安による原材料価格等の上昇に伴い収益が悪化
   〜収益状況DI値 前月比10ポイントの悪化〜
  〔 2 〕10月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転8、悪化37で、DI値はマイナス29となり、前月のDI値マイナス27に対し、2ポイントの悪化となった。
 さらに業種別の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、製造業のDI値はマイナス12となり、前月比で2ポイントの改善、非製造業のDI値はマイナス48となり、前月比で6ポイントの悪化となった。
 なお、回答のあった70業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、菓子、砕石生産、刃物等金属製品(輸出)、可児工業団地、輸送用機器、電気工事の6業種(前月比−2業種)。
 また、「悪化」と回答した業種は26業種(前月比−1業種)となり、木材・木製品、小売業、商店街、サービス業の区分で多かった。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス4で前月比11ポイントの悪化、販売価格DI値はプラス2で前月比7ポイントの悪化、収益状況DI値はマイナス38で前月比10ポイントの悪化、資金繰りDI値はマイナス15で前月比±0の横ばいとなり、資金繰り以外の調査項目において悪化の結果となった。なお、収益状況DI値がマイナス30以下となるのは、昨年の7月以来である。

 コメントを見ると、製造業では、「高速道路工事、河川改修工事等が進みつつあり、生産量、製品出荷量とも前年同月を上回る状態(砕石生産)」のほか、砂利生産の業種からも同様のコメントにより売上増の状況が伝えられている。
 その他では、「円安の状況にあり、輸出向けには良い環境である。(刃物等金属製品(輸出))」との報告がある一方で、「円安の進展は、海外原材料費の高騰等を招き、商品価格や収益、売上高に大きく影響が出てきている。(家具)」、「為替が急激に円安に振れ、材料の多くを海外に依存している当業界にとっては大打撃である。(鋳物)」など、円安による原材料価格等の上昇に伴う収益悪化を伝えるコメントが多数寄せられている。
 非製造業では、「宿泊者数は、前年同月比105.4%と増加している。海外からの宿泊客も前年同月比で130人程増えている。(長良川畔旅館)」、「秋のイベント開催に伴う会場設営及びイベント用看板製作の受注が増えている。(広告美術)」など、プラスの内容が報告された。
 一方で、「消費税増税に伴い、販売数、売上金額とも、前年同月比で落ち込んでいる(家電機器販売)」、「中古車販売台数においても、消費税増税後は毎月減少傾向(中古自動車販売)」など、改めて消費税増税の影響によるマイナスの報告も少なくない。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加28、減少32でDI値はマイナス4となり、前月のプラス7に対し、11ポイントの悪化となった。
 売上高が増加した業種は20業種(前月比−4業種)あり、菓子、米菓、縫製(既製服)、銘木、プラスチック、生コンクリート、砂利生産、砕石生産、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、メッキ、可児工業団地、輸送用機器、機械・工具販売、共同店舗(飛騨)、長良川畔旅館、広告美術、電気工事、室内装飾、軽運送である。
 売上が減少した業種は23業種(前月比+4業種)あり、特に小売業、商店街の区分で多い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇17、低下15でDI値はプラス2となり、前月のプラス9に対し、7ポイントの悪化となった。
 販売価格が上昇した業種は12業種(前月比−5業種)あり、牛乳、食肉(国産)、銘木、プラスチック、砕石生産、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、県金属工業団地、陶磁器産地卸、石油製品販売、飲食業、旅行業である。
 販売価格が低下した業種は11業種(前月比±0業種)となった。

収益状況の動向は、前年同月比で好転7、悪化45でDI値はマイナス38となり、前月のマイナス28に対し、10ポイントの悪化となった。
 収益状況が好転した業種は5業種(前月比−2業種)あり、菓子、縫製(既製服)、銘木、砕石生産、電気工事である。
 収益状況が悪化した業種は32業種(前月比+5業種)あり、特に紙・紙加工品、小売業、商店街、サービス業の区分で多い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転5、悪化20でDI値はマイナス15となり、前月のマイナス15に対し、±0の横ばいとなった。
 資金繰りが好転した業種は4業種(前月比±0業種)あり、菓子、可児工業団地、輸送用機器、機械・工具販売である。
 資金繰りが悪化した業種は14業種(前月比±0業種)あり、特に商店街の区分で多い。
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