調査レポート
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景気動向調査
 平成27年3月  (平成27年3月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕3月の特色
◆ 景況感DI値マイナス28 〜前月比3ポイントの悪化〜
◆ 売上高DI値 前月比9ポイントの悪化
◆ 円安による原材料価格等の高止まりで収益状況の厳しさ続く
  〔 2 〕3月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転2、悪化30で、DI値はマイナス28となり、前月のDI値マイナス25に対し、3ポイントの悪化となった。
 さらに業種別の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、製造業のDI値はマイナス36となり、前月比で11ポイントの悪化、非製造業のDI値はマイナス18となり、前月比で6ポイントの改善となった。
 なお、回答のあった70業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、機械・工具販売、高山旅館の2業種(前月比−2業種)。
 また、「悪化」と回答した業種は21業種(前月比±0業種)となり、木材・木製品の業種区分で多かった。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス27で前月比9ポイントの悪化、販売価格DI値はマイナス3で前月比±0の横ばい、収益状況DI値はマイナス22で前月比2ポイントの改善、資金繰りDI値はマイナス8で前月比5ポイントの改善となり、売上高の調査項目のみ前月比で悪化の結果となった。なお、売上高DI値のみ3ヶ月連続で悪化となった。

 コメントを見ると、製造業では、「卒業・入学・移動や暖かくなって外出が多くなることから、お菓子の売れ行きも上昇した。(菓子)」、「3月の製品出荷量は前年同月比で153.0%増、前月比で130.3%増とそれぞれ増加し、1月2月の低調分を盛り返した状態となっている。(砕石生産)」など、売上高の増加に関するプラスの内容が報告された一方で、当月も「全体では一昨年に比較すると増加はあったものの、昨年の伸び以上の出荷は見られず、円安、電気料金の値上げ、国内産業の空洞化等と依然業界を取り巻く環境は厳しい。(石灰)」、「前月同様諸費用(電気料、燃料費、原材料費)等の値上がりで売上的には横ばいでも収益は減少している。(メッキ)」など、円安による原材料価格等の上昇による収益減に関するコメントが依然寄せられている。
 非製造業では、「3月は外国人観光客の動向と卒業旅行などの若い観光客の動きが目立った。こういった消費が商店街にも好影響を与えた月だった。(高山市商店街)」など、観光シーズン等の季節要因によるプラスの内容が一部業種から報告された一方で、当月も「昨年はメガネ業界においても若干の駆け込み需要があったが、今年はその反動か、3月になっても全く低調である。(メガネ販売)」、「消費税増税に伴い、販売数・金額とも、前年に比べ落ち込んでおり、回復基調にはない。(家電機器販売)」など、消費税増税の影響による売上減に関するコメントが依然寄せられている。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加17、減少44でDI値はマイナス27となり、前月のマイナス18に対し、9ポイントの悪化となった。
 売上高が増加した業種は12業種(前月比−5業種)あり、菓子、縫製(既製服)、プラスチック、陶磁器(工業)、砕石生産、鋳物、県金属工業団地、輸送用機器、青果販売、生花販売、高山旅館、貨物運送(県域)である。
 売上が減少した業種は31業種(前月比+1業種)あり、特に木材・木製品、窯業・土石、一般機械、卸売業、小売業、建設業に多い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇17、低下20でDI値はマイナス3となり、前月のマイナス3に対し、±0の横ばいとなった。
 販売価格が上昇した業種は12業種(前月比+1業種)あり、牛乳、食肉(国産)、毛織物、家具、プラスチック、砕石生産、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、陶磁器産地卸、青果販売、水産物商業、生花販売である。
 販売価格が低下した業種は14業種(前月比−1業種)であった。

収益状況の動向は、 前年同月比で好転8、悪化30でDI値はマイナス22となり、前月のマイナス24に対し、2ポイントの改善となった。
 収益状況が好転した業種は6業種(前月比+1業種)あり、菓子、プラスチック、陶磁器(工業)、青果販売、生花販売、高山旅館である。
 収益状況が悪化した業種は21業種(前月比−1業種)あり、特に卸売業の区分で多かった。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転7、悪化15でDI値はマイナス8となり、前月のマイナス13に対し、5ポイントの改善となった。
 資金繰りが好転した業種は5業種(前月比±0業種)あり、可児工業団地、輸送用機器、機械・工具販売、生花販売、高山旅館である。
 資金繰りが悪化した業種は11業種(前月比−3業種)であった。
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