平成26年11月 (平成26年11月末調査) |
|
岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。
当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。
本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。 |
|
〔 1 〕11月の特色 |
|
◆ 景況感DI値マイナス28
◆ 主要な調査項目のDI値 前月比で全て悪化
◆ 円安による原材料価格等の上昇、消費の伸び悩みなど、経営環境は厳しい
|
|
|
〔 2 〕11月の概況 |
|
当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転7、悪化35で、DI値はマイナス28となり、前月のDI値マイナス29に対し、1ポイントの改善となった。
さらに業種別の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、製造業のDI値はマイナス22となり、前月比で10ポイントの悪化、非製造業のDI値はマイナス36となり、前月比で12ポイントの改善となった。
なお、回答のあった70業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、紙加工品、砕石生産、刃物等金属製品(輸出)、輸送用機器、電気工事の5業種(前月比−1業種)。
また、「悪化」と回答した業種は25業種(前月比−1業種)となり、木材・木製品、紙・紙加工品、小売業、サービス業の区分で多かった。
主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス27で前月比23ポイントの悪化、販売価格DI値はマイナス6で前月比8ポイントの悪化、収益状況DI値はマイナス44で前月比6ポイントの悪化、資金繰りDI値はマイナス20で前月比5ポイントの悪化となり、これら全ての調査項目において、前月比で悪化の結果であり、特に、売上高DI値の悪化の幅は大きかった。
コメントを見ると、製造業では、「消費税増税の影響が薄れて、仕事の動きが良くなってきた感がある。(メッキ)」、「民間航空機関係において受注量は増加し、今後も続くとの予測。(輸送用機器)」など、一部業種からプラスの報告もあるが、当月も「円安により輸入品価格と原材料価格が上昇する一方、販売価格の値上げが進まない。(機械すき和紙)」、「円安に伴う原材料価格の高止まり、燃料費高騰による電力料、運送代の引上げ等、厳しい事業環境が続いている。(プラスチック)」、「円安傾向が続き、材料の多くを海外に依存する当業界にとっては大打撃(鋳物)」など、円安による原材料価格等の上昇から、収益の悪化など厳しい事業環境を伝えるコメントが多く寄せられている。
非製造業では、「県、市町の発注額が二桁台の伸びを見せているため、全体としてはプラス(土木(岐阜地区)」、「電気の引込工事の仕事は増えており、前年同月比で15%の増加。(電気工事)」など、プラスの内容が報告された一方で、「消費税増税に伴い、販売数、売上金額とも、前年同月比で落ち込んでいる(家電機器販売)」、「新車、中古車とも販売台数は、前年同月より減少している模様。消費税増税の直後は販売台数が減少することは想定していたが、その傾向が未だ続いている(中古自動車販売)」など、個人消費の面で反動減が継続しているといった報告も見られ、消費者マインドの回復に至っていない状況が伺える。
また、「深刻な人手不足の状況が続いており、仕事の件数はあっても消化しきれない(土木(岐阜地区))」など、建設業を中心に、人手不足の状況を伝えるコメントも見られた。 |
|
|
主な調査項目での動向 |
|
売上高の動向は、前年同月比で増加15、減少42でDI値はマイナス27となり、前月のマイナス4に対し、23ポイントの悪化となった。
売上高が増加した業種は11業種(前月比−9業種)あり、食肉(国産)、米菓、縫製(既製服)、紙加工品、砕石生産、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、メッキ、輸送用機器、土木(岐阜地区)、電気工事である。
売上が減少した業種は30業種(前月比+7業種)あり、特に木材・木製品、紙・紙加工品、窯業・土石、小売業、運輸業の区分で多い。
販売価格の動向は、前年同月比で上昇14、低下20でDI値はマイナス6となり、前月のプラス2に対し、8ポイントの悪化となった。
販売価格が上昇した業種は10業種(前月比−2業種)あり、牛乳、食肉(国産)、プラスチック、砕石生産、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、県金属工業団地、陶磁器産地卸、飲食業、旅行業である。
販売価格が低下した業種は14業種(前月比+3業種)あり、特に小売業の区分で多い。
収益状況の動向は、前年同月比で好転4、悪化48でDI値はマイナス44となり、前月のマイナス38に対し、6ポイントの悪化となった。
収益状況が好転した業種は3業種(前月比−2業種)あり、縫製(既製服)、紙加工品、砕石生産である。
収益状況が悪化した業種は34業種(前月比+2業種)あり、特に木材・木製品、窯業・土石、卸売業、小売業、サービス業の区分で多い。
資金繰りの動向は、前年同月比で好転2、悪化23でDI値はマイナス21となり、前月のマイナス15に対し、6ポイントの悪化となった。
資金繰りが好転した業種は2業種(前月比−2業種)あり、輸送用機器、電気工事である。
資金繰りが悪化した業種は16業種(前月比+2業種)あり、特に紙・紙加工品の区分で多い。 |
|
[景況グラフを開く] |