調査レポート
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景気動向調査
 平成27年1月  (平成27年1月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕1月の特色
◆ 景況感DI値マイナス30 〜前月比概ね横ばい〜
◆ 円安による原材料価格等の高騰で収益状況は厳しい
  〔 2 〕1月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転2、悪化32で、DI値はマイナス30となり、前月のDI値マイナス31に対し、1ポイントの改善となった。
 さらに業種別の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、製造業のDI値はマイナス31となり、前月比で3ポイントの悪化、非製造業のDI値はマイナス29となり、前月比で7ポイントの改善となった。
 なお、回答のあった70業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、紙加工品、刃物等金属製品(輸出)の2業種(前月比−1業種)。
 また、「悪化」と回答した業種は23業種(前月比−2業種)となり、木材・木製品、商店街の区分で多かった。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス13で前月比1ポイントの悪化、販売価格DI値はプラス2で前月比9ポイントの改善、収益状況DI値はマイナス29で前月比3ポイントの悪化、資金繰りDI値はマイナス17で前月比2ポイントの悪化となり、販売価格以外の調査項目において悪化の結果となった。

 コメントを見ると、製造業では、「陶磁器産地商社が、製品を中国からの輸入から日本メーカーからの仕入れに転換しているため、包装関係も受注が増えつつある(紙加工品)」、「売上は、前年同月並みに順調に推移している。民間航空機関係において受注量は増加し、今後も続くものと予測(輸送用機器)」、「輸出環境は良く、製品では海外向けの包丁類が良い状況(刃物等金属製品(輸出))」など、受注(販売)環境の改善を伝える内容の報告があったほか、「無形文化遺産登録により、若干ではあるが活気が出てきつつある(機械すき和紙)」といったコメントも見られた。
 非製造業では、「売上は対前年同月比104%。(生花販売)」「1月の宿泊者数は、前年同月比113.4%と好調。(長良川畔旅館)」、「電気の引込関係の仕事は増えており、前年比19%増(電気工事)」など、プラスの内容が報告された。
 一方で、製造業からは「円安に伴う原料高、電力料、物流費等の経費負担が増加している(プラスチック)」「電気料金、材料費が上昇し、仕事はあるが利益が出ない(鋳物)」など、コストアップにより厳しい収益状況にあるとのコメントが寄せられている。また、非製造業からは「消費税増税に伴い、販売数・金額とも前年同月比落ち込んでおり、回復基調にはない(家電機器販売)」など、消費税増税後の反動減が続いているとするコメントが依然として寄せられている。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加25、減少38でDI値はマイナス13となり、前月のマイナス12に対し、1ポイントの悪化となった。
 売上高が増加した業種は18業種(前月比−2業種)あり、毛織物、縫製(既製服)、機械すき和紙、特殊紙、紙加工品、砕石生産、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、輸送用機器、機械・工具販売、青果販売、共同店舗(飛騨)、生花販売、商店街(大垣)、長良川畔旅館、土木(岐阜地区)、電気工事、貨物運送(県域)である。
 売上が減少した業種は27業種(前月比−1業種)あり、特に木材・木製品、窯業・土石、一般機械、小売業、商店街の区分で多い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇20、低下18でDI値はプラス2となり、前月のマイナス7に対し、9ポイントの改善となった。
 販売価格が上昇した業種は14業種(前月比+3業種)あり、牛乳、食肉(国産)、毛織物、プラスチック、砕石生産、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、県金属工業団地、陶磁器産地卸、青果販売、水産物商業、家電機器販売、生花販売、飲食業、旅行業である。
 販売価格が低下した業種は13業種(前月比−3業種)あり、特に小売業の区分で多い。

収益状況の動向は、 前年同月比で好転5、悪化34でDI値はマイナス29となり、前月のマイナス26に対し、3ポイントの悪化となった。
 収益状況が好転した業種は4業種(前月比−4業種)あり、縫製(既製服)、機械すき和紙、紙加工品、生花販売である。
 収益状況が悪化した業種は24業種(前月比−2業種)あり、特に木材・木製品、窯業・土石、一般機械、商店街の区分で多い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転4、悪化21でDI値はマイナス17となり、前月のマイナス15に対し、2ポイントの悪化となった。
 資金繰りが好転した業種は3業種(前月比−2業種)あり、輸送用機器、機械・工具販売、生花販売である。
 資金繰りが悪化した業種は15業種(前月比−1業種)あり、特に商店街の区分で多い。
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