調査レポート
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景気動向調査
 平成27年12月  (平成27年12月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種69組合(うち69名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕12月の特色
◆ 景況感DI値マイナス17 〜前月比4ポイントの悪化〜
◆ 主要な調査項目のDI値はすべて悪化
◆ 暖冬の影響により、一部の業種で売上の減少や販売価格の低下が見られる
  〔 2 〕12月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転4、悪化21で、DI値はマイナス17となり、前月のDI値マイナス13に対し、4ポイントの悪化となった。
 さらに業種別の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、製造業のDI値はマイナス19となり、前月比で5ポイントの悪化、非製造業のDI値はマイナス15となり、前月比で3ポイントの悪化となった。
 なお、回答のあった69業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、機械・工具販売、下呂温泉旅館、高山旅館の3業種(前月比−2業種)。
 また、「悪化」と回答した業種は15業種(前月比+1業種)となっている。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス10で前月比5ポイントの悪化、販売価格DI値はマイナス3で前月比7ポイントの悪化、収益状況DI値はマイナス16で前月比6ポイントの悪化、資金繰りDI値はマイナス12で前月比8ポイントの悪化となり、これら主要な調査項目においては悪化の結果となった。売上高DI値は4ヶ月連続の悪化、収益状況、資金繰りDI値は3ヶ月連続の悪化となった。

 コメントを見ると、製造業では、「年末商戦は、前年同月を久しぶりに上回った。(米菓)」、「特注材の注文が増加した。(東濃ひのき)」、「概ね前年同月比で収益が微かに好転。(機械すき和紙)」など、プラスの内容が報告された一方で、「主力の外装モザイクタイルは依然として低調に推移。(タイル)」、「予想以上に悪い。中国経済の状況が良くないとの見方が大勢を示す。(鋳物)」、「景況感はこれまでの一進一退傾向から悪化傾向に転じつつある。使用電力量は前年同月比3.7%の減少。(可児工業団地)」など、景況感の悪化を伝えるマイナスの内容も報告された。
 非製造業では、「食品関連が好調であったため、店舗合計で売上が2%前年同月を上回った。(共同店舗(飛騨地区))」、「年末29日からはほぼ満室状態であった。(高山旅館)」など、プラスの内容が報告された一方で、「おせちの注文も忘年会も前年同月より減少した。(水産物)」、「売上高は、前年同月比で減少となっている(△29.2%)。特に、東海環状自動車道関連工事費の減少によりマイナス(土木(岐阜地区))」など、マイナスの内容も報告された。
 また、「暖冬により、コート類を店頭に並べても不振で、売れていない。(メンズアパレル)」、「暖冬の影響で、野菜の販売価格が前年同月より下がっている。(青果)」、「暖冬傾向で推移した為、品目によっては咲きすぎの物も見られた。(生花販売)」、「冬物衣料等、季節需要が盛り上がらず、商店街の売上は伸び悩んだ。(高山市商店街)」など、当月も前月に引き続き、暖冬の影響による売上の減少や販売価格の低下を伝える内容が報告された。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加23、減少33でDI値はマイナス10となり、前月のマイナス5に対し、5ポイントの悪化となった。
 売上高が増加した業種は16業種(前月比−2業種)あり、食肉(国産)、米菓、家具、東濃ひのき、機械すき和紙、陶磁器(工業)、砂利生産、刃物等金属製品(輸出)、メッキ、陶磁器産地卸、青果販売、共同店舗(飛騨)、下呂温泉旅館、高山旅館、理容・美容業、電気工事である。
 売上が減少した業種は23業種(前月比+1業種)あり、特に窯業・土石、卸売業、運輸業の区分で多かった。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇11、低下14でDI値はマイナス3となり、前月のプラス4に対し、7ポイントの悪化となった。
 販売価格が上昇した業種は8業種(前月比−4業種)あり、牛乳、食肉(国産)、毛織物、家具、特殊紙、砕石生産、水産物商業、下呂温泉旅館である。
 販売価格が低下した業種は10業種(前月比+1業種)となった。

収益状況の動向は、前年同月比で好転10、悪化26でDI値はマイナス16となり、前月のマイナス10に対し、6ポイントの悪化となった。
 収益状況が好転した業種は7業種(前月比−3業種)あり、東濃ひのき、機械すき和紙、陶磁器(工業)、メッキ、可児工業団地、下呂温泉旅館、高山旅館である。
 収益状況が悪化した業種は18業種(前月比+1業種)あり、特に卸売業の区分で多かった。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転2、悪化14でDI値はマイナス12となり、前月のマイナス4に対し、8ポイントの悪化となった。
 資金繰りが好転した業種は2業種(前月比−3業種)あり、東濃ひのき、下呂温泉旅館である。
 資金繰りが悪化した業種は10業種(前月比+2業種)となった。
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