調査レポート
景況動向調査
各種調査
もどる
景気動向調査
 平成28年1月  (平成28年1月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種69組合(うち69名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕1月の特色
◆ 景況感DI値マイナス23 〜前月比6ポイントの悪化〜
◆ 売上高DI値は5ヶ月連続、景況感・収益状況DI値は4ヶ月連続
◆ 販売価格DI値は3ヶ月連続の悪化
  〔 2 〕1月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転4、悪化27で、DI値はマイナス23となり、前月のDI値マイナス17に対し、6ポイントの悪化となった。景況感DI値は4ヶ月連続の悪化となった。
 さらに業種別の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、製造業のDI値はマイナス20となり、前月比で1ポイントの悪化、非製造業のDI値はマイナス27となり、前月比で12ポイントの悪化となった。
 なお、回答のあった69業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、可児工業団地、下呂温泉旅館、高山旅館の3業種(前月比±0業種)。
 また、「悪化」と回答した業種は19業種(前月比+4業種)となっている。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス23で前月比13ポイントの悪化、販売価格DI値はマイナス12で前月比9ポイントの悪化、収益状況DI値はマイナス22で前月比6ポイントの悪化、資金繰りDI値はマイナス11で前月比1ポイントの改善となり、売上高DI値は5ヶ月連続、収益状況DI値は4ヶ月連続、販売価格DI値は3ヶ月連続の悪化となった。
 コメントを見ると、製造業では、「ミャンマー等ASEANの工場の再構築ができつつあるため、収益は改善している。(縫製)」、「設備投資等で生産性を向上した組合員は忙しいようである。(メッキ)」など、プラスの内容が報告された一方で、「主力取引先である鉄鋼業界・化学業界等における減産、国内産業の空洞化等の影響を受け、当業界も業績が悪化したものと思われる。(石灰)」など、マイナスの内容も報告された。

 非製造業では、「インバウンドが好調であり、1月現在で昨年度の3万人に対し、すでに4万4千人の増加となっている。(下呂温泉旅館)」、「電気の引込関係の仕事は増え、前年同月比32%の増加。(電気工事)」など、プラスの内容が報告された一方で、「年明けは入荷量が全般的に少なく推移した。成人式があったが動きは鈍く、葬儀・婚礼なども少なかった模様。(生花販売)」など、マイナスの内容も報告された。
 なお、「コートやダウン等の防寒衣料は在庫が増加。(婦人・子供服)」、「スキー客などのキャンセルがあったようだ。(高山旅館)」など、前月に引き続き、暖冬の影響を伝えるマイナスの内容が報告されたほか、小売業や商店街の業種からは、「後半からの寒気によって客足がさっぱり途絶えた状態である。(メガネ販売)」など、1月後半の寒波の影響により客足が遠のき、売上が減少したという内容の報告もあった。
 また、原油価格の値下がりにより「原料価格の引下げ効果はあった(プラスチック)」という報告があった一方、円安により「海外の原材料調達コストは高めで推移・継続している。(家具)」という報告もあった。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加20、減少43でDI値はマイナス23となり、前月のマイナス10に対し、13ポイントの悪化となった。
 売上高が増加した業種は14業種(前月比−2業種)あり、縫製(既製服)、銘木、家具、東濃ひのき、機械すき和紙、刃物等金属製品(輸出)、メッキ、機械・工具販売、共同店舗(飛騨)、下呂温泉旅館、高山旅館、理容・美容業、電気工事、木造建築である。
 売上が減少した業種は30業種(前月比+7業種)あり、特に窯業・土石、小売業、商店街、運輸業の区分で多かった。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇8、低下20でDI値はマイナス12となり、前月のマイナス3に対し、9ポイントの悪化となった。
 販売価格が上昇した業種は6業種(前月比−2業種)あり、牛乳、食肉(国産)、家具、特殊紙、水産物商業、下呂温泉旅館である。
 販売価格が低下した業種は14業種(前月比+4業種)となった。

収益状況の動向は、前年同月比で好転11、悪化33でDI値はマイナス22となり、前月のマイナス16に対し、6ポイントの悪化となった。
 収益状況が好転した業種は8業種(前月比+1業種)あり、縫製(既製服)、機械すき和紙、プラスチック、メッキ、機械・工具販売、下呂温泉旅館、高山旅館、木造建築である。
 収益状況が悪化した業種は23業種(前月比+5業種)あり、窯業・土石、商店街の区分で多かった。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転4、悪化15でDI値はマイナス11となり、前月のマイナス12に対し、1ポイントの改善となった。
 資金繰りが好転した業種は3業種(前月比+1業種)あり、可児工業団地、下呂温泉旅館、高山旅館である。
 資金繰りが悪化した業種は11業種(前月比+1業種)となった。
[景況グラフを開く]

▲ページ上へもどる