調査レポート
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景気動向調査
 平成26年12月  (平成26年12月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕12月の特色
◆ 景況感DI値マイナス31 〜前月比マイナス3ポイント〜
◆ 原材料価格等の上昇から、引き続き収益環境の悪化を懸念
◆ 寒波、大雪など天候不順から個人消費に伸び悩み
  〔 2 〕12月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転4、悪化35で、DI値はマイナス31となり、前月のDI値マイナス28に対し、3ポイントの悪化となった。
 さらに業種別の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、製造業のDI値はマイナス28となり、前月比で6ポイントの悪化、非製造業のDI値はマイナス36となり、前月比で±0の横ばいとなった。
 なお、回答のあった70業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、菓子、刃物等金属製品(輸出)、高山旅館の3業種(前月比−2業種)。
 また、「悪化」と回答した業種は25業種(前月比±0業種)となり、木材・木製品、紙・紙加工品、小売業、商店街の区分で多かった。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス12で前月比15ポイントの改善、販売価格DI値はマイナス7で前月比1ポイントの悪化、収益状況DI値はマイナス26で前月比18ポイントの改善、資金繰りDI値はマイナス15で前月比5ポイントの改善となり、売上高及び収益状況DI値は2桁の改善となった。

 コメントを見ると、製造業では、「クリスマスや年末年始の賑わいで忙しく、売上が伸びた。(菓子)」、「当月の売上高は、全般的に出荷が好調で前年を上回った。(プラスチック)」など、売上高の増加を伝えるプラスの報告があった一方で、当月も「電気料金、材料費が上昇し、仕事はあるが利益が出ない。(鋳物)」、「電気代、材料費、部品代等が少しずつ値上がりし、利益は前年と余り変わらない状況である。(金型)」など、円安による原材料価格等の上昇により利益が上がらない状況を伝えるコメントが依然寄せられている。
 非製造業では、「宿泊者数は、前年同月比110.0%と好調。毎年この時期は、忘年会やホテルのディナーショーを兼ねて近郊都市からの宿泊者が多い。(長良川畔旅館)」、「雪の影響があり、特に高山地区からの配送依頼が増加した。(軽運送業)」など、プラスの報告があった一方で、「寒波が何回も押し寄せ寒い日が続いた影響か、全く売上が上がらなかった。(メガネ販売)」、「年末の忘年会の時期には寒波が押し寄せ、飲食関係も不発に終わり、散々な歳末となった。(大垣市商店街)」など、小売業や商店街の業種からは、消費増税後からの消費の低迷に加え、当月は寒波や雪の影響による売上高の減少を伝えるコメントが見られた。
 その他、砂利・砕石生産など資材も含めた建設関連の業種では、ダンプ(トラック)不足や、技術者をはじめとする人材の不足と確保難を伝える報告があった。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加28、減少40でDI値はマイナス12となり、前月のマイナス27に対し、15ポイントの改善となった。
 売上高が増加した業種は20業種(前月比+9業種)あり、食肉(国産)、菓子、米菓、メンズアパレル、縫製(既製服)、プラスチック、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、輸送用機器、機械・工具販売、共同店舗(飛騨)、生花販売、長良川畔旅館、高山旅館、土木(岐阜地区)、電気工事、室内装飾、木造建築、貨物運送(県域)、軽運送である。
 売上が減少した業種は28業種(前月比−2業種)あり、特に木材・木製品、紙・紙加工品、窯業・土石、小売業、商店街、サービス業の区分で多い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇15、低下22でDI値はマイナス7となり、前月のマイナス6に対し、1ポイントの悪化となった。
 販売価格が上昇した業種は11業種(前月比+1業種)あり、牛乳、食肉(国産)、機械すき和紙、プラスチック、砕石生産、鋳物、県金属工業団地、陶磁器産地卸、水産物商業、生花販売、飲食業である。
 販売価格が低下した業種は16業種(前月比+2業種)あり、特に小売業、商店街の区分で多い。

収益状況の動向は、前年同月比で好転11、悪化37でDI値はマイナス26となり、前月のマイナス44に対し、18ポイントの改善となった。
 収益状況が好転した業種は8業種(前月比+5業種)あり、菓子、メンズアパレル、縫製(既製服)、紙加工品、可児工業団地、生花販売、高山旅館、軽運送である。
 収益状況が悪化した業種は26業種(前月比−8業種)あり、木材・木製品、窯業・土石、小売業、商店街の区分で多い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転7、悪化22でDI値はマイナス15となり、前月のマイナス20に対し、5ポイントの改善となった。
 資金繰りが好転した業種は5業種(前月比+3業種)あり、可児工業団地、輸送用機器、機械・工具販売、生花販売、電気工事である。
 資金繰りが悪化した業種は16業種(前月比±0業種)あり、紙・紙加工品、商店街の区分で多い。
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