江戸時代、高山の各町組が競って造り上げたといわれる祭屋台は、木組・漆・箔・彫刻・飾金具・染織・鍛冶、そして、からくりと飛騨の匠の技と心意気が渾然一体となり、国指定の重要民俗文化財として、高山祭りの重要な位置をしめ、内外にその価値は高く評価されています。
屋台創建当時より今日まで、その保存と維持には各屋台組の情熱と努力もさることながら、そのかげで我々の先達が高い技術と細心の注意をはらって支えてきました。
昭和56年、高山屋台保存会の推薦のもとに、高山市教育委員会より屋台保存修理技術者としての認定を受け、この職責ををはたすべく、祭屋台の保存修理を主軸とした協同組合を設立いたしました。
これまで各職がそれぞれで行ってきたものを、組合で一括受注することにより、意志の疎通と連携がより円滑となり、今では技術の錬磨、後継者の育成、継承に重要な役割りをはたしているものと自負しています。
この貴重な文化遺産を永く後世に伝えて行くことはもとより、今後、祭屋台、山車に限らず取り組んでゆき、受け継いだ”てわざ”を次の世代に手渡すことが私達の願いであり、課せられた使命であると考えます。
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