調査レポート
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景気動向調査
 平成27年9月  (平成27年9月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種69組合(うち69名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕9月の特色
◆景況感DI値マイナス18〜前月比ほぼ横ばい〜
◆売上高DI値前月の落ち込みの反動により前月比14ポイントの改善
◆製造業の一部の業種では、引き続き原材料価格等の高止まりの影響により、経営環境は厳しい
  〔 2 〕9月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転5、悪化23で、DI値はマイナス18となり、前月のDI値マイナス17に対し、1ポイントの悪化となった。
 さらに業種別の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、製造業のDI値はマイナス23となり、前月比で2ポイントの改善、非製造業のDI値はマイナス12となり、前月比で3ポイントの悪化となった。
 なお、回答のあった69業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、金型、機械・工具販売、長良川畔旅館、高山旅館の4業種(前月比+1業種)。
 また、「悪化」と回答した業種は16業種(前月比+1業種)となっている。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス3で前月比14ポイントの改善、販売価格DI値はマイナス6で前月比8ポイントの悪化、収益状況DI値はマイナス16で前月比3ポイントの悪化、資金繰りDI値はマイナス6で前月比6ポイントの悪化となり、売上高DI値のみ改善の結果となった。

 コメントを見ると、製造業では、「全体的に増収企業が多い。8、9月と美濃和紙の里会館の委託販売額も、過去に例のない売上を記録した。(機械すき和紙)」など、プラスの内容が報告された一方で、「製造配送コスト等の諸経費は依然として上昇しているため、今後も乳業者の経営状態は厳し
い。(牛乳製造業)」、「円安により原材料調達コストが高くなっており、再々値上げをした企業もある。(家具)」など、一部の業種からは原材料価格等の高止まりの影響により経営環境は依然厳しいというマイナスの内容も報告された。
 非製造業では、「シルバーウィークが旅行機運を大いに高めた模様で、売上は前年同月比約8%の増加。インバウンドについても、引き続き高い水準で伸びている。(長良川畔旅館)」、「9月の宿泊人員は、前年同月対比で6,052人(7.53%)の増加となった。9月の連休はほぼ満館状
態であり、インバウンドも好調だった。(下呂温泉旅館)」など、長期連休によるプラスの効果を伝える報告があった。また、「新車・中古車ともに販売台数は、前年同月と比べれば若干アップした模様である。(中古自動車販売)」、「食料品・衣料品が好調であったため、全館合計で2%前年同月
の売上を上回った。(共同店舗(飛騨地区))」など、売上高の増加を伝える報告があった一方で、「夏物商品の販売が一段落し、前年同月同様、売上額は伸びていない。(家電機器販売)」など、マイナスの内容も報告された。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加21、減少24でDI値はマイナス3となり、前月のマイナス17に対し、14ポイントの改善となった。
 売上高が増加した業種は15業種(前月比+1業種)あり、菓子、縫製(既製服)、東濃ひのき、機械すき和紙、陶磁器(工業)、砂利生産、メッキ、輸送用機器、陶磁器産地卸、青果販売、共同店舗(飛騨)、長良川畔旅館、高山旅館、理容・美容業、木造建築である。
 売上が減少した業種は17業種(前月比−9業種)あり、特に窯業・土石の区分で多かった。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇11、低下17でDI値はマイナス6となり、前月のプラス2に対し、8ポイントの悪化となった。
 販売価格が上昇した業種は8業種(前月比−3業種)あり、牛乳、毛織物、家具、特殊紙、砕石生産、水産物商業、高山旅館、旅行業である。
 販売価格が低下した業種は12業種(前月比+3業種)となった。

収益状況の動向は、前年同月比で好転11、悪化27でDI値はマイナス16となり、前月のマイナス13に対し、3ポイントの悪化となった。
 収益状況が好転した業種は8業種(前月比−1業種)あり、菓子、機械すき和紙、陶磁器(工業)、メッキ、青果販売、長良川畔旅館、高山旅館、木造建築である。
 収益状況が悪化した業種は19業種(前月比+1業種)あり、特に繊維・同製品の区分で多かった。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転4、悪化10でDI値はマイナス6となり、前月の±0に対し、6ポイントの悪化となった。
 資金繰りが好転した業種は3業種(前月比−2業種)あり、可児工業団地、機械・工具販売、高山旅館である。
 資金繰りが悪化した業種は7業種(前月比+2業種)となった。
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